26話
俺たちは今、町の中央部にいる。石碑のある広場の辺りだ。まだ魔物の軍勢は攻めてきていない。その為、遊撃である俺たちはどこに向かうか決め兼ねている。
「まだ攻めてこないのか?」
アドンがそわそわしている。恐らくアドレナリンが出まくって落ち着かないのだろう。これでこいつが一番年上なんだぜ?
「始まっても最初は様子見かな。僕達は戦力バランスがやばくなった場所に助けに行く役目だからね」
ここらでこの防衛戦のルールを確認しようと思う。
勝利条件
・攻めて来る敵の全滅。
・3日間の防衛に成功。
敗北条件
・中央の広場の石碑が破壊されたら敗北。
・こちらのプレイヤーが全滅したら敗北。
ルール
・倒されたプレイヤーはこの最初の町ではなく、マルタの町にて復活する。復活魔法は使えない。
・途中参戦不可。勝利するまで町に入ることも出ることも出来ない。(死亡時以外)
・石碑が破壊されると勝手に全員マルタの町へ転送される。
・アイテム、町の施設、建物全て利用可能。ただし店は販売員が居ない為入れず。
こんな感じだ。その為、この広場には結構な戦力が集中している。本部があるのもこの広場だ。攻略組の精鋭はここで待機し各方面に派遣するらしい。
外部の敵に対する攻撃施設などもある為、弱いプレイヤーも活躍の場がある。城壁に設置された大きな石弓や投石用のカタパルトまである。何気に本格的だ。
待機していると、何やら角笛の音が聞こえる。攻略組の幹部が個人チャットで話し出した。始まるのだろうか。
「来たぞ!全員準備をしろ!!」
クラークが叫ぶ。俺たちは立ち上がり、サーシャがバフを使う。エイミーが上空へ飛んで把握する為に周囲を飛び回る。緊張してきた。隣を見るとサーシャの手も震えていたので俺はその手を握って緊張を誤魔化す。
「本格的ね。梯子を持った魔物は予想していたけど、投石器や破城鎚、攻城櫓まであるなんて思わなかったわ」
エイミーが降りてきて皆に伝える。聞いた事のない名称の攻城兵器だが、何となく名前で予想は出来る。でも櫓なんてどうするのだろうか。
「攻城櫓っていうのはね。可動式の櫓の事だよ。中に梯子が入っていて矢の攻撃を壁が防いで安全に上まで上がる感じだね。このゲームの場合櫓にHPがあるから魔法も防ぐみたい」
グレッグが丁寧に説明してくれた。直接モンスターにダメージを与えられないのでは数が多いと厄介だろう。城壁に詰めているプレイヤーはそこまで強いという訳ではないし、遠距離職が多めだ。接敵されたら危険だろう。
既に把握した本部の人たちが人員の移動を指示しているようだ。俺たちはその様子をボーっと眺める。ぶっちゃけ広場からだと城壁でどうやって戦っているかも見えない。もう戦闘は始まっているのだろうか。
30分ほど経過し、サーシャがバフを掛けなおす。暇だ……。
「お、個人チャットが来たからそろそろ出番だよ」
グレッグが立ち上がって皆に告げる。どうやらやっと出番らしい。グレッグが真剣な顔をして頷いている。凄く鳩尾を殴りたい。
「さて、南門の状況が結構やばいそうだ。僕達は上空を飛んでいる飛行型の魔物の討伐を頼まれたから行くよ」
俺たちは南門へ早足で向かう。到着すると既にそこは戦場だった。怪我をしている人、既に倒れて転送中の人が居る。城門の内側でこれという事は既に侵入されているのだろうか。サーチで周囲を見ると今の所は敵が居ないようだ。第二派が来たら危険なのだろう。
アシュリーは怪我人の元へ向かい回復魔法を使っている。俺たちはポーションを配る。あらかじめ渡すように言われていた物資だ。遠慮する必要はないだろう。
城門や城壁を見る限りでは破壊された跡はない。俺たちは急ぎ城壁へと上がる。既に全員戦闘が始まっても良いように武器を抜いている。城壁から周囲を見ると大量の魔物が迫ってきていた。
「これは壮観だな。かなりの数だぞ、これ」
「フハハハハハハハ、面白いではないか!!」
アドンが笑ってフレアの詠唱を始める。アドレナリンが出すぎて狂ってしまったのだろうか。っていつも通りか。
