詩 声をかけたら、別人だった
「あっ、佐藤さんだ。おーい」
「何でしょうか。佐藤じゃありませんけど」
「えっ?」
声をかけたら 別人だった
顔をみたら 別人だった
道であった 友達だと
思っていたのに 違っていた
別人だから 気まずくなった
別人だから どうしよう
別人だから ここから逃げたい
別人だから 時 戻したい
声をかけたら 別人かも
ある日 友人 見かけたら
手を上げ 喋り かけただけ
そこでストップ 硬直状態
トラウマ 脳裏に 蘇る
声をかけたら 別人だった
振り向いてくれたら 別人だった
申し訳ない 別人だった
顔から火が出る 思いだった
「佐藤さんこの間、駅前通った?」
「うん、通ったけどそれがどうかした」
「くっ、今度は本人だったか!?」