サーシャとエイミー終
2人のこっそりとした会話はこれで終わりです。
*サーシャ視点*
やっと自宅を買えた。予想より大きい建物みたいだけど、自分の部屋があるのは嬉しい。ある日の夜、何故か私の部屋にはエイミーとアシュリーが居る。何か用件なのだろうか。
「サーシャ聞いたわよ。告白を受けただって?」
エイミーがそんな事を言ってくる。恐らく武道大会の時のアレだろう。あの時のフィルムは恐怖で顔が歪んでいたし、恐らく勢いで言ってしまったんだと思う。
「あれは、反射的に言ってしまっただけだと思う」
「でも、嬉しかったんでしょ?」
エイミーが私の返事に対してすぐに追撃してくる。嬉しかったかどうかと聞かれれば、嬉しかったと思う。異性からの告白、それも意識し始めている相手からの言葉であれば嬉しくないわけがない。
「……うん」
私は恥ずかしさで顔を俯かせる。今の私の顔は赤く染まっているだろう。見られるのが恥ずかしい。エイミーが私の方を見てニヤニヤしている。
「それでサーシャはどう思っているの?受けるの?」
私はフィルムの事をどう思っているのだろう。今まで恋愛なんてした事がないから解からない。アリュリーはどうしてアドンを好きになったんだろう。エイミーのはアレだから参考にならない。
「解からない。私自身がどうしたいのかも」
一応恋愛には興味はある。だけど、自分がそうなった時、果たしてそれが恋愛なのか、恋愛だと思い込んでしまっているのか解からない。
「うーん、ならさ、例えばフィルムとアシュリーが付き合ったらどう思う?」
さっきからずっとにこにこしていたアシュリーの方を見る。フィルムとアシュリーが並んで歩いている所を想像する。凄く似合っていると思う。でも、何か胸がモヤモヤする。
「似合っていると思う」
口に出すと凄く胸が苦しくなる。
「何だ、答えは出ているじゃない。泣くほど嫌ならそれが答えよ」
私は自分の頬に手を触れると手が濡れた。どうやら私は自分でも気が付かない内に涙を流していたようだ。エイミーが私の顔をそっと拭いてくれる。
「なら次はどうやってフィルムを落とすかね。ほら、アシュリー。何かアドバイスとかないの?」
エイミーがアシュリーに話を振る。先程からにこにこしているだけで何も言おうとしない。何の為に来たのだろうか。
「そうですね。寝込みを襲うというのはいかがでしょうか?」
「いきなりハードね」
アシュリーがとんでもない事を言い出す。まだちゃんとした告白もなく意思の確認もしていない。なのにいきなり襲い掛かるとは正気とは思えない。
「そうですか?私はやろうと思っているのですが……」
アシュリーにとっては決定事項らしい。こうなると皆の前でしない事を祈るだけだ。
「しかし、お二人とも良かったです。それぞれパートナーとなる人を見つけたようで……お陰で排除せずに済みます」
アシュリーがそう言うと、背筋にゾッと来た。いくら夏に近いからと言ってもこういうのは勘弁して欲しいと思う。
「ア、ハハハ。そうね。全員好きな人が別々で良かったわねー……本当に恐ろしいわね……」
エイミーが冷や汗をかきながら言う。後半になるにつれ声が小さくなっていく。私は震えて口が動かない。エイミーが自分の震えを誤魔化すためか私を抱きしめてくれる。
「でも、襲うのは有りね。さすがに限度は知らないといけないけど、一緒に寝るくらいはいいんじゃない?」
「え?やりすぎのような……」
さすがに私もそれには反論する。エイミーはそれに首を振ると
「今、フィルムからサーシャを見る目は妹としてしか見られてないわよ。だから性的な対象である事を知らしめないと駄目。大胆に行かないと見る目を変えてくれないわよ?」
「妹……大胆に……」
私はエイミーの言葉を反復する。若干洗脳に近い気がするけども尤もな気もする。私は決意し、明日の夜に決行する事を誓うのだった。




