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エピローグ



 その日、俺はいつものゲームセンターにいた。そこに、以前のメモリーのミースがいるのを思い出したからだ。


 いつもやる格闘ゲーム機の前を通り過ぎ、がらにもなく対戦型レースゲームの席に座る。そしてしばらくのあいだ、デモ画面をながめた。


 二台の車が山の一般道を舞台にバトルするシーンがひととおり流れると、そのコースでの歴代レコードが出てくる。表示されるのは、ゴールしたタイムと、そのタイムをたたき出した人の名前。



◆Best Records!◆


【 堂玄坂/夜 1st 1′57″02 Player/ミース 】

【       2nd 2′21″54 Player/Snake 】

【       3rd 2′22″44 Player/幸五郎 】



 やっぱはええな、ミースは。二位の『Snake』とかいうやつも相当速いはずだが、そいつと二十秒以上も差がついてる。異常だ。


 俺はゲーム機に百円をいれ、プレイを開始した。コースはもちろん「堂玄坂/夜」。初めてやるコースだから、運転は無茶苦茶。あちこちに車をぶつけながら、やっとのことでゴールする。タイムはミースどころか、ベスト10入りも遠く及ばない。


 別にいいんだ。ミースの名前をみたかっただけだから。


 もう一度表示された「Best Records!」をながめながら余韻に浸っていると、後ろを覆い尽くす三十人以上のゲーマーどもからヤジがとんだ。


「早くひっこめー」

「へたくそー。お前のへたれドラテクなんかだれも見たくねえんだよー」

「さっさと席替われー」

「リア充爆ぜろー」


「うるせえ! 言われなくてもわかってるっての!!」


 ちょっとはゆっくりさせてくれても――まあ、しかたねえか。


 俺はそろそろと席から立ち上がり、後ろで見守っていたクラスメートに声をかけた。


 ブロンドの髪を肩まで伸ばしている、紫色の瞳のプリンセス様に。


「ミース、お前の出番だ。記録、塗り替えてくれよ」


「はいっ。ニューミースの実力をお見せしますわ。お任せください♪」


 席に着くミース。一気に歓声がわく。一大イベントの始まりだ。




 俺はこれから、新しいミースと一緒に、記憶をつむいでいく。


 ふりかえれば「面白かった」と思えるような、記憶を。







「メカプリンセスッ!~プリンセス様、もう勘弁してください~」を最後までお読みいただき、ありがとうございました。


「バカバカしいコメディ小説です」とうたっておきながら、最後はちょっとしんみりモードになりましたが……いかがでしたでしょうか。


 当初はこんな終わり方ではなく、ミースが窓から教室に突っ込んで


「今日からよろしくお願いします♪」


 で終了~、のはずでした。

 でも第十話あたりを書いているときに「メモリー消去ネタ」を思いついて、いまの形になりました。

 もっとギャグを期待していた方、ごめんなさい。でもこの終わり方がベターだったと思っています。



「メカプリンセスっ!」は、ひとまずこれで完結です。

 続編は、読者様からお声をいただければ、書こうと思っています。

 もしまた書く機会をいただけるなら、もっと面白い内容になるようがんばるつもりです。


 本作を続けるかどうかもそうですが、お気に召しましたら、ぜひ一言だけでも、ご感想をいただけるとうれしいです。

「面白かった」「笑えた」「美味かった」「ごちそうさま」なんでも構いません。ぜひ、どこかにあなたの足跡を残していって下さい。



 ……まあ、そんなわけで。

 まだまだ未熟者ですが、今後も精一杯、バカバカしい小説を書いていきたいと思っています(笑。どうぞよろしくお願い致します。

 繰り返しになりますが、ここまでお読み頂いて本当にありがとうございました。





 また読んでね!

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