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「…ルナ、殿?」
「っ!」
私は先ほど倒したドラゴンの上に立っていた。
他に何か脅威がやってこないかと確認していると、後ろから私の名前を呼ぶ声が聞こえ振り向いた。するとそこには驚いた表情で私を見ている団長様がいたのだった。
おそらく団長様もこのドラゴンを追ってここにやってきたのだろう。そして今の状況を見て驚いているのだろうと思う。
(…残念だけど秘密ごっこもここまでね。さすがにこれは説明しないとダメだろうし。でもこれで団長様の私を見る目が変わってしまったりするのかな…。そうだったら少し寂しいな)
しかし今はこのドラゴンをどうするか話し合わなければならない。
(それより今はコレをどうするかが先ね。できることならお肉を譲ってもらいたいけど…)
私はドラゴンの上から飛び降り団長様へと近づいた。どうやらまだ団長様は固まったままである。
「団長様!団長様っ!」
「…」
「イシス団長様ったら!」
「っ!今、ルナ殿に名前を呼ばれたような…」
「私ならここにいますよ」
「ル、ルナ殿!?どうしてここに…」
「それはちゃんとご説明します。でもその前にとても大切な話がありまして…」
「とても大切な話、とは…?」
「それは…」
「そ、それは…」
ここは勢いで言ってしまおう。
「このドラゴンのお肉を頂けませんか!?」
「ドラゴンの、肉…。……は?」
そして再び団長様は固まって動かなくなってしまったのだった。




