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不思議なペットボトル【JK心愛の美味しいダンジョン攻略】  作者: TB


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第116話 ガリッサダンジョンの攻略終了

「そういえば君川一尉と冬月二尉はよく金沢から離れる許可が出ましたね?」


 進藤准尉がケニアに向かう特別機の中で質問した。


「それはね、特務隊のメンバー全員のリミットブレイクの取得が終わったのもあるけど、樹里と美穂だけじゃ国家として日本が舐められちゃうかも? っていう判断があったみたいだよ。ほら、他の国はロシアもアメリカもゴールドランカー出してきてる訳だし、レッドランカー以上の招集に対してブルーランクの二人だけっていうわけにはいかなかったみたい」

「やっぱりそうですよね。私たちだけじゃ馬鹿にされちゃいますよね……」


「相沢准尉、そんな事をいうやつらには金沢ダンジョン攻略者としての実力を見せつけてやればいいだけさ。ロジャーに聞いた話だと二人とも随分強くなってるそうじゃないか」

「そうだよ樹里も美穂もガリッサの攻略が終わったら私と交代だからね。心愛ちゃんのパートナーは私がするんだから」


「えー、そんなの嫌です。職権乱用ですパワハラですー」

「冬月二尉、気持ちはわかるが当面は金沢中心の勤務から外れることは出来ないな。国内でスタンピードが起きた以上、特務隊の組織を大幅に拡張してリミットブレイクの取得者を自衛隊員全体の五十パーセントを目指す決定だ。まだ進藤准尉や相沢准尉に部隊を率いて指導してくれというのは無理があるからな」


「えーっ……」


「そういえば君川一尉、そのリミットブレイクなんですけど今後、民間の人たちが取得したりしてくるとかなりやばくないですか?」

「そうだな、スポーツ競技などは全く成り立たなくなるし、犯罪者に利用されたりすれば既存の警察組織では対抗できないだろう。ガリッサと天津が収まれば本格的に対応策の協議に入るだろうな」


「どうにかなるんでしょうか?」

「そこは……ほら……心愛ちゃん?」


「やっぱり……それしか思いつかないですよね」

「ああ……」


 二十時間弱をかけてケニアに到着した特務隊の四人はまずマッケンジー長官に面会をする。

 葛城一佐からの連絡でマッケンジー長官のほうでも杖型の魔法発動デバイスを用意していたので、それを受け取りロジャーたちへ合流する。


「やっと来たな。早速二十一層まで特急で降りてもらうぞ。他のメンバーはダンジョンリフトが使えるから、君川たちが最終層へ到着するまではスタンピードの対処をしている。俺とグレッグが一緒に二十一層までは付き合う」


 ガリッサダンジョンへと突入すると、まずはロジャーとグレッグに心愛から預かったスキルオーブを渡し魔法を習得してもらい、マッケンジー長官から預かった杖型デバイスも渡す。


「サンキュー樹里、これで俺たちも魔法使いだな。無制限のエスケープも助かるぜ。二十一層に到着するまでに使い慣れねぇとな」

「君川と美咲も練習する暇なんてなかったんだろ? 俺たちと一緒に撃ちまくろうぜ」


「ああ、だが最終層に着いたときにMPが無い状態だと困るから程々にな」

「回復手段は無いのかよ?」


「今のところはMPの回復は時間経過によるものしか確認されてないな」

「チェッ、十層までの間に一通り慣れて、それ以降は温存でMPの回復に充てるしかねぇか」


「ヒャッハー燃えろ燃えろ燃えろぉおおおお」

「おいロジャー、この狭い空間でナパームボムを使うんじゃねぇ、熱くてしょうがねぇからな」


「グレッグのスキルはクーラー替わりだろ? それで涼しくすればいいじゃねぇかよ」

「ほぉー、そんな減らず口をたたけねぇようにロジャーごと凍り付かせてやろうか?」


「おい、グレッグてめぇパーティ抜けやがって本気でやるつもりか? やめろ」

「二人とも少しは静かにできないの? 心愛ちゃんに言いつけるよ?」


「美咲、心愛に言うのはは勘弁してくれ。普通にスキル取り上げたりできそうだからな」

「ん? そんな方法とか存在するのか?」


「君川、まだ聞いたことは無いが心愛なら出来そうな気がするだろ?」

「まぁ確かにな。冬月二尉たちとも話していたが、犯罪者にリミットブレイクを使われるとかなり危険だからな」


「ああ、二十九層の金沢ダンジョンの報酬だから当面は一般シーカー達が手に入れられるとも思わないが、対策は考えるべきだな」


 美咲や君川も一通りの魔法を練習しつつ十時間ほどで最下層まで到達した。


「一度入り口に戻って、ロマノフスキーたちと合流後に突入だ」

「了解」


 一層で攻略班の六十名と合流すると再突入のメンバー選定に入った。


「ロマノフスキー、再突入だが前回の反省を踏まえて、ギフトと魔法スキルの使用ができるメンバーに限定してほしいな」

「ああ、それは俺も思っていた。新たに日本から来た四人は全員魔法が使えるのか?」


「そうだな。うち二名はブルーランクではあるが金沢ダンジョンの攻略を経験した魔法のエキスパートだ」

「ほう、作戦としては魔法スキルが使えるメンバーで反撃が行われるまで削って、反撃の兆しが見えたら一気にギフトを発動して倒すでいいか?」


「ああ、それで問題ないな」


 その打ち合わせにより突入メンバーが決定された。


ロシア

 ロマノフスキー大尉、ソフィア中尉


アメリカ

 ロジャー大尉、グレッグ大尉


日本

 君川一尉、冬月二尉、進藤准尉、相沢准尉


インド

 ルドラ大尉、デヴィ少尉、マンダル少尉、クマール少尉


イギリス

 ポール大尉


ドイツ

 フランク中尉


韓国

 キム少尉


トルコ

 アタマン少尉


フランス

 ロラン少尉、ジャン少尉


 以上の十八名でゴールドランクのロマノフスキー、ロジャー、グレッグ、君川、ルドラ、ポールの六名で一パーティーを組み、冬月、進藤、相沢、ソフィア、デヴィ、ロランの女性六名で一パーティ、残りのメンバーで一パーティとなった。


