第101話 枝豆ご飯と契約魔法
家に戻ると杏さんも協会から戻ってきていた。
「お疲れ様です杏さん。今日は何か変わった事ありましたか?」
「お帰りなさい心愛ちゃん。あったわよー色々」
「えぇ、それっていい話ですか?」
「どっちかって言うと良くない話の方が多いかな?」
「いいほうの話から聞かせてもらえますか?」
「えっとね、美咲のランクが十四位に上がったそうだよ」
「すごーい、って事は無事に攻略成功したんですね?」
「それがね……失敗したらしいの」
「ぇ、誰も怪我とかしなかったんですか?」
「それは大丈夫だったみたいだよ」
「一体何があったんですか?」
「どうなんでしょうね? 私も結果しか知らないから、君川さんとかに聞くのが良いと思うよ?」
「脱出にエスケープ使ったみたいだし、どうせ補充しに来るんじゃないかな?」
「低層階の魔石の在庫が今無いから、協会で買わないといけませんね」
「そうなんだね、魔石は交換の方がおすすめだよ。十層より下の階層の魔石は今日も沢山出たんでしょ?」
「はい、百個くらいはあると思います」
「魔石は売ってから買うと、魔石ポイント対比で半分になるけど、高ランクの魔石を低ランクの魔石に交換する場合だと、等価交換だから結構お得だよ」
「そんなシステムがあるんですね、知らなかったです」
「心愛ちゃんのスキルの付与が他にもできる人が現れれば、魔導具なんかも発展するかもしれないよね? 例えば転移の魔導具なんかが出まわれば交通革命が起こっちゃうよ」
「それって作って世に出してもいい物なんですか? 私なら今でも作れますけど、もし世に出すと世界中の航空会社や鉄道会社って倒産しちゃわないかな?」
「そうね、その辺は積極的に世に出しちゃうと、敵をいっぱい作る事になっちゃうかもしれないね」
「敵を作る様な事はしたくないなぁ」
「でも、きっと誰かが作るから、魔道具の扱いに関して、協会でも早急にルールを決める事になるでしょうね」
「例えば、どんなのですか?」
「作成した魔道具に関しては、現在の発明品と同じような特許申請が出来る制度とかになるわね。特許料さえ払えばどの企業でも使用可能になるなら、魔道具の発展も早いと思うよ?」
「そうかぁ、その時になったら考えますね」
「焦る必要は無いからね。それじゃぁ私は今日は帰るね」
「はい、お疲れ様です」
魔導具かぁ、確かに便利だよね。
時間のある時に考えてみようかな?
今日は樹里さんと美穂さんに剣道と合気道の指導を受けたけど、やっぱり基本が有るのと無いのとじゃ全然違うよね。
「日向ちゃんは今日の実技指導で何か感じたことはある?」
「そうですね、やっぱり私もちゃんと武道の指導とか受けた事無かったし、とても勉強になりました」
「日向ちゃんもダンジョンには真剣に取り組みたいの?」
「はい、先輩にはすごくお世話になってますし、少しでも役に立ちたいって気持ちもありますから」
「そうなんだ、でも本気でダンジョンに潜るんだったら、武器のこととか相談に乗れるからね」
「ありがとうございます。それだったらお願いがあるんですけど、前に宝箱から出た『メデューサヘア』ってあったじゃないですか? あれってまだありますか?」
「あーあれね、希のお仕置き用くらいしか使ってないから全然いいよ。でも鞭なんてマニアックだよね」
「ほら、私って基本メイドじゃないですか? なんか似合いそうじゃないですか」
「メイドと鞭の関係性がよくわかんないけど……それより日向ちゃん、ずっとメイドスタイルでいくの?」
「もちろんです! 先輩のお世話になってる間は貫きます。後は投げナイフみたいな感じでステーキナイフみたいなのとかフォークとかあったら完璧です!」
「うーん……そのうちミスリル製のナイフフォークとか出るかもしれないね。でも投擲用なら『ワイバーンジャベリン』もまだ売ってないよ」
「そうなんですか? 使ってみたいかもです」
「杏さんに預けてあるから明日にでも貰っておくね」
「ありがとうございます。でもすごい高級な装備なのに構わないんですか?」
「ほら私たちってD-CANとして動くんだし、装備品は基本会社持ちってことで全然OKだよ」
「助かります、明日から早速、低階層で武器の扱い方の練習しますね」
「それじゃ今からちょっとお料理始めるからもう少し付き合ってね」
「はい! 了解です」
◇◆◇◆
今日の成果は枝豆と小豆かぁ、枝豆で炊き込みご飯にしようかな。
枝豆はさやの付いたまますり鉢に入れて、あら塩と一緒に手でしっかり揉み込む。
手袋をしないと、産毛がチクチク手に刺さって、腫れちゃうからね。
沸騰したお湯に、塩摺りをした枝豆を放り込んでさっとボイルする。
今日は炊き込みご飯だから、この時に火を通し過ぎたら駄目だよ。
ざるに打ち上げて、鞘から中身を取り出す。
手でつまむとツルんと出てくるから、結構楽しいよ!