上空の敵を、と言われていたが特に見当たらない。挑発もプロヴォークも範囲がそこまで広くないので、接近しないと使えないのが難点だ。弓とか投擲武器を持っても当たらんし。横でアドンの魔法が完成し、魔物の集団の中心で爆発する。あれを食らったら大惨事だよな……。俺はそう思い、惨状を眺める。
城壁という壁のお陰で一方的に攻撃できるからか、アドンは嬉々として魔法を連発していく。飛んで来る矢は俺が盾で叩き落す。エイミーは槍投げ、グレッグはソニックブレードを使い攻撃する。サーシャとアシュリーはまだ残っている人たちの治療とバフ掛けをしている。
「お、飛行部隊来たぞ」
俺は空を見ながら警戒しているとやっと発見した。正直あのまま城壁を飛び越えて石碑まで押し寄せれば良いと思うのだが、そうもいかないらしい。城壁の上に次々と降り立つ。
「下の部隊は他の人に任せよう。僕達は近くのこいつらを叩く」
グレッグが仲間に指示を出す。サーシャだけはバフをかけるのが間に合わないらしく、ポーションを飲みながらあちこち走り回っている。アシュリーは回復を止めてこちらに参戦だ。
俺たちはグリフォン、ハーピーなどといったモンスターへ突撃する。数は50程度だ。この程度なら無茶をしなければどうにでもなるだろう。多少当たっても防具の防御が高すぎるのでそこまでダメージにならない。
俺は敵の中心に潜り込むとプロヴォークを使う。敵がこちらに一斉に向く。敵のサイズからか一度に攻撃できる数が限られている為、50体から一気に攻撃される事はない。それでも矢継ぎ早にくるからのんびりしていられないが。
「この間に外から叩くよ。フィルムも1体くらいターゲットがこちらに来ても気にしないで」
グレッグがそう言うと攻撃を開始した。どうやら全力で1体ずつ倒していくらしい。そうなるとさすがにこちらに固定は出来ない。その1体は放置しておく。アタッカーの皆だって良い装備をしているのだ。
「ごめんなさい、遅れた」
サーシャが駆け寄ってくる。仲間全員に攻撃と防御アップのバフを重ね掛けする。そろそろ切れるらしい。そこから順次俺だけに色んなバフを使ってくる。MPに余裕があればパーティ全体に使っているのだが、今はカツカツらしい。
そしてしばらく戦闘が続き、飛行部隊を壊滅させた。
「敵が引いていくな……」
あれから数時間城壁に張り付き敵を攻撃していた。どうやら1日中ずっと攻撃してくるのではなく、1日の内何時間かという制限があるのかも知れない。こうなると相手を全滅させるのは難しいだろう。疲労がないからと言ってずっと戦闘だと気が滅入る。
中央の広場へ俺たちは歩いていく。その途中、野戦病院のような場所があった。ポーションをもった人や回復職の人が忙しそうに動いている。
「私も手伝ってきますね」
アシュリーはそう言うとそこへ走って行った。アドンより優先するとは珍しい。俺たちは状況を聞く為に本部へと向かった。
「状況は予定通りだ。今の所の被害はそこまで大きくないようで助かった」
クラークがそう答える。どうやら南門では少し焦ったが、何とか挽回出来たらしい。手伝った甲斐がある。他の東西の門は問題なく、北には門がないからか攻撃してこなかったらしい。とは言え、何が起こるか解からないので人員は常駐させておくそうだ。
「夜の警戒は他の者たちでやるので、君達は休んでいてくれ。とはいえ、自宅に戻る余裕はないだろうから、テントになるが……」
この広場から自宅までは意外と遠く歩いて30分以上かかる。VRMMOとしてそれは致命傷じゃないか?と思うかも知れないが、普通の家はそこまで遠くない。単純にあの家の敷地がでか過ぎて普通の家が並ぶ場所にないだけである。そういう意味では立地というものを全然考えていなかった。
俺たちはクラークに礼を言うと、設営されているテントへ向かった。大体30人くらい入れる大型のものだが、それだけに人が多い。これで雑魚寝は余り気分が良くない。俺たちは外に出てテントが並ぶ所の端っこの方に自分たちのテントを張る。6人用ではあるが、あそこよりはマシな気がする。
