第152話 複数ダンジョンのマスター
千葉ダンジョンへ到着すると、早速、君川さんと合流した。
冴羽社長と杏さんは最終層へ行けないので、君川さんと二人で最終層のボス部屋へダンジョンリフトで移動する。
十八時丁度になると君川さんが、ダンジョンコアに向かってギフトを発動する。
【看破】
すると、ダンジョンコアは砕け散りダンジョンは激しく揺れ始めた。
三十秒ほど揺れが続いた後で、視界が一瞬ブラックアウトして次の瞬間には地上に出ていた。
周りにはたくさんのコスプレーヤーたちが同じようにダンジョンから吐き出されていて、ダンチューブのライブ配信をしているであろう人が興奮した感じで実況していた。
私と君川さんは、喧騒の中を協会支部に移動して、転移ルームになる部屋で待っていた冴羽社長たちと合流する。
下関と同じように、転移プレートを敷き重力魔法で床に固定すると、金沢の拠点にテレポした。
金沢支部で葛城将補とダンジョン協会の轟常務理事が合流すると、千葉ダンジョン協会支部に設置したマットの対になるマットを設置してダンジョンの設置場所へ向った。
ダンジョン協会を囲んで南側に金沢ダンジョンの入り口、北側に下関ダンジョンの入り口、そして東側に千葉ダンジョンの入り口を設置する。
立て続けに君川さんの脳裏に通知が来たようだ
『ダンジョンがインストールされました』
『再設置されたダンジョンでは素材採集が可能になります』
『インストールされたダンジョンはダンジョンマスターと共に成長します』
『ダンジョンマスターはダンジョンコアに指令を出し、機能の設定が出来ます』
早速、君川三佐がダンジョンリフトで最終層のダンジョンコアへと移動した。
『二つ目のダンジョンのマスターとなった事を確認、条件が解放されます』
君川三佐の脳裏に言葉が響いた。
ダンジョンコアに手を触れると一つ目のスタンピードの発生オン/オフともう一つの設定が出来た。
ダンジョン報酬の受け取り階層の指定20~67
(これは、どういうことだ?)
(一度だけなのか、それとも何度も変えれるのか?)
(この設定で二十階層に設定できれば、スキルの取得は便利になるが、それによるダンジョンコアの破壊の可能性も出てくるのではないだろうか?)
(色々と悩みを増やされる条項だな……)
(しかしこのダンジョンの報酬はJOB習得だ、これは一般的に絶対に広めた方がいい)
そう考えた君川三佐が二十層に設定して一度外に出てきた。
「心愛ちゃん、すぐに二十層にダンジョンリフトで移動してほしい。俺も一緒に行く」
「何かあったんですか?」
「とりあえず二十層で確認したい事が出来たんだ」
君川三佐と一緒に二十層に移動すると二十一層へと降りる階段があるはずの場所に神殿が出来ていた。
中へと入ると、ダンジョンコアとは違うミスリル製の球体が中央部分の台座に置かれていた。
「これは何なのでしょうか?」
「触ってみてほしい」
『セレクトJOBの習得が出来ます』
そう脳裏に聞こえ昨日見たのと同じJOBが表示された。
「これって……クリア報酬だけを切り離して設置できたんですか?」
「ああ、ダンジョンコアとは違うみたいだね。良かった。二つのダンジョンのマスターになった事で条件が解放されて二十層から六十七層の好きな階層に設定できるようになったみたいだ。もう少し付き合って欲しい。もう一度違う階層に設定できるのかを試したい」
「わかりました」
君川三佐がミスリルの球体に触れても移設は発動できなかった。
そのまま君川さんだけが二十一層へ降りて、二十二層のダンジョンリフトからマスタールームの六十七層に移動した。
そこでダンジョンコアへと手を触れると再設定が出来る事を確認した。
「心愛ちゃん、再設定はダンジョンコアに触ればできる事を確認した。二十層であればある程度の強さがあれば到達できる。それでJOBが手に入る利点は計り知れないな。ここでならボス戦もしなくていいからな」
「凄いですね。この情報は公にしてもいいものですか?」
「いや、現時点では秘密のほうがいいと思うが、アンリさんにだけは伝えてほしい。下関のパーティー作成も、低い階層で設定してほしいからね」
「わかりました。アンリさんも複数ダンジョンのマスターになれれば使えるっていう事ですね?」
「そのはずだ。D-CANの攻略班として他国のダンジョンの移設を請け負えばチャンスはたくさんあるだろうしね。きっとアンリさんは凄い数のダンジョンのマスターになるだろうから、この先のダンジョンマスターとしての可能性を発見してほしい」
「凄いですね。私もゴールドを目指したいですー」
「心愛ちゃん……気持ちはわかるが、俺が八位に上がるまでは勘弁してほしい……」
「それは……善処します」
「頼むからね……」
夢の国ダンジョンの移設はその日の二十時に発表されて、千葉支部からの転移ゲートも解放された。




