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回避特化のメイン盾  作者: Bさん
1章 ログイン・ログアウト
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1話

今回はハーレムモノではありません。恋愛要素も含まれていたりするので、苦手な方はご遠慮下さい。

変態分はいつも通りです。


初日は2章まで、その後は1日1章の投稿になります。最新話から来る場合はご注意下さい。22日に全ての投稿を終え完結します。

「よう九郎久しぶり、俺だよ俺」


 突然友人から電話がかかってきた。携帯なんだから電話番号の通知で誰か解かる。だからと言ってこれはないだろう。


「あ、俺さんですか?お久しぶりです。さようなら」


 そう言って俺は電話を切る。キチガイには触らない。世界の常識だ。


プルルルルルル、プルルルルル


 また同じ番号からかかってくる。正直もう関わりたくないが、明日どうせ大学で顔をあわせるんだ文句を言われるのも面倒だ。


「どちらさんですか?」


 今回は先手を打つ。悪友との会話なんてこんなもんだ。


「ごめん、話を聞いて……」


 相手が謝ってくる。真面目な話かもしれない。


「で、誠二、何か用か?」


「うん、VRMMOって知ってる?」


 ”VRMMO”数十年前にどっかの企業が”リアルな架空の世界を貴方に”とかいって発表したゲームだ。MMO以外にもFPSやMOもあったりするが、このジャンルの違いであってそこまで大きな違いは無い。


 俺も3年程前には随分と楽しんだものだが、今は生憎やっているゲームは無い。


「知っているが、いきなりどうしたんだ?」


「今回発売されるVRMMOのゲームを一緒にやらないか、と思ってさ」


 どうやら1人でやるのが寂しいからお誘いらしい。久しぶりにやってみるのも良いかも知れない。


「そうだな、久しぶりにやってみるのもいいかもな。何てゲームだ?」


 タイトルを聞かない事には調べようが無い。


「それが面白いタイトルなんだ。デスゲームオンラインという」


 昔小説でVRMMOから出れなくなって更にゲーム内で死ぬと終わるという物語があった気がする。そのような状態をデスゲームと言われていた。


「何その不吉な名前。出れなくなんの?」


「いや、あの当時の話ならありえるだろうけど、今の技術ならそんな事無いと思うよ。ちゃんと外から安全に外せるセーフティが開発されてるし」


 確かに誠二の言うとおりだ。この手のシステムは脳に直接作用する機能ではあるが、しっかりと安全性も確立されている。そうでなければ実用化なんてされる訳が無い。


「しかしその名前は各所に喧嘩を売ってるな。どこの変態会社だ?」


 誠二からメーカー名を聞くが聞いた事が無い。どうせ新しい部門を作ったとかそんなオチだろう。


「で、何でこのゲームなんだ?話しながらネットで調べたけど特長的なイメージはないんだが……」


「ああ、これね。五感が反映されるらしいんだ。ゲーム内で食べたものとか味が解かるんだってさ」


 誠二に聞くとそんな返答が帰ってきた。それなら脳が満足してダイエットとかに役立ちそうだな。やる気は無いが。


「ま、まさか……五感という事は触覚もか?」


「もちろんさ。尤も感覚の強弱は設定可能だけどね」


 あえて聞いた。どうせ痴漢禁止とかそういう項目はあるだろうが、ロマンは捨てられない。


「ふむ、ってことは、現実と同じ感覚なのか。それは凄いな」


 ありそうでなかった技術だ。ゲーム内で全て現実と同等にするにはかなりの情報量が必要になる。そうなるとどうせ弱くなる痛覚や触覚。使わない味覚などはおざなりになりやすい。


「興味出たかい?なら明日から先行販売だから買いに行こうよ」


 VRMMOはウィルスが怖いとかでダウンロードでは販売をしていない。どんなトラブルが起きるか解からないから、安全を期してなのだろう。


 俺たちは翌日わざわざ合流して買って来た。俺は説明書を読まない派だ。何か解からなくなって読めばいいし、VRMMOだとゲーム内ヘルプが充実しているのでやりながらで十分だ。


 

 そしてサービス開始日、登録する名前を誠二と教え合ってログインする。まずはキャラ作成だ。


(とりあえず今よりイケメンにしてと)


 お約束だ。リアルの顔自体はそこまで酷い訳では無いが、良い分には越した事は無い。身長は下手に変えると最初に慣れるまで辛いと聞いた。なので余り変えない。種族は人間。最初は試す気分で選ぶ。


(ステータスか。VRMMOをやったのも大分前だし、戦闘になれるまで痛覚があるゲームは怖いな)


 五感が反映されるゲームと聞いた。つまり痛覚も反映されるって事だ。最弱にしても痛いものは痛い。慣れるまでは回避を優先した方が良さそうだ。


(回避に全振りでいいか。慣れたら作り直せばいいし)


 まずは操作に慣れることを優先したい。βなどに参加できれば良かったのだが、このゲームは一般に公開されたβテストが無かったらしい。今の時代はテストを一般公開しないのは珍しくも無い。


(回避特化とか普通じゃあり得ないよな……)


 そう思いながらステータスを確認する


名前:フィルム

性別:男

種族:人間

職業:ライトシールダー


STR 0

VIT 0

DEX 0

INT 0

MND 0

AVD 20

LUK 0


 人間の種族だと割り振れるボーナスは20ptだ。最低が1ではなく0というのは珍しいと思う。右の数字はレベルを含めた数値だ。どうせレベルが上がれば適当に振れるだろう。ライトシールダーは盾職だ。試しなので前衛職なら何でも良かった。他の職はこんなのがある。


ソードマン:剣を使うアタッカー

ランサー:槍を使うアタッカー

レンジャー:弓を使うアタッカー

ウィザード:魔法を使うアタッカー

エンチャンター:付与特化のサポート

プリースト:回復向けのサポート


 アタッカー職が多すぎると思う。いくらMMOの花形とは言え、どうなのだろうか。この状態からクラスアップでまた分岐していくらしい。楽しみだ。


 そして、俺はキャラクターを作成しゲーム内にログインした。

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