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不思議なペットボトル【JK心愛の美味しいダンジョン攻略】  作者: TB


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第98話 ミラノ事件

「一体何が起こった?」


 イタリアミラノダンジョンの二十四層の中ボスを撃破後に現れた宝箱、俺の部隊の隊員が十分な安全マージンを取らずに開けた直後に、それは起きた。


 ◇◆◇◆ 


『カルロ・アンジェロ』イタリア陸軍ダンジョンアーミーの大尉。

 現在ダンジョンランキング十三位はイタリア国内では圧倒的な実力を持つヒーローだ。


 だが、俺は軍に所属している事に対しては不満を抱いている。

 どんなに高額のドロップを命懸けで獲得してきても、全部国に納めて終わりだ。

 とっとと退役して個人探索者になれば軍に居るよりよっぽど稼げるからな。


 いい女抱いて、いい車に乗って、旨い酒を飲む。

 面白おかしく暮らすのが俺の思い描く生き方だ。


 日本でダンジョンが攻略されたという情報が入って来た。

 ここ最近続けざまに、日本から新たなダンジョン情報が入って来るが、何が起きてやがる?

 今回は下関ダンジョンをクリアすると『パーティ作成』スキルが手に入るという情報だったが俺はそんなスキル興味ないね。


 今までなら俺がとどめを刺せば、俺だけがランキングが上がっていたがパーティって事はきっと組んだ奴らと分ける事になるだろう。


 まっぴらごめんだ。


 軍は俺に日本へ部隊を連れて行って、スキルの取得をして来いと言ったが断ったぜ。徒党を組むなど弱いやつのする事だ。


 ◇◆◇◆ 


 そして今起こった、この事態だ。

 イタリア軍では、いつもの様に宝箱が現れればチームの中で一番階級の低い者が、箱を開けるルールになっている。


 罠の確率がある以上それはしょうがない。

 その代わり宝箱を開けた奴は死ねば二階級、生きてても一階級の特進が約束されるから希望者は多いんだがな。


 今回俺のチームの宝箱を開ける担当の奴は、中ボスに俺がとどめを刺した後、宝箱を確認するとヘラヘラ笑いながら不用意に近づいた『こいつ薬でも決めてるの?』そう思う程に気味の悪い笑みだった。


 そして俺が十分に下がり切る前にいきなり開けやがった。


「やばい転移トラップか」


 気付くと俺と宝箱を開けた奴の二人だけが普通の守護者の部屋より広い空間に居た。

 しかし、そこに居たのは明らかに格が違うと解る魔物だった。


 俺達に気付いた瞬間に、その十メートル近い体躯から考えられないような速度で近づき、もう一人の男『ロマーノ』を丸呑みしやがった。


 マジ焦ったが恐らくここはボス部屋だ。

 倒さない限り脱出手段も無い。

 愛用のサーベルを構え立ち向かった。


 俺のサーベルは攻撃力は決して高いとは言えないが、クリティカルとアサシネーションの効果がある。

 確率は低いが、数さえ当てる事が出来れば、何とかなる可能性もある。


 装備なんてあいつを相手にしてたら、有っても無くても同じだ。

 重たいプロテクターをすべて外し、少しでも素早く動けることに賭けた。


 そして二十分近くを逃げ回りながら、チクチクとダメージを与える様に突き刺していた。

 恐らく全く攻撃は効いて無いな。


 敵が疲れるそぶりも無い。

 俺もここまでか?


 そう思った瞬間に、目の前のアースドラゴンが突進して来た。


「口でけぇな」


 そう思いながら覚悟を決めて、出したサーベルは、鼻先に突き刺さり発動確率0.2%のアサシネーション発動した。


 悪運つえぇな、このアースドラゴンとの格の違いを計算すれば更に百分の一ほども確率は無かったかも知れないが俺は勝った。


  早く地上でいい女抱きたいぜ、うまい酒もな……


 俺のランキングプレートがゴールドに輝く文字に変化した。

 一位か……


 こいつどんだけ強かったんだ?

 そして部屋の中央部分に、台座に乗った水晶が現れた。


 『世界初のSクラスダンジョンの攻略が確認されました』

 『JOBシステムが解放されます』


 『JOBアサシンを取得しました』


 『隷属化スキルを獲得しました』

 『魔物及び地上生物を、隷属させる事が出来ます』

 『確率は、レベルによって変化』

 『一度失敗した対象に対して、再度の隷属化は発動しない』


 『隷属した場合命令に逆らえない』

 『隷属させた対象が獲得した経験値の半分をスキル使用者が獲得する』


  すげぇスキルだなJOBも俺向きだ。

  お、ギフトこれはなんだ?


 『物理防御Ⅹ』与えられた物理ダメージの九十九パーセントをカットする。


  ほう、俺が世界最強か。

  もう軍に世話になる必要も無いな。

  このまま姿を消してやろう。


 隷属化した対象だけを並べて置けば経験値も勝手に吸収出来るんだな。

 

 スキルを取得すると台座も消え奥に扉が現れた。


 宝箱が三個並ぶ。

 俺がこれを選ぶ必要は無いな。


 奴隷を連れて来て開けさせればいい。

 出口は無いのか?


 ああ入り口側が開いているか。

 よし、階段を見つければ戻れるな。


 一歩を踏み出すと、そこには大量の魔物がひしめき合っていた。

 Sランクダンジョン、百二十三層の出来事である。


 精々、ボス討伐によりレベル八十を超えた程度のカルロは、ランキング一位の滞在時間僅か十分で、見る間に食いちぎられてその生を終えた。


 ◇◆◇◆ 


「おい、君川。ランキングを確認しろ」


 ロジャーの言葉に、プレートに目をやると、ゴールドに輝く数字で9と刻まれていた。


「一体この一時間に何が起きたんだ? 一つ言える事は……タイミング最悪だろ!!!」


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