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9:決着と主従

 テンプレっぽいなにか

 「首無し騎士、デュラハン……」

 右手にはスパイダーナイトの手を左手には散弾銃の木を、目は夜行性の魔物の目を同化させた男が、Bランク上位の魔物、デュラハンと対峙していた。


 漆黒の鎧を身に纏い、両腕の肘から先は手では無く剣になっており、顔が無いはずなのに男はデュラハンに睨まれた感覚を覚えた。



 「ふざけんな………ふざけんなよ………俺が怯えている……?」



 男の足はガクガクと震え、口はカチカチと歯がなっている。

 これではまるで、あの拷問を受けていた時のようじゃないか、男は無理やり震える足を抑え、顎に力をいれる。震えが止まりうるさい歯が鳴らす音も無くなった。



 「大丈夫、大丈夫だ。俺は強くなった」

 男は自分に言い聞かせるように呟き、両手の武器をデュラハンに向けた。


 刹那、轟音と共に放たれた斬撃が男の左手を切り落とした。デュラハンはまるで男が武器を構えるのを待っていたかのように、向けた途端に放たれたのだ。


 「ぐあッッ」



 男は斬り落とされた右手の散弾銃に見向きもせず、新たな右手を生やし、散弾銃の木を同化した。



 この固有魔法の能力一つを男はストックと読んでいる。自分の体を体内で魔力を使い生産するのだ。そうすれば、もし四肢が欠損しても体内で生産した体から切り落とされた所だけを本当の体に同化させれば、すぐに治すことが出来るのだ。

 しかしそれにも弱点がある。ストックの体を生産するには一体5000も魔力を使う。宮廷魔法使いの魔力は5000~10000ほど。たった一回の魔法で使う魔力が5000、宮廷魔法使いの底辺の魔力量と同じである。

 

 それを男は10体ほど生産しており、どれだけ男の魔力量が規格外か分かるだろう。



 「武器を構えるまで攻撃しないか……騎士道とかいうやつかよ………」

 上等だ、男は呟いた。

 「上等だ。俺も本気出してやるよ!!」




 男は体全てを水素に同化、背中から水素を噴射し体内の炎で引火させ爆発的な速さを得て、デュラハンにたどり着いた。



 「自爆」

 男は噴出した水素だけではなく体にドウカさせた水素にも引火させ、自爆した。


ーーー ドッカッッーーーン


 体と同じ体積と同じ量の水素に引火した爆発はデュラハンを、周りの木を巻き添えに吹っ飛ばした。



 半径5メートルほどの大きな穴が空いたその場所には、爆発で散らばった炎と水素と酸素が結合して出来た水を集め元の体に戻った男と、右手の剣が折れ鎧にひびが大量に入っているデュラハンの姿があった。


 「今の爆発でもそれぐらいの傷で終わるとは………」

 さすがBランク上位の魔物といったところだろうか。



 男が自爆しても無傷な理由は簡単だ。同化した炎と水素が酸素と結合して出来た水が残っていたから。 それを集めて同化を解けば元に戻れる。




 例え同化したものが少ししか残らなくても、魔力を使って体積を増やせば元に戻すこと可能だ。


 「自分がはじける感覚が残ってやがるぜ」

 男はゾッとしながら呟いた。体が水素になっているからとはいえ、爆発しバラバラになるのは考えるだけでゾッとする。

 男は身震いしたがすぐに気を引き締めデュラハンと対峙した。



 「そっちは片手欠損と鎧のひび割れ。こっち魔力の使いすぎで理性が飛びそう。

 対等じゃないが………こっちも理性がとんだら困るんだ、勘弁してくれよ」

 男はデュラハンに向かってそう言った。デュラハンが理解しているかは分からないが心なし体が前に傾いた気がする。




 「第2ラウンド開始だ」


 男とデュラハンは一気に距離をつめた。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


  戦いは熾烈を極めた、というほど激しい戦いにはならなかった。

 デュラハンの攻撃は全て気体化した男には通らず、男の爆破攻撃で鎧を破壊されていった。



 決着は10分ほどでついた。

 デュラハンは残っていた左手も破壊されたため、潔く負けを認め、あがく事をせずに心臓をさらけ出し、男に殺せとの意識を伝えた。



 男は情けなど無いのだが男だ。騎士道に敬意を示し、破壊したデュラハンの鎧や腕、そして本体を同化。その後、魔力でしそれらを全て繋げ、体外に出した。


 要は男がデュラハンを助けたのだ。


 デュラハンは……

 「スマナイ、感謝スル」

 喋ったのだ。

 


 その原因は男にある。一度男に同化し、その膨大な魔力で治されたため、進化に近い強化されるかたちになったのだ。




 「おまっ、喋れたのか………」


 

 「イヤ、喋れルヨウニナッタノハ、アナタガ治しテクレテカラダ」



 「そ、そうか」

 まだ発音はしっかり出来ていないが、ちゃんと考えて喋っているようだ。


 「アナタ……イヤ、主殿、主殿ノ名前ヲ教エテクレマセンデショウカ」


 「ちょ、主殿って何だよ」



 「ワタシハ従う主ヲ見ツケタ。ソレガ主殿ダ」



 「従うって……まぁいいか。名前だが実は俺自分の名前を覚えていないんだ」

 事実である。男は拷問された後遺症でか自分を売った親を忘れたいからか全く覚えていなかった。


  

 「だけど自分で考えるのはおかしいかもだけど二つ名は考えてあるんだ」

 


 「二つ名デスカ?」


 「あぁ、そうだ。同化者って言うんだ。異世界の同化者」


 「異世界ノ同化者………カッコイイ名前デス」


 そうか、と男、同化者はデュラハンに近づき言った。


 「主殿、主殿ト一緒ニ同行シテモイイデショウカ」


 あぁ、それも悪くないな、良いよ。同化者はデュラハンの肩に触り言った。



 「よろしくな、デュラハン」



 こうして同化者は初めての旅を共にする人物に出会えたのだった。




 「ア、チナミニワタシ、女の子デス」


 「ふぁっ」

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