第89話 パーティ作成スキルの検証
「心愛ちゃん? スキルオーブって何でも作れちゃうの?」
「何でもじゃないですよ。私が使える能力だけです」
「なぁ心愛、俺達のステータスいじったようなのも作れたりするのか?」
「まぁそうですね」
「激しく欲しい」
「あれは、非常に危険な力だから作る予定が無いです」
「誰かが手に入れれば、ロジャーの能力を全部一にしたりとかも出来ちゃうから」
「怖いな……」
「実際には人のステータスを変更するには、まず同一パーティに居なくちゃいけないとかの制約はあるんですけどね」
「パーティは、断ったり出来ないのか?」
「前にロジャー達のステータス調整した時って、私がパーティに勝手に組み込んだけど、参加要請画面が広がったとか無かったでしょ?」
「ああ、そうだな……」
「パーティ作成スキルを、私達が手に入れたらどうなのかな?」
「それは、検証してないですね。美咲さん『チームシルバー』の人でパーティ作成を取得した人を一人呼んで貰えますか?」
「ちょっと待っててね、すぐ呼ぶわ」
「柊さん……私の聞き間違いでなければロジャー、グレッグ、冬月の三人はステータスを調整して上げているのですか? 私もお願いできないですか?」
「あ、君川さんそうですね、明後日の突入時に一人バランス取れないですね解りました。他の方にはくれぐれも内緒で」
「了解しました。よろしくお願いします」
「あの……君川さんも出来れば、柊さん呼びは止めて欲しいんですけど」
「それも了解です、心愛ちゃん」
「はい、では早速調整しちゃいますね」
君川 達也 29歳(男) レベル60 ランキング 18位 シルバーランク
HP 6000
MP 600
攻撃力 60 → 100
防御力 60
敏捷性 60
魔攻力 60
魔防力 60
知能 60
運 60 → 100
ポイント600 → 520
スキル
「終わりました、やっぱりパーティに誘われた感じはしなかったですか?」
「そうですね、でも結構判るくらいに力上がるんですね、ダンジョンの外でこの感じだと、中だと凄い事になりそうです」
「正確にデータ取られた事無いんですか? 私はこの前、学校の先生達と握力測定で訪れて、中と外で能力の違いのデータ取りましたよ」
「それは興味深いですね? どれくらい違うんですか?」
「結果から言うとステータスの数値が一で、ダンジョン内で本人の能力が十パーセント上昇します。ダンジョンの外でも一パーセント変化があります」
「それは結構大きいですね」
「今現状で、君川さんの力が百ですので、ダンジョン内だと千パーセントアップですね、外でも百パーセントアップです」
「そのデータは、公表しても?」
「あ、一応学校の先生の発案でデータ取ったから、公表は先生にさせてあげたいかも、今日聞いておきます。内部資料的に使うのは構わないです」
「心愛ちゃん、パーティスキル取った隊員が来たわ」
『香田三尉入ります』
絵に描いたような綺麗な敬礼を決めて、昨日ドラゴンゾンビ戦に同行した特務隊の人が入って来た。
「今からパーティに誘いますので、何か感じたら教えて下さい」
『柊心愛からパーティに誘われました。参加しますか Y/N』
「参加要請のログが出ました。断ることも出来ます」
「そうなんだ、それはちょっといいかも、パーティスキルを取得する事で、レジスト機能も身に付くって事ですね。今度はパーティに入って自分の意思で脱退できるか、試したいのでお願いします」
「了解です」
今度は、心愛の方にログが現れた。
『香田 颯太が、パーティから脱退しました』
参加は表示されず、脱退は表示されるんだねぇ。
大体判ったね!
「香田さんありがとうございました。また何かお願いがある時はよろしくです」
「はい! 心愛ちゃんの為なら任務中でも駆け付けます」
「おい、香田、俺の前でよくそのセリフが出るな」
君川さんが呆れてた。
「昨日、一緒にドラゴンゾンビ戦を行った三人で心愛ちゃんのファンクラブを作りましたので、そこは譲れません」
「香田、何恥ずかしい事堂々と宣言してるんだ。見てみろ、心愛ちゃんドン引きしてるぞ?」
「あの、街中で話しかけたりしないで下さいね?」
「ココアひでぇ……」とグレッグが呟くと、香田さんががっくりと膝をついた……
「あ、そう言えば私の探索者としての資金管理とかしてる会社なんですけど、新しく社長を迎えて公的な依頼は全部そちらを通すようにお願いします。個人的な部分は今まで通りで構わないんで」
と、一応決まった事を伝えて置いた。
「俺は心愛とはずっとプライベートでフレンドで居たいぜ、嫁に来るのでも歓迎だ」
「おいロジャー、心愛は俺と将来を誓い合う予定だから、お前の様な野蛮な存在は近づくんじゃねぇ」
「あの……二人共あり得ないですから!」
「心愛ちゃん、結構はっきりと言い切るんだね……」
美咲さんがロジャーとグレッグに対して残念な物を見る様な感じで呟いた。




