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不思議なペットボトル【JK心愛の美味しいダンジョン攻略】  作者: TB


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第107話 中国とケニアどうしよう?

 ロジャーはダンジョンの外に出ると、すぐにグレッグの班が展開している場所に向かった。


「ようグレッグ! まだチマチマとM4で倒してるのか? それじゃぁ精々十五層以下の敵しか相手にできねえだろ?」

「ロジャー、ダンジョン外でのステータスじゃかなり厳しいな。二十層クラスの敵は集中砲火しねえと、とても倒せないから弾薬がそろそろ厳しくなってきた」


「やっぱグレッグごときじゃ所詮その程度か、俺の強さにひれ伏す時が来たな。しっかりと目に焼き付きやがれ」

「てめぇこの、今のこの状況で喧嘩売りに来やがったのかよ」


 その会話の直後に、ロジャーが心愛からもらった『オークの金棒』を振りぬきレベル二十の越前ガニ型の魔物を一撃で叩き潰した。


「な、なんだと……ロジャーてめぇなんでダンジョンの外でそんな攻撃ができんだよ」

「まぁ生まれ持った才能の差だな。さっさと俺にひれ伏すがいい」


 ロジャーがそう言った時にチームシルバーのメンバーがその場に現れた。


「ロジャー大尉、心愛ちゃんから連絡をもらっている。【リミットブレイク】のスキルオーブを受け取りに来た」

「き、君川。クソ俺だけ無双タイムはもう終了かよ」


◆◇◆◇


 特務隊チームシルバーとDSFのチームアルファ及びベータにスキルオーブを渡し、ようやく通常攻撃で戦うことが出来るようになる。

 しかしすでにスタンピード発生から十五時間が経過しており、新たな魔物の流出は止まったものの、結構な広範囲にまで魔物が進出しており、金沢市内を中心に半径二十キロメートルに及び隔離地域となる決定がされた。


 当然その範囲内の住民は避難を余儀なくされることとなる。


◆◇◆◇


「なんだとロジャー、てめぇだけ心愛ちゃんに付き纏って、金沢攻略とかキタネェ」

「まさに負け犬の遠吠えだな」


「次は絶対俺が心愛ちゃんと一緒に行動するからな」

「もう、心愛のパートナーは俺で決まりなんだよ。お前にチャンスなんて永遠にめぐってこねぇさ」


「あの……ロジャー、ちょっと確認していいかな?」

「なんだ美咲?」


「心愛ちゃんが攻略した時って、うちの新藤三曹と相沢三曹の二人も一緒だったの?」

「ああそうだ。そういえば、なんなんだよあの二人は? 普通に魔法バンバン使ってやがったぞ」


「えっ? 樹里と美穂が魔法を使ったの? それってやっぱり心愛ちゃんからスキルを渡されたってことなのかな……許せないわね私より先に魔法を身につけたとか」

「冬月二尉、今は素直に組織内の実力者が増えたことを喜ぶべきだ」


「でも、君川一尉も魔法使いたいですよね?」

「そ、それは否定できん」


「心愛ちゃんに頼みに行きましょう」

「当面、金沢封鎖のための人員を全国から集めるが、その隊員たちが【リミットブレイク】を取得するまで我々はここを動くことが出来ない」


「えーそんなぁ」


◆◇◆◇


「マッケンジー長官、我々の組織では国内のスタンピードが起きてしまった以上、完全な殲滅を終えるまで、国外に協力をする事は難しいと言わざるを得ません」

「それは理解する。だが、葛城一佐。現状起きている天津とガリッサの二つのダンジョンの攻略を国際的な協力無しにして乗り切ることは難しい。WDA(世界ダンジョン協会)主導のレッドランカー以上に対する派遣要請が行われるだろう」


「私で判断できる範囲を超えておりますので、この件に関しての判断は国に委ねることになります」

「心愛に対しての協力要請は可能だろうか?」


「それに関しては彼女の所属するD-CANに対する依頼の形であれば不可能では無いと考えますが……」

「後は当該国である中国とケニアの出方次第となるが、ケニアは自力での対処は、ほぼ不可能としてWDAへの要請を出すだろう。中国に関してはまったく読めないな」


「私は防衛相への確認を急ぎます」


◆◇◆◇


 夕方の六時になり杏さんが食堂に戻ってきて、みんなも起きだしてきた。


「心愛ちゃん、金沢の攻略お疲れ様です」

「なんとかなって良かったです。杏さんは少しは休めたんですか?」


「うん仮眠程度は取らせてもらったよ。兄貴と冴羽さんは全然休んでないみたいだけどね」

「うわー偉い人たちは大変ですねぇ」


「だよねぇ、それでね、今、中国のトップチームが下関にパーティスキル取得のために来てたんだけど、冴羽さんに面会要請があったんだよね」

「そうなんですね、用件は聞いてますか?」


「うん、エスケープのスキルオーブの購入要請がメインみたいだけど、当然中国は心愛ちゃんの存在は知ってるでしょ。それで中国のトップチームのサポートをしてもらえないか? って言ってきてるみたいなの」

「それって日本の国的には大丈夫なんですか?」


「そのあたりが不透明なのよね。D-CANへの依頼であればギリギリ大丈夫なのかな?」

「うーん……私はそんなのよくわからないから判断は冴羽さんにお任せって言うことで。でも中国も当然リミットブレイクも必要になりますよね」


「そうだよね……冴羽さんには、そう伝えておくわね」

「ケニアの方は大丈夫なんですか?」


「そっちは、WDAが主導で世界中のダンジョン協会に対してレッドランカー以上の救援要請が出されてDSFのマッケンジー長官はロジャーとグレッグのチームと一緒にアメリカの本部へ戻ることになったそうだよ」

「そうなんですね、ロジャー達いなくなっちゃうのかー」


「それで、リミットブレイクのスキルを今から日本に取得しに来ることは時間的に無理があるから、心愛ちゃんにスキルオーブで用意してもらえないか? って伝言だよ」

「えっと、いくつ用意すればいいんですか?」


「今回のレッドランカー以上への救援要請で対象者は九千九百九十九名だから、参加承諾者次第で最大でも一万人分用意すれば足りるけど……そんなに無理だよね?」

「無理っていうか魔石の在庫がそんなに無いです」


「あー当然だよね。その辺りは兄貴に確認してみるよ」


◆◇◆◇


 しかし【リミットブレイク】に関してはその後の世界情勢に大きな議論を巻き起こすことになる。

 習得者に関しては大幅なステータスの上昇を保ったままの行動が可能になるため、根本的にスポーツなどが成り立たなくなるためだ。

 現状では金沢ダンジョンのボス部屋での習得か、スキルオーブによる習得が可能だが、スキルオーブを使用するためには金沢の最終階層である二十九以上のレベルが必要となるために、対象者がかなり限定される事が救いではあったが……

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