プロローグ
前回と同じく勢いです。あまり期待せず御覧ください。
「この度の不幸な事故につきましては、当社製品との関連性は未だ調査中ですので言及は控えさせて頂きますが、一つの人命が失われたという重大な結果には哀悼の意を示したく思います。つきましては……」
「都内某所にてVRゲームのプレイ中に突如、痙攣を起こし心停止に至ったとされる今回の件について、VRゲーム機器販売元のヨミバシ商事社長、夜見橋崇人氏は会見でこのように話しており、警察は事件・事故の両面から捜査していくことを……」
1つの魂が流転する輪廻の輪より外れ、何処かへと誘われていった。引力のような縁がかの魂を引き寄せ、世界の外へと連れ出した。
暗黒の空、空虚な波、蒼い太陽、紅い大地、黒い雪と緑の炎が同居するそこは、正しく人の理解の及ばない、世界の殻の外。
そこを意識と記憶を宿したままの洗浄前の魂が、まるでその分の質量が増した重い自身を引きずるかのように、ゆっくりと時間をかけて通り抜けていく。
魂の意識は眠っている。いまだ自らが身体から抜け出てしまったことも気付いていない間抜けな彼──依人は、自宅でゲーム機を着けたまま寝落ちし、その魂までもが堕ちてしまった。
人の魂が何かの拍子にずるりと抜け落ちることはそう珍しいことでは無いが、この魂はそのまま洗浄の列から離れこうして世界の殻を破り、外を抜けその先の何処かへと引かれ導かれている。
やがて魂は、またも殻を破った。今度は外から内に。
別世界の殻を破っり、内部へと至ったのである。
幻想と神秘、そして古代文明の息づくかの世界『アストロネア』へと
予約投稿無しでどこまで書けるのかの実験的な試みになります。感想等ありましたら大変励みになりますので、どうぞよろしくお願い致します。