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不思議なペットボトル【JK心愛の美味しいダンジョン攻略】  作者: TB


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第34話 野中先生のダンジョンデビュー①

『ピンポーン』玄関のチャイムが鳴って、インターホンに出ると杏さんだった。


「おはようございます杏さん」

「心愛ちゃんおはよう」


 家の中に招き入れると、母さんも起きていたので改めてお互いに挨拶してた。


「杏さん、心愛の事よろしくお願いしますね。この子お料理の事以外は全然世間知らずだから、ご迷惑かける事も多いと思いますので」

「お母さんご安心ください、心愛ちゃんはお母さんが思っていらっしゃるより、全然しっかりしていらっしゃいますので、私も全力でお手伝いさせて頂きますから」


「あら、そうなの心愛? じゃぁ母さんはちょっと、佐賀のお婆ちゃんの所にしばらく出かけて来て良いかな? お婆ちゃんちょっと体調がすぐれないから、一人で置いとくのも気が引けちゃってね、こっちに来てくれたらいいんだけど、お爺ちゃんの残した畑の世話をするのが生きがいなもんだから、中々言う事を聞いてくれないんだよ」

「お母さん、こっちは全然平気だから、ゆっくり行って来てあげてよ。出来たらお婆ちゃんの病気の内容とか解ったら、連絡欲しいかも、ダンジョン産のお薬で効きそうなのを用意して上げたいし」


「そうだね、向こうに付いたら病院の先生に伺って聞いておくよ。心愛も無理はしないでね、杏さんもよろしくお願いします」


 みんなで朝ご飯を食べると、三人そろって駅へと向かった。

 十分前に駅の改札に着くと野中先生と橋本先生が仲良く歩いて来るのが見えた。


「先生、おはようございまーす。朝から仲良さそうで羨ましいです」

「コラ柊、なんてこと言うんだ。橋本先生が、びっくりするだろ」


「先生照れてるぅ」

「心愛、先生に失礼な事言っちゃ駄目でしょ、いつもお世話になっております心愛の母です。私は今から実家へ出かける用事があったので一緒に出て参りました。今日はよろしくお願いしますね」


「ご丁寧にありがとうございます。柊さんには今日は私達が生徒になって、お教えして頂く立場なので、危険が無いように致します」

「ダンジョン協会の大島と申します。興味深い実験を行われると伺いましたので、今日は同行させて頂きます。よろしくお願いいたします。野中先生と橋本先生でよろしかったですね」


「こちらこそ、よろしくお願いします。大島さん」


 一瞬、野中先生の視線が杏さんの胸を向いたのを、私は見逃さなかったよ……

 あ、橋本先生も見逃して無かったみたいだ。

 視線がちょっとだけきつくなった……


 希が走ってくるのが見えてきて「先輩お早うございます。先生たちもおはようございます。おばさんと杏さんもおはようございますぅう。遅刻じゃないですよね??」


「大丈夫だよ、まだ八時には五分あるから。それじゃぁ行きましょうか先生。お母さんもお婆ちゃんによろしくね」


 みんなで地下鉄に乗って出発した。


 協会に着くと、ミーティングルームを借りて、少し打ち合わせをした。

 今日の体力測定をダンジョンに行く前の今とダンジョン内部で計測。 

 二時間ほど狩りをした後で、ダンジョン内でもう一度と、このミーティングルームで計四回全員が測定する事になった。


 最初の計測を始めるとミーティングルームのインターフォンが鳴り、杏さんが出た。


「心愛ちゃん。ちょっと新任の課長さんが挨拶したいって言ってるから、私と一緒に少しだけ来て貰って良いかな?」

「はい、大丈夫です」


「先に計測しててください、すぐ戻りますので」

「先生達には私が『ダンジョンリフト』の発見者だと伝えて無いので助かります」


「だよね、ほら昨日言ってた東京から来た課長だよ、表面上の挨拶だけでいいからね」

「解りました」


 応接室と書かれた部屋に連れて行かれると、杏さんがノックをした。


「どうぞ」と、声がしたので、中へ入るといかにも出来る男の雰囲気を出した、三十代くらいの男性が笑顔で立っていた。


「初めまして、本日から博多支部のダンジョン研究室の室長として赴任してまいりました、冴羽純平と申します。『ダンジョンリフト』情報提供者の柊さんのお顔を是非見たいと無理を言ってしまいました。これからよろしくお願いします」

「柊です。よろしくお願いします」


「課長、柊さんへのアポイントメントは基本、私への要請でお願いいたします。まだ学生なので、協会側の都合に合わすことも出来ないので、ご配慮下さい」

「勿論です。柊さんの学業を最優先する形で、協力をお願いさせて頂きますよ。では今日はこれで失礼させて頂きます」


 悪い人でも無さそうだけど、油断は出来ない感じかな?

 先生たちの元へと戻って、握力測定をした。


野中先生 48.6キログラム

橋本先生 29.5キログラム

希    39.2キログラム

杏さん  46キログラム

私    48.3キログラム


 頑張ったけど、先生に届かなかったな。


「真田さんも柊さんも女子高校生の平均を大幅に上回ってますね。凄い数字です」

 と、橋本先生がびっくりしてた。

 

 じゃぁ次はダンジョンの中に移動して、もう一度測りましょう。

 ここで最初のびっくり案件になってしまった。


野中先生 48.5キログラム

橋本先生 39.3キログラム


 は、良かったとして、希と杏さんと私は、計測不能だった。

 百キログラムまでの握力計では無理って事か。

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