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10:銀狼フェンリル

 薄暗い森の奥深く。右手が剣で左手がスパイダーナイトの手、目は夜行性の魔物の目。体は銀色の毛皮で覆われ、狼の耳と尻尾、まるでキメラのように体のほとんどが人間のものではない男、同化者は首無し騎士デュラハンことデュラを伴い、歩いていた。


 異世界の同化者を名乗る男が首無し騎士デュラと出会い、主従関係になってから3日の時が過ぎていた。


 デュラと名付けた首無し騎士は同化者の従者になる事を伝えたが、拒否された。だがその後、なんやかんやありながら主従関係をもつことにした同化者がデュラに連れていくための条件を出した。

 一つ、同化者の命令に逆らったら殺す

 二つ、同化者に敵意を向けたら殺す

 の2つの条件である。

 

 この2つが、同化者がデュラを警戒しないための最低限の条件だった。


 だが、同化の固有魔法で同化した生命体の意識が同化者に逆らえないように、固有魔法[同化]で一度同化されたデュラは逆らう事が出来ないため、同化者の心配は杞憂だったと言えるだろう。


 



 この3日間、同化者とデュラはCランクの魔物を数えきれないほど、Bランクの魔物を7体、Aランクの魔物を1体、倒した。

 Cランクの魔物程度では同化者とデュラには傷一つ付けられなかったが、Bランクの魔物では少し攻撃を食らったりしたが2人の連携が上手くいった事で、苦戦はせずに倒せたのだった。

 しかし問題はAランクの魔物だ。2人が出会ったAランクの魔物は、狼の神と言われる銀狼フェンリルだった。

 ちょうどその時は睡眠休憩の後だったので疲労、魔力共に回復していて万全な状態だった。もしこれが戦闘が終わった直後に出会ったのだったら確実に負けていただろう。


 フェンリルは4メートル前後の大きさでありながらとてつもなく速かった。チーターの最高速度を遥かに凌駕したスピードをずっと維持したまま、目にも止まらぬ速さで視界の外から襲いかかって来たのだ。


 同化者とデュラはフェンリルに目視出来た途端に戦闘体制に移行したが、遅い。

 鉄をも容易く切り裂く爪で同化者の両足を、デュラの右腕を切り裂いた。



 同化者は瞬時のスペアを使い同化、復活後デュラを一度同化してデュラのスペアを作成、同化して治すと再び体外へ出した。

 この時にかかった時間は2秒ほどだがフェンリルは即に方向転換し同化者とデュラを再び爪で攻撃した。


 だが同化者もデュラも同じ攻撃を2度喰らうような素人ではない。その攻撃を同化者は酸素と同化してすり抜け、デュラは両腕の剣を交差して受け止めた。

ーーーギャリンッ


 デュラの未知の金属で出来た剣とフェンリルの爪がぶつかり合い、火花を散らす。デュラBランクだがフェンリルはAランク。力に差があるようでデュラが押し負けたがすぐに距離を取った。

 2人を計画してか唸っているフェンリルに同化者は右手に水素を同化、両手から酸素と水素を噴出し引火させた。



 爆発。


 デュラへの攻撃で使用した時より2倍も3倍もの威力。その理由は酸素を混ぜたからと水素の量が多かったから。


 爆発の轟音と衝撃は辺り一面の木をなぎ倒し大きなクレーターを作った。しかし、爆発地点からのっそりと出てきたフェンリルは、銀色の毛皮が焦げ少し地肌が見えてる程度。

 これがAランクの耐久力か、と思い知った2人だった。



 フェンリルは爆発の轟音とも引けをとらない咆哮をし、一気に加速。同化者はすり抜け、デュラに襲いかかった。噛み付こうとするフェンリルに左手の剣を噛ませ、右手の剣をフェンリルの首向けて一閃。

 

 フェンリルの右足の爪に阻まれたが爪を一本斬り落とす事に成功した。






 その後は一進一退の攻防。フェンリルの攻撃をデュラが受け止め、同化者が今までに同化したものを駆使し攻撃する。



 戦闘は6時間にもおよび、決着が着いた時には両者、戦闘での疲労と傷でヘトヘトになっていた。

 



 デュラは片足と片腕が欠損し、鎧はひびだらけである。

 フェンリルは右目に右前足、尻尾を欠損した。

 同化者は唯一無傷だが魔力の使いすぎで理性が薄れ、フェイスが移行しようとするのを抑えるのに必死だった。


 フェンリルは右目に右前足、尻尾を欠損して動けずにいてもなお、戦いの意を示したので、同化者は敬意を示し、ひと思いに首を切り落とした。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 フェンリルの毛皮を同化しついでにと耳と尻尾も同化させた同化者は機嫌良さそうに歩いていた。


 フェンリルと戦った後魔力を消耗しすぎたため一時的にフェイス5に移行してしまったため、女の子だと分かっていたデュラに襲いかかろうとしたハプニングがあったのだが根性で無理やりフェイスを3に戻し、止めた。首が無くても女の子。とフェイス5は考えたようだ………。




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