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回避特化のメイン盾  作者: Bさん
5章 ドラゴン
28/55

18話

「クラスアップ?」


 そういえば聞いたことがある。30に到達すると勝手に職業が切り替わって上位互換になるそうだ。自分で選べるのではなく素質や今までの行動で勝手に分岐するらしい。


「うん、皆29で止めていたでしょ?さっさと30に上げてクラスアップを果たした方が良いと思うんだ」


 グレッグが提案する。今俺たちが居るのは食堂だ。普通に考えたらダイニングがそうなのだが、この家は食堂もある。どうやら食事をする場所にも2通りあるらしい。良く解からない。


「そうだな。皆の更なる力を得る為にも早くやろうではないか」


 アドンがかなり乗り気だ。何だかんだで力を得るのを喜んでいる。過去に何かあったのかね。


 俺たちは家を購入してから早くも1週間が経過している。本来であればすぐにクラスアップを果たすはずだったのだが、攻略組の人たちが戦闘技術を学びたいとかでやってきた。


 その話にグレッグやエイミー、アドンが乗り気になってしまい。連日、庭では戦闘訓練の教室が開かれていた。当然俺の回避は的としてかなり活躍した。また、料理のよさを広める為に色々と作って渡した。これでユーザー間による色んな文化が発展するかも知れない。


「で、どこで上げるんだ?」


「坑道に行こう。採掘や採取をしながらボスはなしでやれば問題ないよね?」


 あそこのボスは辛いが雑魚のゴーレムは問題ない。たまに良い素材が出るらしいから戦いやすいだろう。俺たちは初めてのクラスアップに期待してインスタンスダンジョンへと向かった。




「で、何でボス戦やってんだ?」


 今、絶賛ボス戦中である。やらないと聞いていたのにまた嵌められたのだろうか。


「ごめん、もう少しで上がりそうなんだ」


 全員29に上がってすぐに止めていた為、ボス戦が終わったら同時に全員上がるだろう。俺が死に戻りをしても上がるから問題は無いが、死亡と同時にクラスアップとか勘弁して欲しい。


「そろそろ銃身が出るから、皆気をつけて!!」

 

 グレッグからの注意が飛ぶ。いくら鋼装備になったとは言え、あの掃射に耐えられる気はしない。がんばって回避しよう。前回より火力が上がったことにより、銃身は問題なく破壊されていく。一度に15基も倒されたので正直楽勝だ。


 そして運命の時間がやってきた。そうこちらに飛んで来るミサイルだ。前回のように廃材で壁を作る事も出来ない。食らうしかないのである。俺は潔く両手を上に上げると正面からミサイルを受け爆発した。


「いてぇ……」


 どうやら半端にHPが残ってしまったらしい。アシュリーが慌てて回復魔法を使ってくれる。徐々に痛みが引いていき、やがて痛みは完全に消えた。サーシャが駆け寄ってきて心配そうに見ている。どうやらまた思い出してしまったのかもしれない。俺はサーシャに大丈夫だと告げると立ち上がる。


「さて、箱を開けよう。折角だしね」


 グレッグが俺とサーシャの行動をスルーして箱を開ける。また3種類のアイテムのようだ。俺たちはダンジョンから出て久しぶりの鑑定の為に道具屋へ向かった。




 家のリビングにて装備を広げている。建物に対してかなり質素なテーブルの上に乗せている。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

必中の槍

効果

攻撃が必ず当たる槍。ATK+30、必中

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

ポイズンのスクロール

効果

ポイズンを覚える事が出来る。

使用可能職業

ウィザード系、エンチャンター系

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

黒鉄の剣

効果

黒鉄製の剣。ATK+40、詠唱速度+3%

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「ねぇ、フィルム」


「お断りさせて頂きます」


 エイミーが何か言おうと俺を呼んでくるが解かっている。絶対に拒否させて貰おう。最近ではグレッグだけでは物足りないのだろうか。巻き込まないで欲しい。


 装備品は全て該当職が貰ってお金は全員に配布される。ポイズンだが、攻撃手段の少ないサーシャが覚える事になった。それ以外のメンバーには各2000Gが配布される。


「さて、皆のレベルが30になったと思うけど、一斉に公表しようか」


 俺たちはここで発表する為にあえてステータス画面を見なかった。一斉にステータス画面を見る。


職業:NINJA


 何だこれ……。忍者ではなくNINJA。外人かよ。パチ物かよ。持っていた空蝉のスクロールを使うと普通にスキル欄に増えた。どうやら忍者と同じ系統らしい。だが何だろう、この納得できない気持ちは。