日向ちゃんに枝豆の皮むきを任せて他の作業を進めよう。
『デリシャスポーション』を使って、薄めのお吸い物を作る。
お吸い物は出来上がったら一回冷まして、お米の1.1倍量の容量で注ぐ。
さっきの鞘から取り出した枝豆をたっぷりと入れて、炊飯器のスイッチを入れるだけ!
明日はもち米と小豆を使ってお赤飯でも作ろうかな?
出来上がった枝豆ご飯は、早速おにぎりにしてしまおう。
綺麗な緑色の枝豆がたっぷり入って、宝石みたいだよ。
「先輩、おにぎりの形が凄くきれいですね」
「こんなのは慣れだよ」
「私も頑張って練習します!」
でも、日向ちゃんの作ったおにぎりはなんだか不思議な形をしてた。
料理センスはお母さんよりの人なのかな?
「動画的にはこの方が受けるんです!」
「そうなんだ……」
もちろんデリシャスポーションを使ってないのも一緒に作ってあるので日向ちゃんと二人で美味しくいただきました。
撮影を終えて日向ちゃんが部屋に戻ると早速スキルの取得をする。
『セレクトスキルの選択権を取得しました』
【重力魔法】
【契約魔法】
契約魔法ってどんなの? 鑑定してみよう。
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【契約魔法】
契約を司る神エンリルの加護により、様々な契約が行えるようになる。
約束 LV1
アニマルテイム LV10
モンスターテイム LV50
ヒューマンテイム LV100
ゴッドテイム LV200
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人間とか神様とかテイムできるの? どんな魔法なんだろ。
もう少し詳しく見てみよ。
あ、詳細鑑定は取得しないと出来ないんだ……とりあえず取得しよう。
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【アニマルテイム】
対象の動物に認められた場合、契約を結べる。
契約を結んだ対象には命令を出来、自分の能力を貸与できる。
【モンスターテイム】
対象の魔物に認められた場合、契約を結べる。
契約を結んだ対象に命令を出来、お互いの能力を貸与できる。
【ヒューマンテイム】
対象の人物に認められた場合、契約を結べる。
契約を結んだ相手に命令を出来、能力の共有が可能になる。
【ゴッドテイム】
対象の神に認められた場合、契約を結べる。
契約を結ぶと、良い事が有るかも?
【約束】
様々な取引において、お互いの了承のもとに契約を行うと、ペナルティの設定が行える。
ペナルティは、お互いが納得すれば設定に制限は無い。
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なんだか、これって凄いけど、相手に認められない限りは、何も出来ないって事だよね?
使える状況ってあるのかな?
約束だけなら、D-CANで行う商取引には全て適用して貰えるかもしれないよね?
冴羽さんと話してみようかな。
明日は博多の二十二層まで潜ってみたいけど、樹里さん達大丈夫かな?
無理っぽかったら、そこからは希と二人で行けば良いか?




