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不便な超能力  作者: 大錦蔵
1/6

話数① 異能引力

 よろしくお願い致します。

 この物語は、不定期連載形式になっております。

 何度も改稿するかもしれません。

 最近改稿した時期は、2018年10月2日。


 ※主人公の名前と口癖を変更いたしました。

 「歩行者のみなさま~っ!! お聞き下さいっ!!! 今現在の時代・・・・・・超能力者共が善良な一般市民に能力を見せつけ、生意気にも粋がっている世の中になっておりますが・・・・・・」


 早朝のとある住宅街の路傍、一人の超能力者がメガフォンを片手に、叫んでいた。

 演説をしているのだ。往来の人たちは気にすることなく無視をしたり、家屋からは、「うるさいっ!!」と文句を放った人もいた。

 彼は続けて、


 「本来・・・・・・人間というのは、原始の時代から異能力なんて無くても、何の問題もなく暮らしていました。しかし・・・・・・悲しいことに、数十年前に何の因果か、物理法則を捻じ曲げる胡散臭い魔法もどきを行使する奴らが現れたのです!! そこから能力有る無しで、不要な差別区別偏見が生まれ、凶悪な超能力に関する犯罪も数多にニュースで報道されてきました・・・・・・」


 物語でよくある、超能力を専門とした高校に通っている生徒の一人は、額に片手を添え、首を振り、超能力をディスりまくります。

 彼は、こうまとめました。


 「つまり私は、みなさまに何をお伝えしたいかと言うと・・・・・・超能力を使わないで下さい!! こっちの身にもなってく・・・・・・あっ」


 四方八方から、彼・・・・・・ 形代かたしろ まねき の体に向かって、炎や電気、浮遊している目玉焼きやら飛行している人が、急速な勢いで突っ込んできた!!


 それらの全てが、超能力に関しているのだが、別に文句を言って騒いでいる形代に、傍聴していた能力者達が、反発して攻撃を開始したわけではない。


 「うわぁあああぁあああぁあああああっっっっ!!!!?? だから嫌なんだよ外に出るのぉおっ!! なっ・にっ・がっ『異能引力』だよっ!? こんなの念動力系の能力だなんて俺は絶対に認めねえぇえええええええぇえええええええええええええええええぞぉおぉおおおおおおおおおおおおおっッッッ」


 頭に自転車用のヘルメット・通販で買った防弾チョッキの防御力もあまりに用をなさず・・・・・・形代の近くにいる数多な凶刃は、敵意は含まれてはいないが、容赦もなく彼に襲いかかった。

 自分付近で発動している、他人の超能力のエネルギーを、自身に寄せ付けとばっちりを受ける能力・・・・・・引寄はそれを持っていた。


 

 

 舞台は変わり、形代が通っている高校へ。

 時間は、朝のホームルームが始まる前で。


 学校にいる生徒達の制服は、男子はカッターシャツと黒ズボン・女子はセーラー服にプリーツスカート。


 「・・・・・・今日も生き残って帰れれるのか」

 1-2クラスにて、自分の席に座っている形代は、情けない顔立ちで机に伏せて、みっともなく弱音を吐いていた。


 彼の顔には、火傷とケチャップの痕が付いており、腕には、前に念動能力サイコキネシスで翔んでいた人とぶつかってたため、先程寄った保健室で、包帯を巻いてもらっていた。

 形代の引力で衝突した念動能力者は、何故かほぼ無傷で済んでいる。


 室内だというのに、ヘルメットは冠ったままで、防弾チョッキも外さない彼。



 「『異能引力』・・・・・・本当に面白い超能力だね。能力が自分の意志で解除できないのもすごい珍しい・・・・・・あたしの『付加エンチャント』の超能力を、『異能引力』に発動させたら・・・・・・どうなるの? すごく興味ある!!」

 自由帳を小脇に抱えている小柄な女の娘がテンションを高めに、形代に話しかける。

 まさしく彼女は、小動物系でした。ただおとなしそう・・・・・・ではないのだが。


 彼は顔を上げて言う。

 「あさ君・・・・・・本当にやめてくれよ? 俺は君のモルモットじゃないぞ。能力ヲタクの実験ごっこに協力しないよ自分は」

 

 彼の突っ張った言葉に、麻鬼と呼ばれた美少女は、小刻みに地団駄を踏んで、サイドテールを揺らし、頬を膨らませて、

 「も~ケチ~。『異能引力』を『付加』したら一体何が起こるか気になる。気~に~な~るぅう~。何で拒否するの?」

 文句を呟く。


 「何で拒否するのかって? 発動するまで何が起こるかわからないからだよ君の超能力は!!」


 麻鬼 真奈まな の能力『付加』は、他人の超能力に一つの効果を一定時間まで付与させるものだそうで。

 付与された異能の種類によって、表れる副効果が全然違う。


 【例】 ◯念動能力サイコキネシス・・・・・・威力が純粋に高まる。

     ◯発電能力エレクトロ・・・・・・発されている電気に触れた対象を氷結させる。


 「俺は自分で生み出している引力を、オンオフが出来ない!! そんな中で、君がもし『付加』して、自分の超能力にとんでもない副効果を生み出したら、一時間の間止めるすべがないぞ。そんな事たまったものではない!!」


 そう熱弁している形代の腕に、

 「えいっ!」

 麻鬼は小柄な手で触れ、能力を発動させた。

 

 「あ。 え あ はあっ!!? 何やってんだ室内だぞ!? 隣いっぱい人が密集しているんだぞ何考えているんだ!!!」

 勢いよく立ち上がって叫んだ形代は、慌てて左右前後に首を振った。


 「でも何も起こらないよ?」

 

 「え」


 確かに十数秒程周りを見渡しましたが、特に何が光るわけでも、人が爆発する素振りもないような。


 麻鬼はため息を付き、つまらなさそうに自分の席まで向かおうとします。


 それを気にせず呆然とする形代は、

 「も・・・・・・もしかしたら・・・・・・」


 小刻みに震え、

 「もしかしたら多分・・・・・・『付加』した『異能引力』は、その効果を打ち消すのか? 能力が無くなるのかっ!!?」


 「いやっほうぉおおぉおおおおおおおっっ!!!! やっと俺にも春の訪れが来たぁああぁああああああ、人生の春がっ!!」

 高くジャンプして、歓喜しました。


 しかしその喜劇も、

 「あっごめんね、ヒッキー。なんかそうじゃないみたい・・・・・・」

 自由帳を広げて鉛筆を構え出した麻鬼が、幕を閉ざします。


 「は」


 彼女は、『付加』した『異能引力』の説明を、別のクラスメート達を眺めながら答える。

 

 「多分周囲にいる異能者の超能力を、強制的に発動させて、」


 教室にいる生徒近くの虚空先から、炎や電気・宙に浮く水球などが生み出される。

 各々の生徒は、自分が意図せず発動している超常現象に、何事かと驚いていた。


 「ヒッキーに向かって効果を発するのでは?」


 「え・・・・・・あっ・・・・・・」


 

 ここは異能者が集う超能力専門の高校『まい超能力専門学園』

 数十種類ある、物理法則を踏みにじる弾丸が、形代めがけて群がり突撃します。




 「もう嫌だああああぁああああああああああぁああああああああっっっ!!!! 自分の能力に殺されるぅうぅうううううううぅうううううううううっ!!!!!!!」





 

 ご覧下さりありがとうございます。

 ヒロインの髪型を変更しました。

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