テントを張り、俺たちは中へ入る。相変わらずの温度設定だ。ここの気温は20度前後と昼間にちゃんと服を着て歩いていれば問題のない気温だが、夜は結構肌寒い。とは言え、テントの中はちゃんと25度前後に調節されているので寝袋に入れば問題は無い。
サーシャがアイテムボックスから何か取り出した。寝袋だと思うがどう考えても大きい。
「2人用寝袋。作ってもらった」
サーシャが鼻息を若干荒くして言っている。2人用の寝袋って普通は中心で境があったり、布団のように少し横幅に余裕がある感じだった気がする。これはどう考えてもアドンサイズの寝袋としか思えない。実際いつもアドンが使っている寝袋がこれくらいの大きさだ。
「それはいいね。エイミー僕達も……」
「却下よ。寝る時にくっつかれると嫌なのよ」
グレッグがエイミーを誘っていたが、速攻断られている。相変わらずベタベタするのが嫌いらしい。グレッグが肩を落としている。これもまたいつも通りの光景だ。
「わしはアシュリーの所まで迎えに行こう。お主らは先に寝ていても良いぞ」
俺たちが話していて寂しくなったのか、アドンが立ち上がりアシュリーの所へ歩いていく。何だかんだでこの2人は上手く行っているようだ。
「さて、明日も早いだろうし、もう寝ようか」
グレッグがそう言うと俺たちは寝袋に入っていく。大きなサイズとは言え1つの寝袋に2人で入るとどうしても密着する。この状態を耐えなければならないのか。俺は性欲の設定を最低にしてサーシャを抱きしめて眠った。夜中にもぞもぞ動くサーシャを俺は見ていない事にした。
翌日俺たちは目を覚まし、朝の準備や片付けを済ますと本部へ向かった。話を聞くと昨日の夜に奇襲はなかったらしい。交代要員は今は寝ているそうだ。俺たちは戦力の薄くなっている南門への配置になった。ただ、状況次第では呼び戻される可能性があるらしく、忙しいかもしれない。
「戦闘自体は昨日と同じ予定だね。とりあえずは、城壁で待機かな」
まだ戦闘は始まっていない。俺たちはゆっくりと城壁に登る。そこから眺めても敵影はない。どうやら結構時間的な余裕はありそうだ。そして、夕方になっても俺たちの予想に反して敵が攻めてこなかった。
「これは夜襲を警戒した方が良いのかな……」
グレッグが城壁の上で座っている。このまま蹴り落としたら復活地点にワープする羽目になるのだろうか。
「そうかも知れないな。さすがに緊張しっ放しで精神的な疲労もあるだろうから、結構まずいかも知れない」
何せ昼間の間、いつ敵襲があっても良いようにずっと警戒をしていたのだ。仮眠でも取れていれば別だろうが、大抵のプレイヤーがずっと起きている。ゲームの中なので寝なくても肉体の疲労はないが、脳が睡眠を欲する。
「少し交代して眠ろう。さすがにこの状態では夜には耐えられそうにない。最初は僕とエイミーで見張るから、皆は先に寝ていて。2時間後に起こすから」
グレッグがそう指示すると俺たちはテントを張らずに寝袋に入った。サーシャと密着しているので内部の温度は問題ない。ただサーシャの寝息や顔が近すぎる事からモヤモヤするくらいだ。性欲を切っておいて良かった。
「フィルム、フィルム起きて」
サーシャの声が聞こえる。俺は目を開け、すぐに目の前に居るサーシャを無意識的に抱きしめる。もう朝なのだろうか。
「残念ながら交代だよ。現状問題なし、本部からの個人チャットはフィルムに行くように伝えてあるから、よろしく。2時間後に起こしてね」
グレッグはそう言うと寝袋に入って眠った。俺たちは寝袋から出ると背伸びをする。何だかんだで寝返りを打てないのは結構辛い。
「さて、今は20時か。夜襲があるとすれば0時前後なのかね」
俺は適当に呟く。時間とかもかなり適当だ。実際、3日という期限がある以上1日置くというのは考えにくい。今日夜襲、明日ラストスパートという感じなのだろう。ゲームで敵側が戦力を温存する理由がない。
