車での結婚式
初めまして、天川裕司です。
ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。
また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。
どうぞよろしくお願い致します。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
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無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、
お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。
基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。
創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪
出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬
でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、
どうぞよろしくお願いします(^^♪
タイトル:車での結婚式
俺には恋人が居た。
結婚を前提に付き合っていた、世界で1番愛する恋人。
でもその恋人…百合子は数週間前、
俺のもとを離れてしまった。事故だ。
「百合子ォ…」
俺はそれからもぬけのようになり生活していた。
百合子のあとを何度、追おうとしたかしれない。
でもそう簡単に
この世を離れることなんてやはりできない。
親の顔が浮かび、親友の顔が浮かび、
そんな事をしてあいつが本当に
喜んでくれるかどうか、何より百合子の顔が浮かぶのだ。
あいつと生前… 2人でデートしていた時のことをよく思い出す。
本当に楽しかった。
何気ない2人の日常がどんだけ幸せだったか、
そんな歌もあったが、あれは本当だ。
失ってから初めて気づくこの…。
「ぐぅうぅぅぅ…」
泣いた。泣き疲れるほど泣いた。
生涯の涙を全部使い果たすほど泣いた。
「あなたの背中を見てるのが好き」
百合子が俺に生前よく言ってくれた言葉だ。
あいつはいつも俺の後ろをきちんとついて歩き、
何をするにも2人一緒で、
本当に俺と居るその時を大事にしてくれた。
「あなたの背中を見てるのが好き」
何故かこの言葉が百合子を思い出すたび、
真っ先に浮かんでくる貴重な言葉のように思えた。
「俺もお前に背中を見られているのが、本当に幸せだったよ…。なぁ百合子、また見てくれないか。俺の背中を…もっと見てくれよ…」
誰にも言えない。その悲しみがずっと俺を取り巻き続けた。
そんなある日のこと。
車に乗ってるとなぜか視線を感じた。
後ろから感じるその視線。
ふとバックミラーを見た瞬間、俺は心底驚いた。
いやこの世でそれ以上は無い、嬉しい驚きだ。
「百合子!?お、お前…!」
俺は急ブレーキをかけて車を停め、
バッと後ろを振り向いた。
でも誰も居ない。
「……」
そしてまたバックミラーを見ると、
「百合子…!」
やっぱり彼女が笑顔でそこに座ってる。
「あなたの背中、やっぱりこうしてずっと見てるのが好きよ」
鏡の中から百合子はそう言ってくれ、
俺は今見ているこの超常現象を全て無視した上で
百合子と再会できたのを心の底から喜んだ。
全身全霊で喜んだ。
それから、2人だけの車でのデートが始まったんだ。
百合子とそうして一緒に居る時、他に誰も乗せない。
当たり前の事。2人だけの世界なんだから。
そして俺たちは、その車の中で結婚をした。
俺には知れないルールのようなものがあったのか、
百合子と会うのはやはりそうした鏡の中だけ。
実際、向き合って語り合ったり、
互いの体に触れ合ったりする事は
やはりできないらしい。
でも、それでも俺は充分に幸せだった。
世界で1番愛する人とこうして
一緒に時を過ごせるのだから。
だから俺は車で挙げた結婚式の中で1つだけ、
普通の結婚式では言わないようなセリフを言った。
「俺、他に誰とも結婚しないよ。生涯かけて、ここでお前と2人でこうして過ごすから。お前だけを愛しているからね」。
(※)これまでにアップしてきた作品の内から私的コレクションを再アップ!
お時間があるとき、気が向いたときにご覧ください^^
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=HCPZcKS3Kgg
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
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