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不思議なペットボトル【JK心愛の美味しいダンジョン攻略】  作者: TB


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第8話 大島杏さん

 今日も昨日に引き続いて朝早くからダンジョンに行く事にした。

 買取カウンターは朝早くは()いているからダンジョンに潜る前に相談したいんだよね。


 私が朝早くから買取カウンターに向かうと急に後ろから抱き着かれた。

 ぇ? 変質者!? 思わずマジックバッグから金属バットを取り出して構えちゃったよ。 


「先輩ーちょっとストップたんまです。普通にそれで殴られたら死んじゃいますってぇ」

「希……やっぱり確認する前に振りぬくべきだったよ……」


「ぇええ酷いですよ、私の先輩への愛をそんな風に言うなんて」

「私はいたってノーマルだから、百合の要素はこれっぽっちも無いからね」


「あらためて、おはようございます先輩。今日もクラスメートと来てるんですよ。今日は三層の守護者との戦闘を撮影するのが目標です!」

「そうなんだ……希、ちゃんとポーションは持ってきてるの?」


「ぁ、うん、いえ、ごめんなさい持ってないです」

「あのね、私は意地悪で言ってるんじゃないんだからね? 希に何かあったら叔母さんとかが悲しむでしょ? 私は身近な人が悲しむ顔を見たくないんだよ。お父さんが亡くなった時の母さんの表情とかもう絶対に見たくないの」


「……ごめんなさい、でもポーション買うお金ないから、しょうがないんです」

「ちょっとこれを持って行きなさい。使わなかったら返してくれればいいし、今日はお守りだと思って入れて置いて」


 私は希に無理やりポーションⅠとキュアⅠを渡した。


「先輩……ありがとう。これは私に対する先輩の深い愛なんですね……うなじの匂い嗅がせてください」


 そう言いながら、飛び掛かる様に抱き着いて来た。


「あんたのその敏捷力は何なのよ、私が反応できない速度で抱き着くとか」

「愛の力です!」


 そして希はクラスメートであろう男女三人と一緒にダンジョンへと入って行った。


「もう本当に心配だよぉ。何もなければいいんだけどね」


 お騒がせタイムを終えて、(ようや)く買取カウンターへと向かう事が出来た。

 カウンターへと近づくと五十歳くらいの男の人が座っていた。

 愛想が悪そうで、ちょっと行きたくないな……どうしよう。


 すると、また後ろから声を掛けられた。

 ちょっとビクッとなったけど触られなかったのでバットは取り出さずに対応出来た。


「おはよう、こんな早い時間帯に買取カウンターに来るなんて珍しいわね? 心愛ちゃんだったっけ?」

「あ、お早うございます。ハイ心愛です。大島さんに相談があったんです」


 声を掛けてくれたのは受付の愛想のいいお姉さん『大島さん』だった。


「あら? 私に用だったの? 昨日は夜勤だったから、今日はもう仕事が終わって帰る所だから全然平気だよ」

「あ、お疲れじゃ無いですか? 急ぎじゃ無いから、お仕事の時とかで全然構わないですよ?」


「大丈夫だよ、まだ私は十分若いつもりだからね? 心愛ちゃんほどじゃ無いけど」

「あ、なんかすいません」


「お話は聞かせてよ、あっちでコーヒーでも飲みながらどう?」


そう言ってウインクをしてくれて、有名コーヒーチェーン店の出店している、カフェコーナーへと向かった。


「あの、ですね、私ちょっと高額っぽいアイテム手にしちゃって、目立ちたくないから協会に買取に出していいかで悩んでたんです」

「あら、そうだったんだ。大丈夫だよランクは人には希望しない限り公表しない決まりだし必要なのは階層を降りる時だけだから、心愛ちゃんが言わなければ、まずばれないよ。で……どんなアイテム手に入っちゃったの?」


「ちょっと耳を借りていいですか?」

「いいよ」って言って大島さんは顔を寄せて来た。


ヤバッちょっと希の気持ちが理解できるかも、大島さんの耳に思いっきりフッって息を吹きかけたい……

まじで、いい匂いするし思わず目を閉じて鼻で息吸い込んじゃったよ。


「どうしたの? あ、仕事終わりだから汗臭かった? ゴメンネ」

「いえ、違いますいい匂いだなって……ちょっとクラっとなっちゃいました」


「心愛ちゃん、それヤバイ性癖だよ。私以外にやっちゃ駄目だヨ?」

「ぁ、ごめんなさい……アイテムなんですけど【鑑定ルーペ】です」


「ぇ? マジ? それ超凄いじゃん。お姉さん心愛ちゃんのマブダチにして、一生寄生してお世話になりたいよ」

「これが本物だとしても一生とか無理ですよ、でも大島さんとお友達にはなりたいです」

「もう私の心の友だよ、なんなら体も捧げるよ?」


「それは今の所大丈夫です……」

「そうだね、ちょっと人目があると、高額取引になるから目立つし、私が『COLORS』用の個室の買取ルーム抑えてきて上げる。ちょっと待っててね」


 大島さんはカウンターの方へ向かって歩いて行き、カウンターの奥の方に居た責任者らしき人と何か話していた。


 それから三分ほどで戻ってきて「じゃぁ行こうか」と言って私を『COLORS』用の個室へと案内してくれた。


 初めて入ったけど、なんかちょっと豪華な造りで、ソファーもふかふかだ。

「えっと、このまま私が買取担当させてもらうから安心してね。改めまして私はダンジョン協会の買取担当で大島杏(おおしまあん)です。心愛ちゃんには杏って呼んで欲しいかも」

 と、言って名刺を差し出して来た。



「あ、ありがとうございます。私は柊心愛(ひいらぎ ここあ)です。杏さん」


「それじゃぁ早速買取希望の商品出して貰えるかな?」

「はい、他のも一緒でいいですか?」


「大丈夫だよ」


 そう言って貰えたので、昨日の百品以上のドロップ品を全て、テーブルの上に出した。


「ちょっと何よこの量? 一か月分くらい? あ、結構こまめに来てるよね?」

「あ……多かったですか? でもこれ昨日一日分です」


「一日でこんなにって心愛ちゃんっていつも一人だよね? パーティとかじゃ無いでしょ?」

「あ、はい、狩りは一人でやってます」


「うーん解ったわ、ちょっと待っててね鑑定ルーペ借りて来るから」



もしかして……私やらかしちゃってる?


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