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不思議なペットボトル【JK心愛の美味しいダンジョン攻略】  作者: TB


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第113話 ガリッサダンジョンのボス

 ガリッサダンジョンの中を進む攻略チームは、サバンナの野獣をベースとした魔物と闘いながら最奥二十一層を目指していた。

 このダンジョンでは、攻略が五層で止まっていたせいもあり、マップが無いので十班の攻略チームが各フロアをしらみつぶしに当たりながら、下層に向かう。


 しかし世界のトップシーカー達の集まりなので突入から三十六時間を経過したころには、最終二十一層のボス部屋の前に攻略班が集合する事になる。


「クッソ、負けたか」

「俺たちも結構なペースで進んだと思ったんだがな。まぁロジャーに負けなかっただけ良しとするか」


 到着順位はロマノフスキーのチームが一位でグレッグのチームが二位、三位はインドのルドラ大尉が率いるチームだった。

 ロジャーのチームは次点の四位で突入部隊からは外れることになった。


「ロマノフスキー、俺は一度この扉の碑文を翻訳してもらってくるから、突入は俺が戻るまで待ってくれ」

「わかったロジャー大尉、頼んだぞ」


 地上に戻ったロジャーは杏に連絡を入れ、碑文の翻訳を頼んだ。


『杏、どんな内容だった?』

『えっとね『この奥に眠る物、あらゆる直接攻撃を防ぐ強固な鎧に守られる』と、もう一文あるわ『氾濫は怠慢により起こる。神は見る。六十番目の月より宵闇を迎えるたびにそれは起こる』と書いてあるわね」


『後半の文は金沢で見たのと同じだ。問題は前半の文章だな。魔法が使えなきゃダメって事じゃないか?』

『そのようですね、魔法もしくはロジャーたちの持つギフトでしか通用しないとみて間違いないでしょう』


『そうか、至急ロマノフスキーの所に戻って対応を決める。俺の予想じゃ恐らく攻撃力が全く足らない気がするから、心愛に連絡を取って対応策を考えてもらってくれないか?』

『わかったわ、心愛ちゃんに連絡しておくわね』


 杏に碑文の翻訳をしてもらったロジャーはダンジョンリフトを使って、ロマノフスキーたちが待つボス部屋の前に戻った。


「ロマノフスキー、翻訳の結果だが『この奥に眠る物、あらゆる直接攻撃を防ぐ強固な鎧に守られる』だった。恐らく物理でダメージを与えることは不可能だ。どうする?」

「そうか、ロジャー、エスケープのスキルはボス部屋でも問題なく使えるのは間違いないんだな?」


「ああ、それは俺たちが金沢で実際に使っているから間違いない」

「それなら当初の予定通り先着三パーティで一度突入する。結果を見て対応策を考えるでいいだろう」


「わかった。ギフトと魔法攻撃は使えるはずだ。突入メンバーに魔法が使えるやつがいるなら、それでどれくらいダメージを与えられたか確認しておいてほしい」

「どうやって確認するんだ?」


「ロマノフスキーたちは鑑定オーブを持たされてないのか?」

「渡されてない……というかロシアに渡された五個はダンジョンの鑑定で既に使用済みだ」


「しょうがねぇな。グレッグが預かってるのがあるから、それで鑑定してもらえ」

「一個三百万ドルと聞いていたが、それを使うのか?」


「他に方法は無いだろ?」

「わかった」


「グレッグ、そういう事だから鑑定は任せたぞ。俺たちは一度外に出てガリッサ市街の魔物の迎撃を手伝う」

「ロジャー、お前、絶対攻略出来ないと思ってるだろ? その場合の手段は考えてるのか?」


「俺たちに出来るのは心愛に対応策を聞くくらいしかないだろ?」

「世界のトップチームが集まった状況でハイスクールガール頼りしか策が無いって……かっこ悪いな」


「しょうがねーだろ」

「とりあえず行ってくる、案外あっさり倒してくるかも知れねーけどな」


「期待せずに待ってるぜ」


 ロマノフスキー班、グレッグ班、ルドラ班の総勢十八名がボス部屋の中に突入して行き、残りの七班はロジャーの指示によりダンジョンの外でスタンピードの対応を行いながら結果を待った。


