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婚約期間の一年はあっという間に過ぎていった。
イシス様は引き継ぎで忙しそうだったが私はほとんど変わらぬ日々を過ごしていた。冒険者として魔物を討伐し、手に入れた食材でお店を開く。結婚を機にこの生活がどのように変化していくのか楽しみでもあるし不安でもある。
結婚後はお店の二階部分で二人で暮らす予定だ。お店の近くに家を借りてもよかったが、すでに住める場所があるのにわざわざ借りる必要はないとイシス様と話し合って決めた。
それと結婚と言えば結婚式はどうするかという話が両家から出たのだが、私は結婚式をしたいとは特に考えていなかったし、イシス様も私の好きなようにしていいと言ってくれたのでその考えを伝えたら、両家から猛反対されてしまった。まさかそこまで反対されると思っていなかったので驚いてしまった。平民同士の結婚なのだから結婚式をしなくても問題ないだろうと思ったのだ。
しかしそういう問題ではないと両家から説得をされ、結局結婚式を挙げることになった。ただどちらの国で式を挙げるにしても両家が全員参加するのは難しい。それなら両方で挙げればいいじゃないと母が言い出し、ロイガート公爵家で一度、オーガスト辺境伯家で一度の合わせて二度結婚式を行うこととなったのだった。
そして迎えた一度目の結婚式。場所はロイガート公爵家の敷地内にある教会だ。
そもそも家に教会があることに驚きであるが、さすが公爵家と思うことにした。
この日はイシス様のお父様とお母様にもお会いすることができた。お二人は引退してから各地を旅行しているのだとか。とても仲の良いご夫婦で私もお二人のような夫婦になりたいと思ったのだった。