 パーティ分けも決定していよいよボス部屋への突入を行う。

 突入と同時に相沢准尉がスキルオーブで鑑定を発動した。


~~~~

 グレートトータス LV42

 HP 540000

 MP 0


攻撃力   420

防御力   420 

敏捷性    42

魔法攻撃    0

魔法防御    0

知能      0

運       0

~~~~


「あれ? ダメージは回復しているし聞いていたHPより増えてますね」

「本当だな、突入メンバーの数は前回と同じだし、グレートトータスのHPが増える要因が何かあるはずだな」


「魔法スキルの所持者の数とかですかね?」

「なるほど、前回は魔法が使えるメンバーが四名だけだったが今回は十六名だからな」


「おい、グレッグそれだと数が合わないだろ?」

「ああ、今回は俺とロジャーも使えるようになってきたからな」


「なんだと? どんな手段でだ」

「内緒だロマノフスキー」


「どうだ進藤、この増えたHPのグレートトータスを相手にしても削りきれそうか?」

「前回の突入時のデータから考えても十分行けると思います」


「よし、それじゃ攻撃開始だ」


 十六人による圧倒的な魔法攻撃は確かに効果は抜群だったようで、五分ほどの攻撃時間でグレートトータスに動きがあった。


「気をつけろ、反撃来るぞ」


 グレートトータスがその場で手足を引っ込めたまま回転を始めると一メートルサイズほどのケヅメリクガメ型の魔物が大量に湧き出し押し寄せてきた。

 その数は二百匹近い。


「くそ、グレートトータスが回転してるからギフトで狙いがつけられない。子亀たちの対処ができるやつはいるか?」


 ロマノフスキーの言葉に君川一尉が反応した。


「俺に任せろ、ピットフォール!」


 君川が唱えたピットフォールは要は落とし穴なのだが、リクガメが対象であれば効果は抜群だった。

 ミスリルタクトと魔法攻撃力の底上げを行われている、君川のピットフォールは三発ほどの発動で二百匹近いリクガメ達をすべて落とし穴へと(いざな)った。

 穴から上がってこれる気配もない。


「ロジャー焼き払え」


「了解だ、ルドラもギフトで手伝ってくれ」

「ラジャー」


 ロジャーのナパームボムとルドラのアグニマントラによって召喚された子亀たちはすべて落とし穴の中で焼き払われた。


 それとほぼ同時に回転を止めて地面に降りたグレートトータスにロマノフスキーがギフトの一斉攻撃の指示を出した。


 ゴールドランカーたちによる一斉のギフト攻撃を受けグレートトータスが黒い霧へと包まれその姿を消した。

 その場には台座に乗ったクリスタルが現れる。


 ロマノフスキーが聞いてきた。


「このクリスタルに触れればいいのか?」

「そうだ。攻略報酬のスキルを手に入れることが出来る」


「もしだ、このクリスタルを壊せばどうなるんだ?」

「それはまだ誰もやっていない。答えはわからねぇだ」


 ロジャーの返事を聞いたロマノフスキーがいきなりギフトを発動してダンジョンコアに攻撃を加えた。


『パリーン』と澄んだ音を立ててダンジョンコアが砕け散った。


「おい、ロマノフスキーそれはねぇだろ」

「わからない事を、わからないままにしておくのは良くない」


 次の瞬間にダンジョンが大きく揺れ始めた。


「おい、やばいぞ。総員退避だ」


 ロジャーが叫んだが、ボス部屋内にいたメンバーの視界が一瞬暗くなるとダンジョン内に居たメンバー全員がダンジョンの外に立っていた。

 存在したはずのダンジョンの入り口すら見当たらない。


「やはりな」

「おい、ロマノフスキーどういう事だ」


「ダンジョンコアを破壊すればダンジョンそのものを消失させる事が出来るんじゃないかと思ってな。このダンジョンのスタンピードはすでに発生から三日が経過している。溢れだした魔物の数もかなり多い。ダンジョンの消失をさせる事が出来れば、溢れだした魔物も消せるんではないかと思って試してみた」

「だが……その予想は、半分しか当たらなかったな。ダンジョンは消えたみたいだが溢れだした魔物はそのまま存在してるぞ」


「そうだな。だがこれで今後スタンピードに対する対策は立てやすくなった。少なくとも、このガリッサはケニア政府も積極的な探索をしていなかったわけだし、他の国のように魔石によるエネルギー政策などは行っていなかった。試すとすればここでしか出来なかったはずだ」

「確かにそうだが、それでケニア政府は納得するのか?」


「俺たちが受けた指令はダンジョンの攻略だ。なにも違反はしていない、そうだろ?」

「クッわかった。確かにその通りだ。ナイロビに戻って報告をするぞ」


 ガリッサダンジョンの攻略はダンジョンの消失という新しい事実をもって終結した。


「しっかしロマノフスキーの野郎せめてダンジョンの攻略報酬を手に入れてからやってほしかったな」

「確かにそうだが、あいつの言うようにダンジョンを消す方法があるとわかった事実も大きいな」

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