◆◇◆◇


「こりゃぁすげぇな……」


 中に居たのは全長十メートルを超し、高さでも五メートルはある巨大なケヅメリクガメだった。


 ロマノフスキーが指示を出す。


「グレッグ大尉、鑑定を頼む」

「任せろ」


~~~~

 グレートトータス LV42

 HP 420000

 MP 0


攻撃力   420

防御力   420 

敏捷性    42

魔法攻撃    0

魔法防御    0

知能      0

運       0


~~~~


「甲羅を避ければダメージを与えることも出来るんじゃないのか?」

「攻撃力はそこまで高くないし、攻撃系のスキルや魔法も無いみたいだからやってみるか?」


「ルドラ班で、物理攻撃を試してくれ」

「ラジャー」


 ルドラのインドチームが攻撃を開始したが、攻撃が当たった瞬間に手、足、頭、尾の計六か所を甲羅の中に閉じ込めた。


「ロマノフスキー大尉、この状態になると全くダメージが通らないようですね」

「だが、こちらが攻撃を受ける事もなさそうだ。グレッグは攻撃系のギフトか?」


「ああ」

「ルドラはどうだ?」


「私も攻撃系ギフトです」

「他に魔法攻撃が使えるメンバーはいるか?」


 問いかけに対して四人のメンバーが手を挙げた。


 ロシアの紅一点『ソフィア・スルツカヤ』の他はインド班の三人だった。

 グレッグが質問する。


「なんでインドチームは魔法持ちが多いんだ?」

「インドのデリーダンジョンでは明らかに世界中の他のダンジョンより魔法スキルのオーブが多く発見されています。二十層以下で発見された無制限スキルを獲得した三名が私の班に配属されています。それぞれに氷、雷、風魔法のスキルを扱います」


「デリーダンジョンは外国人探索者は入れるのか?」

INDA(インドダンジョン協会)の許可が下りれば問題ないかと」


「ソフィアは使える属性はなんだ?」

「私は光と闇の二属性が使えるわ」


「そいつは凄いな、自力で獲得したのか?」

「いえ、貢物よ」


「なんだって?」

「おい、ソフィア。余計な発言はするな」


 ロマノフスキーに遮られて詳しくは聞けなかった。


「グレッグ、その四人の魔法攻撃とゴールドランカー三名のギフト攻撃を当てて再度鑑定を頼めるか?」

「ああ、やってみよう」


攻撃開始アタックイニシエーション


甲羅のない部分を狙って総攻撃を始めたがギフト及び魔法スキル所持者のMPが枯渇したタイミングで攻撃終了となる。


「俺の【ソニックブーム】は発動数の関係で総ダメージでは魔法組に劣るようだ」

「俺の【クォデネンツ】も一撃は大きいが総ダメージで見ると魔法に負ける」

「私の【アグニマントラ】も同じですね」


 ロマノフスキーのクォデネンツは魔法剣のような攻撃で、ルドラのアグニマントラは口から火を噴いた。


「ルドラの攻撃は結構ビビったぞ」

「すいません。見た目がアレなんで滅多に使わないんですが……」


「鑑定はどうだ?」


 グレッグが再度鑑定のスキルオーブを使って残りHPの確認をした。


HP 274687/420000


「この状態で半分も削れてなかったか。時間をかければ反撃を受けない限りは削りきることも可能な気もするがどう思うグレッグ?」

「いや、ロマノフスキー、他のボスでもHPが半分を切った辺りからは強力な反撃が起こった。ここは一度戻るべきだろう」


「そうか、攻略経験があるアメリカチームの意見を尊重しよう」


 各班でエスケープを発動して地上へ戻った。

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