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「売れ残り確定の地味女」暴言男との婚約を拒否して、魔法学校に家出します!  作者: 藍銅 紅@『前向き令嬢と二度目の恋』2巻 電子2/10


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第37話 【リチャード視点】どういうことだよ!

本日二つ目の更新です


誤字職人の皆様、いつもありがとうございます!

 オレンジ色交じりの赤い髪の男のことも、フィッツロイ伯爵夫妻の記憶のおかしさも、何もかもがわからないまま。

 いなくなったニーナの行方なども全く分からないまま、時だけが過ぎた。

 そうして、冬から春へと季節が変わろうとしている頃、隣国ブライトウェル魔法王国に留学しているテレンス兄上からの手紙が届いた。

 ああ……、そういえば、テレンス兄さんが留学するのは三年間だけという約束だった。

 その留学期間を終えて、帰国するという連絡だろうか。

 テレンス兄上がいるから、オレはジャクソン伯爵家の跡取りにはなれない。

 だから、どこかに婿入りするか、文官になるなり騎士になるなりで、自分で身を立てなければならない。

 文官試験のための勉強なんて、する気にもなれないし、剣を持って戦ったりする騎士なんて、つらいし汗臭いし嫌だ。

 オレを好いているニーナがいるんだから、そんな余計な苦労をしなくても、ニーナの婿になれば、それで楽な人生を送れる。

 なのに、そのニーナがいなくなった。

 どういうわけか、わからない。

 もしも、このままニーナがいなくなったままだとしたら。

 今更、他のご令嬢の婿に……なんて、無理だろうし、ニーナ以外の相手を探すなんて面倒だ。

 うーん、そろそろまたフィッツロイ伯爵に手紙でも書いて、ニーナが帰ってきたかどうか聞くべきか……。

 迷っていたら、テレンス兄上からの手紙を読んでいた父上が「……は? どういうことだ」と言った。

 なんだ?

 手紙を持っている手が震えている。

 どうしたんだろう?

 母上が「あなた、どうなさったの?」と聞いた。父上は、無言で手紙を母上に渡した。読んだ母も「え?」という顔になっている。

「母上?」

「……テレンスがジャクソン伯爵家を継がないと」

「は?」

 手紙を、母上から奪う勢いで、取った。

 読んでみれば、確かに、そんなようなことが書いてあった。

「『申し訳ないが、魔法学校の卒業後は、ブライトウェル魔法王国で魔法の治療院を開くことになった。だから、ジャクソン伯爵家はリチャードに継いでもらいたい。約束を破ってしまってもうしわけないが、やはり、私は領地経営よりも、病人や怪我人を治療する人生を送りたい。アンディを助けられなかった分、苦しんでいる人たちを助けたいんだ。卒業後は、まずニーナと共にフィッツロイ伯爵家に赴き、アンディの墓参りだけをして、またブライトウェル魔法王国に戻るつもりだ。約束を破ってしまって申し訳ないので、父上や母上には合わせる顔がない。私のことはジャクソン伯爵家から除籍してもらって構わない。それから、魔法学校に通うためにかかった費用はいつか全額返すので、わがままを許してほしい』って、ちょっと待てよ、ニーナ?」

 ジャクソン伯爵家はオレに継いでもらいたい……っていうのもいきなりだけど。

 ニーナと共にフィッツロイ伯爵家に赴き……って、どうしてテレンス兄上とニーナが……。

 わけがわからない。

「いなくなったニーナ嬢は……テレンスのいる隣国へと行ったのか?」

 貴族の娘がどうやって、供もつけずに、一人で、隣国まで行けるというんだ。

 まさか、テレンス兄上が、こっそりとニーナを連れて行っていたのか?

 まさか。

 こんな短い手紙では、何が何だか分からない。

 テレンス兄上に直接問いたださなければ。

 だけど、手紙には『卒業後は、まずニーナと共にフィッツロイ伯爵家に赴き、アンディの墓参りだけをして、またブライトウェル魔法王国に戻るつもりだ。約束を破ってしまって申し訳ないので、父上や母上には合わせる顔がない』と書いてある。

 つまり、テレンス兄上は、この手紙だけを我が家に送って、それで、我が家には帰ってくる気はない……ということか?

 父上にも母上にも、直接言い訳とか説明とかもする気はなくて。

 ただ、ニーナを連れてフィッツロイ伯爵家に行って、墓参りだけをして、また隣国に行く……?

 なんなんだ、それは。自分勝手すぎる。

 わけがわからない上に、ニーナを攫って。

 ニーナは、オレの、なのに。

 ムカムカとした怒りが湧いてくる。

 ニーナをテレンス兄上から取り戻さないと!

「父上、母上。こうなったらフィッツロイ伯爵家に行って、そこでテレンス兄上を待ち構えましょう!」

 父上も母上も、オレの意見に賛成してくれて。

 卒業の時期を見計らって、フィッツロイ伯爵家に行くことになった。










このお話、多分45話くらいで完結すると思います。

最後までお付き合いいただければ幸いです。



【 第12回ネット小説大賞 小説部門 入賞 】の

『「醜い嫉妬はするな」と婚約者が言ったから ~ 恋心は淡く消えた ~』ですが、

書籍化に当たり、タイトルを、

『前向き令嬢と二度目の恋 ~『醜い嫉妬はするな』と言ったクズ婚約者とさよならして、ハイスペ魔法使いとしあわせになります!~』に変えて、8月に刊行されます!

その記念の番外編ショートストーリーも本日アップしております!

今回は魔法伯の語りです!

よろしければ、合わせてお読みくださいませm(__)m

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