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虫が集まる照明

 都会に住んでいるとあまり馴染みがないかもしれないが、田舎の家の照明の電気カバーには虫が入り込む。

 そのまま虫死んでしまい影が大量に産まれる。

 そのままにしていると大量の虫の死骸が溜まり、随分気持ち悪く見えるので、定期的に掃除したりするのだ。


 私は、寝る時その虫たちの死骸の影を見るのが好きだ。

 夏場になると実際に生きた虫がうぞうぞと動いてるのがとても面白い。


 そんな、ある夏の深夜、私は自分がもう寝ているのかどうかもわからない中、ぼーっと天井の照明を眺めていた。


 変わらず虫が動いている。


 だが、やけに数が多い、数百匹はいるであろうと予想できる。


 その数から照明が阻害され、部屋も少し暗くなっているようだった。


 蠢く虫たちは、所々に隙間を作っている。


 それをよく見ていると、だんだんと顔のようなものが見えてきた。


 私は、その光景から目を逸らしたくなったが、体が動かず、それを見続けるしか無かった。

 人の顔に見えるそれは、何かを訴えているようだ。

 蠢き口を動かし、何かを伝えている。


「ア

 ナ

 タ

 モ

 コ

 ウ

 ナ

 ル

 ヨ」


 私は、復唱するように、そう口にした瞬間、照明が消え、私は目が覚めた。


 寝汗がひどく、妙に鮮明だった夢を覚えていた私は、その日以降、虫というものを嫌悪するようになった。


 森や、汚い場所には向かわず、家の掃除を徹底し、虫が出る要素を排除した。


 長い年月が過ぎ、老人と呼ばれるようになった頃。


 孤独な老人はベッドで一人。

 眠るように亡くなった。


 その体は誰にも気づかれることなく長い時間放置され、見つかる頃には、その体は虫に覆われていた。肉はすでに腐り、大量のハエの卵が産みつけられ、腐臭が漂う。


 老人は間違えた。しかし、この結末は避けられなかった。


 虫は、孤独な人間を巣食う。

うちで見るのは、羽蟻とかですかねぇ。ある日ベッド一面に羽蟻がいて叫んだ記憶があります。

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