「皆なんだった?僕はダブルソードだった。二刀流出来る剣士だね」


「私はソウルエンチャンターってなってた。どう違うのかは解からない」


「こっちはラッシュソルジャーね。和訳すると突撃兵かしらね」


「わしはソードウィザードだな。剣を使わせる気らしい」


「私はハイプリーストです。普通ですね」


 皆がそれぞれ発表する。皆いいな、普通の職業で。


「ん?フィルムは?」


 俺の気を知らずにグレッグが聞いてくる。当然と言えば当然か。


「NINJAだ」


「忍者?回避盾っぽくて良かったじゃないか。浮かない顔をしているけどどうしたの?」


 発音では解からないらしい。ログがある訳でもないんだからそうだろう。


「いや、ローマ字でNINJAだ」


「誰それ?外人?歌?」


 どうやらグレッグは混乱しているようだ。何を言っているのか解からない。


「NINJAなんて職業は初めて聞くな。もしかしたら特殊な職業なのかもしれない。幸運かも知れんぞ?」


 アドンはポジディブらしい。こいつらしいと言えばその通りだが……。


「まぁ、なったものは仕方ない。この職業と付き合っていくさ」


 そして俺は部屋を出て自室に戻る。ショックで移動したわけではない。


「”空蝉”」


 部屋でスキルを使うと俺の体に膜のようなものが張られる。そして自分を攻撃するとその場に残像のような物が現れた。スキル効果と一致しているようだ。


 そう、俺は空蝉の効果を調べていた。このスキルは残像を作る事が出来る訳だ。これでまた楽しむ事が出来そうだ。更なる回避技術の向上が嬉しい。




 夜、風呂に入って自室に戻る。風呂の時間が指定されているから必然的に男は夜遅い。グレッグはアレだし、アドンはそういうのを気にしない。その為必然的にこのパーティの男の地位は低くなってしまったようだ。


 自室で空蝉を使って遊んでいるとドアがノックされる。こんな夜遅くに誰だろうか。


『フィルム、起きてる?』


 サーシャから個人チャットが届く。夜遅くに尋ねてくるとは珍しい。


『ああ、起きてるぞ。部屋の申請許可は出したから入ってきてくれ』


 そう言うとサーシャが扉を開けて入ってくる。枕を持って。


「ど、どうしたんだ?」


 何となく理解している。間違いだったら恥ずかしい。聞いておくに越した事はない。


「今晩、一緒に寝て欲しい。また思い出してしまったの」


 思い出す、と聞いて恐らく昼間のミサイルの事だろう。未だに克服は出来ていないようだ。


「エイミーとかでは駄目なのか?」


「エイミーは最近アレで……」


 アレか。アレならどうしようもない。彼らの楽しみである以上邪魔をするわけにはいかない。巻き込まれそうだし。


「解かった、俺ももう寝るつもりだ。早めに寝よう」


「うん」


 覚悟を決めた。さすがに今の確定していない感情で手を出すような真似はしたくない。せめて告白してからにしたい。DTを舐めるな。


 俺が寝転がるとサーシャがベッドに入ってくる。シングルベッドなのでかなり近い。いくらサーシャが小柄だとはいえ、2人で寝るには狭いだろう。


 サーシャが俺に抱きついてくる。サーシャの方を見ると強く目を閉じている。こんなに怖いのならアシュリーの所に行けば良いのにな。俺はサーシャの頭を撫でるとサーシャは体を震わせた。


 俺はサーシャの体を抱きしめる。小刻みに体が震えている。男と一緒に寝る事での恐怖か期待かそれは解からない。俺はサーシャの背中に手を回すと強く抱きしめる。


「触って良いよ」


 サーシャが小声でこちらを見上げながら言ってくる。これは反則だ。手を出さないと心に決めていたが、こんな事を言われたら耐えられない。俺はサーシャの背中に回していた手を徐々に下へと進めて行く。


