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手に入れたスキルはガチャでした  作者: 林藤ハルト
始まりの街編
12/57

モンスターをテイムしました

そろそろ新キャラ出したいのでTwitterで名前を募集します。

よし!!行こう。


朝になり準備(携帯食と武器だけだが)を終わらせ、作家の街フィークへ足を運ぼうとしていた。

地図は用意しないのかと言われそうだが、僕には最初のガチャで手に入れた【マップ】がある。

初めは大した能力は無かったが、魔石によってスキルを強化できることを知り直ぐに強化したから鮮明なものなら半径1キロ、そうでなければ半径3キロまで分かる。


うん!!便利だね!


北の門に着くと、いつもクエストに行く時に使用している東門とは違い門番が居た。なんでも東の門付近で生息する魔獣は初心者用とも言われるほど弱く、門番など居なくても問題ないそうだ。


「そんなことが分かってるならキラー・ドッグの天敵とかも知ってそうなものなのにな」


ギルドに居る人に僕の考えを伝えたところ、キラー・ドッグに天敵なんて聞いたことない上に冒険者が討伐クエストを受けた記録も無いらしい。

やっぱり調べる他無いわけだ。


まぁ他の方法があるならほかの街に行く必要なんてないんだけど・・・


グシャリ


足が妙に重い・・・くそ!!これが湿地か!

土が湿っているから足を取られる。雨が上がって直ぐに体育の授業で走らされてるみたいだ。


実際は歩いているのだが、足を押さえつけられるかのような感覚が、どんどん体力を削いでいく。


グルルルル・・・


「おいおい・・・勘弁してくれよ」


そこに出てきたのはまたも狼、それも今までのヤツより大きい・・・毛の色を見るにシャドウ・ウルフの上位種だろう。


「ダーク・ウルフ」


『弱き者よこの森を抜けたいか?』


・・・は?狼が・・・喋った?


『答えよ!』


どうやら本当にこの声は狼のものらしい。


「あぁ抜けたいよ」


『では次の質問だ・・・人間が作る燻製肉・・・お前は持っているか?』


燻製肉・・・携帯食として作られる、水分を抜き塩で味付けされたものでパンと一緒に食べるファンタジーな食べ物。


ってそんなことはどーでもいい。


「・・・持ってる」


『よかろう。その肉をよこせ!そうすれば森の外に連れて行ってやろう。』


「どういうつもり?この状況なら俺を殺してカバンを漁ることも出来たはずだろ」


『確かにそれも可能だ。だが私は人間の作る食事が好物でな・・・それを作ることが出来る人間という種族を、できる限りは殺したくないのだ。』


「殺しすぎて作る人が居なくなるのを避ける・・・か」


断る理由など無いのではないだろうか?携帯食が無くなるのは寂しいが、渡せばほぼノーリスクで街にたどり着く。

よし!!渡そう。

ただし・・・


「分かった。渡すよ・・・でも条件がある。あんたは森の外に連れていくとしか言っていない。つまり僕が行きたい方向と逆に進んでも嘘をついてないことになるから、文句のつけようがない。だから約束してくれ!!僕を・・・フィークまで連れて行ってくれ」


『よかろうそのくらいなら問題ない』


良かった・・・断られてならば死ね!!とか言われたらどうしようかと思った。


そして僕がカバンから取り出した燻製肉を、この狼は美味しそうに食べていた。


「そういえばあんたに名前はあるのか?」


『私はネームドモンスターでは無い・・・念話スキルを手に入れ話せるようになっただけの名無しよ』


ネームドモンスター・・・この単語はゲームをやっていれば嫌でも見る。この世界ではラノベやゲームのように名前持ちはモンスターの中でも格が上がるらしい。

名前を付けてやろうと思ったがこの手のシステムで名前をつけるには、対象のモンスターが進化しうるだけの魔力を持っている必要がある。

今の僕の魔力がどれくらいあるのかは調べてないから知らないが、まだそんなに増えてないだろう。魔力を使うスキルもあまり多くないし、平均値あるかどうかも不安だ。


・・・アナウンスで調べられないかな?


---〈アナウンス〉僕の魔力量は?---


《1500です》


---平均は?---


《レベル1の人間の平均値は100です》


レベルなんてあるのか・・・まぁこれは予想通りだな。技がスキル制なら実力はレベル制になっているのは当然だ。

平均より15倍も魔力があるのには驚きだな。

これだけあれば名前も付けられそうだけど。


---ダーク・ウルフに名前をつけた場合魔力はどれくらい減る?---


《およそ1300前後です》


なら大丈夫か。


「なぁ・・・名前僕が付けてやろうか?」


『何?』


「だから・・・名前を付けてやるって言ったんだよ」


『お前が私にそこまでする理由はなんだ?』


「そこまでって・・・名前くらい大したことないだろ?ほんのお礼だよ」


『大したことないわけないのだがな・・・まぁよい付けてもらえるのならありがたくもらうとしよう』


「うん・・・それじゃあんたは今から〔黒鉄〕だ。」


『クロガネ・・・』


「あぁ!よろしくクロガネ」


そう言った瞬間、ダーク・ウルフの体が光った気がした。そして、一回り大きくなり毛が金属のような漆黒の輝きを放っている。


『正直・・・期待してはいなかったのだがな、まさか本当にネームドモンスターにされるとは・・・礼を言わせてもらおう・・・そういえば貴様の名は聞いてなかったな、名乗るがいい』


「ゆき・・・舞城祐希だ。」


『舞城ユキ様、私クロガネは貴方様に忠誠を捧げます。』


忠誠って大袈裟な・・・でも


「よろしく頼むよ!クロガネ」


『は!!』


こうして・・・無事にフィークにたどり着いたのだった。

TwitterのIDは@RindoHarutoです

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