カイトと勝負しました
今回はバトルを持ってきました。
主人公の運の強さが発揮されるかも!!
クロガネがやられて1週間が経過した。
ガチャで手に入れていた5つの上位回復薬ポーションによって一命は取り留めたが、疲労までは回復しないため、隠れてもらっている。
僕といえば毎日クエストを理由に森をさまよっていた。
クロガネをやった犯人を見つけ出すためだ。
と言ってもクロガネから聞いた情報は黒いローブを着ていたという事のみ。
これだけでどうやって犯人を見つければいいのか見当もつかないが、僕は諦められなかった。
某MMORPG作品の主人公を見て以来、ゲームの戦略ですら仲間を見捨てられなくなった。これは感化と言うのだろうが、こんな所でも発揮されるとそれが僕の本質なんじゃないかと疑いたくなってしまう。
今日も森へ急ぐ。受けたクエストはいつもどうりの属性狼シリーズだ。
今まではさまよっているだけで終わっていたが、どうやら今日は違うようだ。
「なんの用?」
「また来るって言わなかった?」
森に現れたのは以前会った転生者・・・たしかカイト・・・だったかな?
「悪いけど急いでるから勧誘なら日を改めてくれないか?」
僕はそう言ってカイトに背を向けた。
「あのデカい狼をやった犯人に心当たりがある
と言ったら?」
「知ってるのか!?」
「それを教えるかどうかはお前の返事にかかってるぜ?」
こいつ!!
「おいおいそんな怖い顔すんなよ、ただ俺の勧誘に乗ってくれるだけでいい」
「分かった・・・」
「それじゃあ俺について--」
「なんて言うかよ!!」
僕はファントム・ナイフを手に取り、その能力を発動させた。
カイトの視界には、5人の僕が写っているだろう。
「へぇ・・・それが君の能力って訳かい?」
僕はそれに答えることなく幻影の僕を走らせ、回避行動を取ったカイトの脇腹を切り裂く・・・
ことは無かった。
「正直がっかりだよ。君の幻影は僕の固有スキルであるアナライズで見ただけで見抜ける。」
ファントム・ナイフの効力は対抗スキルで相殺される・・・簡単なことだ。
見抜ける・・・か・・・。
「アナライズ・・・解析だな?」
「思ってたより頭は回るんだね。作戦参謀には使えるかな?」
「もう仲間に入れた気でいんの?」
「残念だが君の力は通用しない・・・これはもう俺が勝ったも同然だろう?」
「確かに今の技は僕がやったものだ。だけどこれが僕の固有スキルだとは言ってないよ」
「へぇ・・・まだ何かあるのかな?」
---〈ガチャ〉を使用・・・10連!!---
《職業〈アサシン〉〈狩人〉スキル〈隠蔽〉〈解析無効〉アイテム〈中位回復薬ポーション〉×5〈上位回復薬ポーション〉を獲得しました》
---スキル〈解析無効〉を使用!!---
「これで・・・どうだ!!」
解析無効を発動させたまま、ファントム・ナイフの幻影を発生させる。
「は?幻影なんて効かないって言った・・・ろ?」
解除出来ないことに驚いたようで、少しだが隙が生まれた。
不意打ちもいいとこだが、こんな隙を見逃すほど僕は甘くない。
焦った様子のカイトが刃渡り80センチ程の片手剣を振り回すが関係ない。
幻影の僕がナイフで切り裂く度、カイトは怯み続ける。
ここまで効くとは思わなかったな。
「待ってくれ!!いや待ってください!!」
「なんだよ・・・面白くないなぁ」
「ナチュラルサイコパスかましてんじゃねぇよ!!」
まぁこれくらいでいいか・・・
「それじゃ教えてもらおうか」
「チッ分かったよ、お前が探してるやつは・・・」
そうして、カイトは全て吐いたのだった。
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