アドンとアシュリーは目視で、俺とサーシャはサーチを行って常時警戒する。変化が訪れず余りに暇だったので、サーシャを抱き寄せて尻尾と猫耳を触り続ける。体をビクビク痙攣させているが俺は気にせずに自分が癒される為に撫で続けた。特に嫌がっていなかったので問題は無いだろう。
そうしているとサーチの端に敵が見えた。遂に来たのだろうか。
「アドン、あっちの方向に何か見えるか?」
俺は南の方のある一定の方角を指差しアドンに聞く。
「む?何かいるな。サーチではどのように出ている?」
「オークが数体だな。偵察隊か?」
戦力と言われる程には多くない。たかだか数名だ。偵察部隊と考えれば辻褄が合うが……偵察する必要があるのだろうか?ゲームなのに変な所でリアルである。
「もしくは少数精鋭の進入部隊か?でもサーチで引っかかっている以上意味があるのか……って消えた」
「暗殺か破壊部隊かも知れないな。本部へ連絡をした方がいい」
俺は解かったと答えると本部の受付に連絡をする。了解したという返事が返ってくる。本当に頑張って欲しい所だ。城壁から本部の方を見ると少し動きがあるようなのでちゃんと聞いた通り警戒をしてくれたようだ。
「サーシャ、そろそろ時間だしグレッグたちを起こしてくれないか?」
俺は膝の上でぐったりしていたサーシャに声をかける。やりすぎたかも知れない。
「ん、頑張る」
何を頑張るのか知らんが、サーシャはフラフラとした足取りで2人のもとに向かう。もう少し抑えればよかったようだ。
「さて、そろそろ準備するか」
俺はそう言って立ち上がり城壁から暗くなった平原を見る。凄く嫌な予感がしたのでその場から1歩引くと、そこに岩が落ちてきた。
「敵襲か!」
アドンが叫び飛んできた方向を見る。そこには大群が押し寄せていた。どうやら闇に隠れるスキルかアイテムがあるらしい。結構近くまで寄られている。アドンは急ぎ鐘を鳴らす。敵襲を知らせる合図だ。俺は個人チャットで本部に連絡を入れる。返ってきた内容によると南以外の門も攻撃が開始されているようだ。
「ごめん、遅れた。状況は?」
グレッグが起きてくる。遅れるという程ではないと思うが、社交辞令みたいなものだろう。
「まだ城壁には張り付かれていない。他のメンバーの対応の遅さを見る限り、時間の問題だな」
俺は周囲を見渡しながら言う。ちゃんと対応出来ているのは俺たちだけのようだ。時計を見ると22時過ぎだ。規則正しく生活してた者たちはそろそろ寝ることを考える時間だろう。テレビなどの娯楽がないと夜に寝るのが必然的に早くなる。
「それじゃ、僕達は城壁に登ってきた相手を叩く。サーシャはバリスタで攻撃をお願い。アドンはとにかく魔法で数を減らして」
グレッグがパーティに指示を出す。バリスタとは城壁に設置してある石弓の事で槍のような矢を設置して打ち出す武器だ。主に攻城兵器を破壊する為の武器であり、生物に撃つモノではない。撃っても広範囲ではないし、どう考えてもオーバーキルになってしまうのである。連射が出来ないので効率が悪い。
俺たちは城壁に掛けられた長い梯子を押して倒したり、梯子を登ってくる相手を叩き落して時間を稼ぐ。今はオタオタしている人たちも時間が経過すれば頭が覚めるだろう。
「登られた!サーシャ、こっちに合流して!皆で叩くよ」
どうやら城壁に登られてしまったらしい。俺たちだけでは抑えられるとは思っていなかったが、かなり早い。この状況ではまだ体勢は整っていないだろう。
登って来ているのはオークだ。この巨体でどうやって梯子を登っていたのか疑問だが、登れたのだからどうしようもない。俺はオークの集団へと飛び出しプロヴォークを使った。実際は狭い城壁を挟み撃ちにされている。片方は俺、片方はアドンが盾を請け負う。盾役が1人しか居ない構成だとこういう時に困る。当然逃げ場はない。
アドンはフレアの詠唱を行う。それに反応してかオークの戦士が中断させようと攻撃するが、その敵を横からエイミーの槍が貫く。基本的に俺の方は時間稼ぎに徹し、アドンの方から敵を殲滅する。とは言えどんどん敵が増えている状況だ。MPが切れたら終わる。いざとなったら俺が全部引き受けて仲間の逃げ道を確保するしかないだろう。
