表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/16

曇天そして雨足は速く

 能登のと 源十郎げんじゅうろうは実は学校で村八分にあっている。

 能登 源十郎げんじゅうろうには彼と神無かんなとの関係がいわゆる御主人様と奴隷のそれであるという黒いわるい噂があるからだ。その確たる証拠はどこにもないのだが、大多数が二人の−主に神無かんな側の振る舞いから−そういう関係が事実であると信じ込んでいるためだ。そして今日の出来事は源十郎げんじゅうろうのその噂を真実として塗り固めるに十分に足る出来事だった。


 源十郎げんじゅうろうは背後の教室から浴びせられる多数の視線を感じて、一つ大きなため息をついた。

「マぁスタぁーっ 一緒に帰りましょっ」

 最悪 と呼べるタイミングで神無かんなの喜びに満ちあふれた声が廊下中に響き渡ったのは、その直後の事だった。



 能登のと 源十郎げんじゅうろうはため息をついていた。

部屋中に並べられたSM雑誌なんかでしかお目にかかれないような道具類の|山(実物)を眺めての事である。


 家に帰り着くなり、神無かんな如月きさらぎ 葉月はづきと名乗る少女からもらったスポーツバッグを奪い取り開け始めた。

 その結果としての産物である。


九尾鞭ナインティル? 簡易組立型三角木馬セットぉ? 『これでどこでもいつものプレイが楽しめます。』ぅ? 動物用浣腸器? 導尿カテーテル? …もぐさにまち針にアルコールに脱脂綿、乗馬用鞭にスパンクロッド、麻縄……」

いちいち数え上げるのも疲れたと言わんばかりの口調である。

源十郎げんじゅうろう様、説明していただきます」

一度出した物を厳重にしまい込み、その上に座り込むと、彼女は彼を睨みあげるようにしてそう言った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