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不思議なペットボトル【JK心愛の美味しいダンジョン攻略】  作者: TB


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205/254

第205話 Dライバー社の評価額

 ダンジョンが消滅して全員がダンジョンの入り口が存在した場所に戻された。

 事前に告知はしてあったので人数はそれほど多くは無いが、一般探索者も百名ほどは居たよ。


「お疲れ様ですー、それじゃぁ早速ベネツィアに移動してダンジョンシティの結界構築とトリノダンジョンの設置を済ませましょう」


 まずトリノダンジョンの協会会議室に転移ゲートを一枚設置して、テレポで私と社長だけがベネツィアへ向った。

 ベネツィアダンジョンの協会支部へ、もう片方のゲートを設置するとみんなを呼びに行き、残りのメンバーが全員ベネツィアへと移動してきた。


 イタリア政府が用意したヘリコプターに社長と乗り込み、上空から大結界の範囲をマップと照らし合わせながら確認する。

 ここにはマルコ・ポーロ国際空港が存在するのでそこを避けた形での設置になる。

 

 地形を確認すると、大結界を発動して指定範囲を隔離した。

 後は、イタリア側の要請通りに出入口を設定したら終わりだ。

 ベネツィアダンジョンの横にトリノダンジョンの入り口をアンリさんが設置する。


 後はアンリさんがスキル獲得階層を二十層に設定して、今回の依頼は完了した。

 大きなトラブルもなく、予定より早めに終わる事が出来たので良かったな。


 まだ、時間は現地時間で土曜日の十八時だ。

 日本時間だと日曜日の夜中の二時になる。


「早めに帰って寝ないと月曜日の学校が大変だから帰りますね」

「お嬢、お疲れさん。来週は何も予定が無いが、再来週はスイスのダンジョンシティ構築の依頼が入ってるので頼むな。ジュネーブダンジョンはCランクだからちょっと深いが、早めに乗り込んでお嬢たちが来た時にスムーズに下りれるようにしておく」


「Cランクかー、初めてだから余裕を見ておかないと時間通りに攻略出来るのか心配ですね」

「恐らく今のお嬢なら七十層のBランクダンジョンでも問題無さそうだけどな」


 私と希と日向ちゃんと杏さん。

 グレッグと東郷さん。

 美咲さんと香田さんの八人がベネツィアダンジョンシティに設置した転移ゲートでジャフナ基地に戻り、そこから博多へ戻った。


 冴羽社長はまだ、イタリア政府とダンジョンシティの確認があるので残っている。


 食堂に戻ると杏さんがみんなのコーヒーを淹れてくれた。


「あれ? そう言えば東郷さんはまだダンジョンマガジン社退職してないでしょ?」

「そうなんだけど、有給休暇も一杯残ってたしね。クリスマスホーリーのダンジョン探索の様子をこの目で確認したいと思ってついて行った」


「その割には、クリスマスホーリーのメンバーのそばに全然いませんでしたよね」

「そりゃ、折角杏さんが傍に居るならそっちを選ぶだろう」


「わからなくは無いけど……」


 社長のレベルも無事に予定通りの30に到達したので、ほとんどのスキルオーブは使えるし大丈夫かな?

 杏さんはレベル35まで上がっていた。


 日向ちゃんはレベル55。

 希はレベル60。

 そして私はレベル65まで上がったよ。

 TBはレベル47になっている。


 ランキングは二十八位だった。

 恐らくこのくらいのレベルだと一レベルに必要な経験値の数字が凄く大きいんだろうね。

 私みたいな超成長スキルが無い人はレベルと同じくらいの階層をメインで攻略しないと、中々レベルアップが大変なくらいには……


 でも、グレッグとかアンリさんはレベル70に到達したし、やっぱりゴールドランカーって凄いなぁって思ったよ。


 時差ボケでまだ眠くは無いんだけど、明日の学校の事を思うと無理やりでも寝なきゃね、と思ってTBを抱っこして一緒に布団に潜り込んだ。


◆◇◆◇


 その頃、Dライバー社の麻宮咲は、副社長の田中麗奈、専務の伊藤百合と三人で名古屋の事務所で話していた。


「咲、うちの子たちがみんな、付いてきてくれるって返事してくれて良かったね」

「そうね、私も二人くらいは嫌っていう子が出るかもしれないって思ってたわ」


「サオリン以外の四人もマネージャーと日頃から綿密に打ち合わせをしてフォローも徹底するように言ってるから、その効果があったって感じかな。マネージャーの鏡花と香織の二人もお給料上げてあげなきゃね」

「でもさ、D-CANに吸収合併の形になったら、私たちの報酬とか、会社の売却代金なんかはどうなるの?」


「それに関してはD-CAN側から提示を貰ってるわよ」

「そうなんだ、冴羽社長は次の日からイタリアって言ってなかったっけ?」


「D-CANの顧問弁護士の熊谷先生の名前で提案を受けているわ」

「へー、それでどんな内容なの?」


「うちの場合は一応株式会社にしてたでしょ。上場も考えてたから銀行と取引先の企業さんに安定株主として持っていただいてる株が全体の30パーセント。残りの70パーセントのうち、35パーセントを私、20パーセントが麗奈、15パーセントが百合の持ち株比率なのは知ってるよね」


「うん」


「で、今現在、うちの会社の価値はどれくらいなのかを、熊谷先生がDCFディスカウントキャッシュフロー法を使って算出したらしいのよね。それによると三十五億円と算出されたの」

「あれ? 意外に安くない?」


「総売り上げっていうか、この会社へ入ってきた金額は去年一年間でも四十億円を超えてたけど、私も含めて各チューバーに収入として渡した金額が二十億円、約半分だからね、会社自体の利益はそんなに大きくないんだよ。この事務所やスタジオ、マネージャーたちの人件費や福利厚生でもかなりの額を使うしね」


「そうなんだ、それで?」

「で、三十五億円を発行株数の一万株で割った額が一株当たり三十五万円になるのは解る?」


「うん」

「で、最低限私たちの持っている七十パーセント分の株をすべて、D-CANが取得する事が買収成立の最低条件で設定されたわ」


「私たち三人の持ち分をD-CANに渡せばいいんだよね。でもそれっていくらになるんだろ?」

「私が、十二億二千五百万円、麗奈が七億円、百合が五億二千五百万円ね」


「結構すごい額だね……」

「でも、更に安定株主の持ち分を買い戻せるなら、買い戻した株の割合に応じて割増しで買ってくれるって話だった」


「それって銀行や取引先に話したら、簡単に買い戻せないの?」

「今までだったら、買い戻せたでしょうね」


「だったら? って事は無理そうな感じ?」

「D-CANは間違いなく世界最大の企業になる道が見えているからね。その関連会社の株を手放す銀行はあり得ないでしょう。って熊谷先生も言ってたし」


「そこまでなんだ」

「一応、ダメもとで安定株主さん達には話してみるけどね」


「手放してくれないかな?」

「まぁ私たちが交渉して駄目だったら、D-CANの他のグループ企業の株との交換で話してみるって熊谷先生は言ってたけどね」


「ライバーとしての収入と、マネージャーのインセンティブは今まで通りに問題なく貰えるのかな?」

「それは勿論だよ。今までより若干チューバーの収入を多くする方向性だって言ってたよ」


「そうなんだ。凄いね」

「なんかD-CANとかかわりを持ちたい企業が、いくらでも案件やCMを持ち込んでくる未来が見えるんだって」


「そうなんだ……」

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