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不思議なペットボトル【JK心愛の美味しいダンジョン攻略】  作者: TB


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240/254

第240話 河合先輩のお裁縫①

 アンリさんの言葉の意味は一体何なの?


「アンリさん。ゼウスさんはもう居ないってどういう意味なんですか?」

「お嬢、今はまだそれを知るには早い。せめて五郎の居る場所に辿り着いてからだ。それまでは、今まで通りにしておけばいい。劉に色男、お前たちも足手まといにならないようにしっかりと鍛えておけ。だがな超国家のダンジョンフォースは俺的には意味が無いと思う。仲良しごっこをするくらいならお前たちの国の中だけでもダンジョン攻略を成し遂げていく方がよっぽど効果があるだろう」


 諸葛さんがもう一度、アンリさんに質問をした。


「アンリさん。あなたはダンジョンを司どる何者かの存在を早い段階で知っていたのでしょうか?」

「まあ、そういう事だな。だがそれを知った所で今の段階ではどうしようも出来ない。ゼウスの娘、アテナとアフロディーテがお嬢を守ってくれている間に、ハーデスに対抗できるだけの戦力を作る事だけが今、出来る事だ」


「あなたは一体、何者なんですか?」

「それも、今はまだ知る必要が無い。強いて言えば、お嬢の保護者変わりだ。ハーデスが出した666日の期限は、精神生命体である奴とペルセポネが見つけた宿主。グレッグとニコールの肉体に馴染むまでの期間だ。それまでに神域に辿り着き、グレッグとニコールを取り戻せれば、人類の勝ちと言える結果になるだろう」


「わかりました。決してアンリさんは人類の敵ではないんですね?」

「今の所はな」


 なんだかモヤモヤした感じで話は終わったけど、これ以上聞いても違う展開にはなりそうになかったので、私たちは天津へと戻った。


「心愛ちゃん。私たちは今の時点ではアンリさんの言う通りに、ダンジョンの攻略を進めていく事にします。攻略においては心愛ちゃんの協力を仰ぐ事も出るかと思うけど、その時は協力を頼むね」

「はい、あの……私からちょっとだけプレゼントを差し上げます。皆さん手を出してください」


 そう言って、手を出した四人の手の甲にエスケープの魔法陣を刻んだ。


「これは、エスケープの魔法陣です。触りながらエスケープと唱えれば、無制限で使えますから、活用してください」

「それは素晴らしい。ありがとう心愛ちゃん。これで中国国内のダンジョン攻略は一気に捗るはずだ」


「よろしくお願いします」


 劉さん達なら、エスケープが無制限で使えるだけで、低ランクダンジョンであれば攻略してしまえるはずだ。

 その中で、劉さんたちと同レベルで戦える人材を育てて貰えれば、きっと来るべき日には大きな戦力になってもらえると思う。


 劉さんたちと別れて博多へ戻った。

 今日も濃ゆい一日だったな……


 翌朝、希たちと学校へ向かう途中で河合先輩とバスでお話しした。


「河合先輩おはようございます」

「おはよう心愛ちゃん」


「先輩の裁縫士のJOBって、どんなことが出来るんですか?」

「えっとー、お裁縫が上手にはなったけど……特別な何かが出来るとかは無いかな?」


「えっ? そうなんですか? 魔物素材とか使っても効果は出ない感じですか?」

「あー、魔物素材はダンジョン協会のショップで買うと凄く高いじゃん。それにドロップ率が低いし、まだ試せてないんだよ」


「そうだったんですね。今日の放課後って時間ありますか?」

「うん、別に予定はないかな」


「ちょっと私の部屋に遊びに来ませんか?」

「勿論伺わせてもらうよ」


 火曜日はサオリンのダンジョンライブ配信の日だから、日向ちゃんもいないし、放課後の約束をして別れた。


 放課後になり、河合先輩とダンジョン協会のカフェで待ち合わせをしていたので、私は希と一緒にカフェに行きお茶をした後で、一緒にマンションの部屋に移動した。


「へー心愛ちゃんのマンションってここなんだ、ここは新しくて綺麗だからいいよねー。私も狙ってたんだけど、ここは駄目だって言われたんだよね」

「なんかごめんなさい。このマンションD-CANで買っちゃったもんだから、それで駄目だったんです」


「えー、建物ごと買ったの?」

「はい、元々このマンションの最上階の部屋だけ借りてたんですけど、スタンピードのせいで値段が安くなっちゃって、住人の人もみんな引っ越してしまったから、社長に頼んで買ってもらったんです」


「なんだかバブリーだよね。羨ましいなー」

「まーその話はいいとして、私ドロップ率が結構高いから、それなりに魔物素材の在庫を持ってるんですよね。それを使って何か作れるか試してほしいんです」


「へー、凄いじゃん。どんなのがあるのか見せてもらえるかな?」


 先輩の言葉に応じて、在庫で抱えてる裁縫で使えそうなアイテムを一通り広げてみた。


「心愛ちゃん。これって凄くない? ここにある素材を売っただけでも、きっと何千万円単位の金額になると思うよ? 勿論他にも牙や骨とかの武器になりそうな素材もあるんでしょ?」

「ありますけど、私だと使い道が無いから今の所、死蔵品ですね」


「売る予定もないの?」

「いつか使えるかな? って思って一応取ってます」


「三年生のクラスに、鍛冶のJOBを持った子もいるから、その子に伝えたら歓喜の涙を流しそう……」

「今度紹介してください」


「うんうん、勿論紹介させてもらうよ。で、この素材で何を作ればいいのかな?」

「えーと、とりあえず、私が着てるような、なんちゃって制服っぽい、防具が欲しいかな?」


「もっと防具っぽいバトルスーツとかじゃないんだ……」

「バトルスーツとかなんだか恥ずかしいじゃないですか。戦闘民族みたいで」


「十分、戦闘民族だと思うけどね……とりあえず簡単なのでシルクスパイダーの糸を生地にして、リボンを作ってみるね」

「お願いします」


 そう言うと、早速先輩がJOBスキルを発動して制作を始めた。

 私はその間やる事もないので、先輩のお茶とおやつを用意して希と一緒にサオリンのライブチャンネルを視る事にしたよ。

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