その時突然俺の身を炎が包む。どうやら魔法タイプが混じっていたらしい。ドラゴンのブレスのように高温で一瞬で死ぬ程ではない。熱い。剣と盾を落としてしまいそうだ。魔法を食らっている事に気が付いたアシュリーが回復を飛ばしてくれる。何だかんだで結構痛みに慣れてしまったのか、耐性があってかなり軽減してくれたかは解からない。まだ戦える。
「またせたな!!」
突然声が掛かる。一体なんだろうか。その男は俺に向いている敵を攻撃していく。
「絶対にタゲを取るなよ!こいつは難なく避けているが、俺たちに向いたら下手したらすぐに死ぬからな!!」
その男は一緒に居た仲間達に指示を出すと俺が引き受けていた魔物を次々と攻撃していく。どうやらもたついていたメンバーが復帰したらしい。
「すまん、こっちよりもアドン、リザードマンの方を頼みたい」
「そっちは既に行っている。大丈夫だ」
俺はその人たちに言うとそのような答えが返ってきた。俺は背後の仲間達を見ると大きな盾を持った戦士がターゲットを取って戦っていた。どうやらアレらしい。
その人たちと協力し、やっとの事で殲滅する。どうやら奇襲は失敗に終わったらしく、敵が引いていく。被害は思ったより少ないようだ。
「ありがとう、助かったよ」
「気にすんなよ。いつも楽しませてもらっているしな」
男がなにやら不穏な事を言う。確か初対面のはずなのだが……。
「あっ」
サーシャが声を上げる。何かに気が付いたのだろうか。俺には全く見当がつかない。
「サーシャ知っているのか?」
「ん、知らない方が良いと思う」
と、教えてくれない。知らない方が良いなら知らないでおこう。嫌な予感がする。
「猫耳ちゃん、ハァハァ……」
相手の男の後ろに居たローブを着た男が何やら言っている。変質者だろうか。サーシャは俺の後ろに隠れた。
「お前、自重しろよ。直に見れたのは嬉しいのかも知れんけどさ」
助けてくれたパーティの人らで何か話し合っている。サーシャが怯えているから出来れば離れたい。
「んじゃ、俺たちは本部の方に顔を出すよ。ではまたな」
そう言って俺は逃げるようにサーシャと共に本部へ向かう、振りをして建物の影に隠れる。実際、グレッグとエイミー、アドン、アシュリーは城壁に居る。撤退指示が出ている訳ではないから本部に戻る理由はない。
何だかサーシャが怯えていたようなので逃げただけである。そして俺は建物の影でサーシャと共に休憩をした。中々の戦闘だったので疲れた。料理を取り出し食べる。腹が減るわけでは無いが、精神の安定として十分に役立つ。こうして2日目は終了した。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ハハハ、馬鹿め!残像だ part9
447 名無しの魔術師さん
またせたな!
だってよwwwwww
448 名無しの大剣士さん
いいじゃねーか
格好付けたかったんだよ
449 名無しの治療師さん
まぁまぁ、助けられたんだからいいじゃないか
450 名無しの大剣士さん
だよな
魔術師なんてあの子に怯えられてたし
451 名無しの魔術師さん
(´・ω・`)ショボーン
452 名無しの肉壁さん
おい、さすがに可哀想だろ
453 名無しの大剣士さん
いや、そうでもない
あの子の前でハァハァ言ってたしどう考えても不審者だろ
454 名無しの肉壁さん
そりゃ有罪だな
455 名無しの付与師さん
ああ、警備団に突き出そう
456 名無しの魔術師さん
・・・仲間はいないのか
457 名無しの大剣士さん
そりゃなぁ・・・
458 名無しの治療師さん
あの後仲間をおいて明らかに逃げたしね
今頃あの2人はしっぽりと・・・
459 名無しの魔術師さん
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
460 名無しの大剣士さん
魔術師、哀れな・・・
戦闘の描写が殆どありません。
主人公が攻撃出来ない為、避けるしかないんですよね。




