1:転生
っ!
痛い……凄く痛い。体全体が悲鳴を上げ、大声で叫んだ。
「おぎゃぁぁぁ、おぎゃぁぁああああ、おぎゃぁぁああああ」
……びっくりするぐらい大きな泣き声がでた。うっすらと見える目に映っているのは3人くらいの人。人前でこんな大きな声で泣くことになるとは………。
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あの痛い思いをしてから6年と11ヵ月に27日。俺はどうやら転生したらしい。母親はとてつもなく可愛いくて、母親なのに惚れそうになるほどだ。しかし父親は汗が冬でもにじみ出ていて脂肪のせいで豚と間違えるほど不細工だ。俺はどうやら母親に似たため、自分でも美形だと思う程整っていた。
豚そっくりな父親だが、宮廷魔法師の家系なため魔法は王国(俺が転生した国)でも5番目に強いらしい。
魔法、魔法である。だれもいない部屋の中で「ファイヤーボール」とか「インフェルノ」とか叫んでみたが全然だめだった。
さて、今日は協会に行って魔力と魔法許容量を計ってもらう日らしい。
魔法許容量とは魔法を覚えられる量のことで、下級魔法はどの属性魔法も魔法量は10だそうだ。つまり、魔法許容量が最低10あれば下級魔法のどれか一つを覚えることが出来る。
ちなに父親の魔力量は9540だそうだ。魔法許容量は3650で、魔力量だけだと王国で2位だそうだ。
「それでは行ってまいります、お父様、お母様」
「ふん」
「頑張っておいで」
父親はどうやら俺を嫌っているらしいが、理由は分からばない。
俺はゆっくりと協会の通路を歩き司祭のいる方へと向かう。
「この水晶に触れてください」
司祭にいわれた通りに水晶に触る。
ーーパリィン
強く光ったと思うと割れた。
魔力量チート来たああああと心の中で叫んでいると、司祭が冷や汗を流しながら後ろに待機している両親に結果を告げた。
「お子様の魔力量は9万9999を超えています」
「何だとっ!あり得ないだろう、そんな魔力量は!」
「で、ですがこの測定器は神器です。故障はあり得ません」
司祭が少し声を荒げる。
「……分かった。魔法許容量を調べてくれ」
「はい」
父親は何か考えこんでいたが、首をたぷたぷとふり、司祭に俺の魔法許容量を調べるように言った。
「では、今度はこっちの水晶に手を触れてください」
さっきのものと同じような水晶に手を触れる。
………
光ったりもしなければ割れたりもしない。
司祭は目を見開き、口を金魚みたいにパクパクとさせている。
「お、お子様の魔力許容量は0…でございます」
へ?………
「ありえないっ!ありえないっ!魔力は9万を超えているのに魔法許容量が0?そんなことはありえない!!」
父親は顔を真っ赤にしながら怒鳴り、母親は顔を真っ青になって口をパクパク動かしている。
「で、ですが、本当にそう表示されているのです!」
「……そ、そうか!固有魔法だ、固有魔法のせいで魔法許容量が0なのではないか?」
固有魔法とは生まれた時から覚えている魔法の事である。
「それは無いかと。9万9999以上の魔力を持つ人が魔法許容量が固有魔法で埋まることはありえないので」
「………そうか………」
父親はうつむいて何かを考えこんでいたが、顔をあげ何かか決断したような顔をすると、俺と母親を連れて協会をでた。
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そして俺は研究所に売られた。
宮廷魔法師の家系に前代未聞の魔法許容量が0な子が生まれたとなると恥なので、だそうだ。