 そしてそこにそれがあった。そう、尻尾だ。遂に俺はサーシャの尻尾に触れることが出来た。俺は尻尾を撫でるように触れていく。サーシャは俺の胸に顔を埋めて震えている。ああ、この尻尾は触り心地が最高だ。


「んん……」


 俺の胸のところからサーシャの声が聞こえる。変な気分になりそうだ。俺はそれでも尻尾に触れる手を止めない。


「あっ……駄目っ……」


 サーシャはそう言いながら、俺の胸の辺りから顔を上げ俺を見てくる。涙目で視界が定まっていないようだ。俺はサーシャを更に強く抱きしめ、尻尾を触り続ける。ここまで来たらもう止まらない。


「んんん……んーーー」


 サーシャは俺の胸にまた顔を埋め、体を大きく震わせる。そして力が抜けていった。サーシャの呼吸がとても荒い。そして疲れていたのかすぐに寝てしまった。


「ふぅ……いい触り心地だった。また尻尾を触らせて貰おう」


 そう俺は心に決め、俺は心地よい感触と共に眠りに落ちた。



☆ ☆ ☆ ☆ ☆


攻略スレ part33


110 名無しの双剣士さん

マジで地獄だった・・・


111 名無しの大剣士さん

例の訓練の事?

そんなにやばかったのか?


112 名無しの重戦士さん

そうだな・・・

確かにモノになったし教え方は上手かったと思う

だがあれは・・・


113 名無しの治療師さん

クレープ美味しいです


114 名無しの双剣士さん

俺たちが苦労している間に何してんだよ

確かに料理があそこまで美味いとは思わなかったけどさ


115 名無しの突撃兵さん

まぁ、あれは辛いだろうな

一応最初は座学でちゃんと理論を教えてくれる

問題は実戦の方だ

かなりスパルタだったぞ


116 名無しの大剣士さん

例えば?


117 名無しの双剣士さん

リザードマンのウィザードが放ってくる

あの連続発射を全て捌くまで休みなし

槍使いによる必中攻撃を武器当てで止める

剣士による剣と拳や足の攻撃を全て武器や手で止める


118 名無しの大剣士さん

いきなり実戦だな

模擬戦も本番程ではないにしても結構痛みあるよね?


119 名無しの重戦士さん

当然だ

そのために治療師に付いて来て貰ったんだが・・・

何故か回避の人から貰ったクレープを食ってるし


120 名無しの双剣士さん

あの光景はかなりイラっとしたな

俺たちが苦労しているのにこの差は何なのかと


121 名無しの治療師さん

クレープ美味しかったです


122 名無しの双剣士さん

イラッ☆


123 名無しの重戦士さん

まぁ、それを4日続けてやっと技を得られたから

お前らで実践してやる


124 名無しの大剣士さん

え?ちょwwwwww止めてwwwww


125 名無しの双剣士さん

止めない

こうして伝統は後輩に受け継がれていくのさ


126 名無しの槍使いさん

どうみてもお前らの腹いせじゃねーかwwww


127 名無しの付与師さん

で、料理を取った人いないの?

かなり気になるんだけど


128 名無しの弓使いさん

少ないだろうな

最初は何も効果のない屑生産スキルって言われてたし

いや、今でも効果はないんだけどな


129 名無しの双剣士さん

あの味はまた食べたくなるぞ

モチベのアップにかなり貢献してくれると思う


130 名無しの重戦士さん

攻略組は皆生産スキル取ってしまったからなぁ・・・

こんな所で困るとは思わんかった


131 名無しの治療師さん

店のより美味しいんだよね

生産の補正なのかな


132 名無しの双剣士さん

まぁ、無い物はしゃーない

何か食べたくなったから屋台で買って来る


133 名無しの重戦士さん

適当に皆の分も頼むわ


134 名無しの双剣士さん

あいよー

え?猫の尻尾を触っていただけですよ?


空蝉:リキャスト30分、効果持続時間1時間、1回だけ攻撃を受けてもダメージにならない。本人は別の位置に現れる。範囲魔法には効果がない。

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