とあるおっさん整備士が語る、あらぬ痛みの正体
皆様こんばんは。
とある自動車整備工場に勤める、しがない整備士のオムライスオオモリと申す者です。
会社の規模や工場の設備にもよると思いますが、我々工場勤務者にはキツい季節になってきましたね。
何がキツいって、とにかく寒さがキツい。
私は寒がりなので、夏の暑さは我慢できても、冬の寒さは耐えがたいと感じてしまいます。
人によっては、「防寒具を着込めばどうにかなる冬より、夏の方がしんどい」と言いますが、私はだんぜん冬が苦手です。
特に今年は寒くなるのが早い気がして(毎年同じことを思っている気がする)、思わず日本の四季について調べてしまった程です。
Google先生によると、日本の四季は、春が3~5月、夏が6~8月、秋が9~11月、冬が12~2月、だそうです。
恥ずかしながら、私は四季と四半期が同じ期間を指すものだと思っていたので、間違いに気付けて僥倖でした。
四半期だと、第一半期が4~6月、第二半期が7~9月、第三半期が10~12月、第四半期が1~3月、なので、四季とは一ヶ月ずれているのですね……。
日本人のくせに、なに当たり前のこと言っとるんじゃボケ! といった話ではありますが、地域によって季節の体感に差が出るので、許してヒヤシンス☆……ペロ(ヒヤシンスどっから出てきたんだよ!!)。
……見苦しくも恥の上塗り――言い訳をするのであれば、自動車整備業界では、タイヤ交換(スタッドレスタイヤへの交換)ラッシュが冬の到来を感じさせる風物詩のようなものなので、そういった感覚が意識に染み付いていることも、勘違いの要因になっているに違いありません。間違いない。
というわけで、今年の冬が早く感じた出来事を話します。
先日ニュースで報じられた、北日本の積雪ニュースを皮切りに、タイヤ交換のお客が店に押し寄せてとんでもない忙しさだったのです。
うちの会社の経営陣は強欲なので「来た仕事は全て受けます」というスタンス。
そりゃあ、一般業務を予約制でやっているのにも関わらず、イレギュラーの仕事を際限なく入れればキャパを超えた忙しさになるのは、火を見るより明らか。
メインの仕事の片手間に短時間で終わる飛び込みの仕事が出来ないわけではありませんが、度を超えれば「予約より飛び込みを優先するってどういうこと? 本末転倒じゃん!」 と言いたくなります。
その年によって季節の移り変わりに差が生じるため、忙しい日とタイヤ交換ラッシュが重ならなければまだマシなのですが、今年は狙ったように予定がギュウギュウに詰まった日に、タイヤ交換のお客が押し寄せてきて、やり場のない怒りがやばかったですね、うん。
寒さはもちろんのこと、そういった事情もあり今年の冬は早く感じたわけですが、うちの工場では防寒対策のため、『廃油ストーブ』という物が設置されています。
それが稼働する時期も、冬を感じさせる風物詩ですね。
『廃油ストーブ』とはなんぞや? という方のために軽く説明させていただくと、『廃油ストーブ』とは直径50㎝程、高さ100㎝程の筒状の金属に、蓋、煙突、外部ファンを取り付けたストーブであり、燃料はもちろん廃油(エンジンオイルやミッションオイルの使い古した物)を使用しています。
油が燃えているのだから、当然、ストーブは相当の温度になりますが、金属の筒が熱で赤く変色する程の熱さと言えば、イメージしやすいかと思います。
とは言っても工場は広いので、その全てをカバーする火力には到底足りません。
精々、廃油ストーブの周囲2メートルが暖かい(むしろ暑い)程度です。
ですので廃油ストーブで暖をとるのは、もっぱら休憩時間となりますが、その時に気を付けなければならないことがあります。
それはストーブとの距離です。
廃油ストーブの温度は前述した通りなので、触れれば火傷確定ですし、近付きすぎても前髪が焦げたり、防寒上着の被服部のナイロンが溶けて「買ったばかりの俺っちのジャンパーがあぁぁ!?」という悲しい思いをするので、注意が必要です。
工場内があまりに寒いので、ついつい近付きすぎてしまうのですけどね(笑)。
……ふぅ、前置きがかなり長くなってしまいましたが、これでようやっとタイトルにある「あらぬ痛み」について話すことができます。
少々下品な話になるので、苦手な方はご注意ください。
「あらぬ」とは――【別の】【違った】【思いもよらない】【無関係の】――などの意味がありますが、皆さんはそのような、身に覚えがない痛みに襲われたことはありますか?
そりゃあ人生長いし、そういったことの一つや二つ、あると思います。
私も勿論ありますが、あろうことか私の場合、あらぬ痛みを男性の『チン』に唐突に覚えたのです。
いや、チンの使いすぎで痛くなると聞いたことがありますが、そういうことでは断じてなく、会社のトイレで用を足している時に突然そうなったのですよ。
痛みの種類で言うと、鋭利な刃物でチンを斬りつけられた――あるいは、針のような尖った何かでチンを刺された――といった感覚ですね。
会社の男性用トイレは、立ち小便専用の小便器が設置されており、そこで用を足している姿をイメージしていただければ、分かりやすいと思います。
――突然ですがここで問題です(選択式の)。
Q:チンが痛んだ理由は、いったい何だったのでしょうか?
①:そういう病気だった。
②:服に針が刺さっていた。
③:指に刺激物が付着していた。
④:新手のスタンド使いの攻撃。
⑤:同僚の三郎くんによる嫌がらせ。
――さあ、どうでしょう?
特に時間制限は設けていませんが、いきなり解答を――というのも趣がないので、少し雑談をしている間にでもお考えください。
選択肢の④はふざけており、あり得ないと思うでしょうが、果たしてそれはどうでしょうか?
ドイツ語ではぎっくり腰のことを「Hexenschuss」と呼ぶそうですが、中世から使われている言葉だそうで、元気だった者が突然動けなくなる程の痛みに襲われることに由来しているとのことです。
つまり魔女ではないにしろ、チンに何者かの一撃を受けることも、ないとは言い切れないのではないのでしょうか?
……はい、中世と違ってぎっくり腰は医学でちゃんと解明されているのに、この寒い季節にクソ寒いことを言って申し訳ありません。特に反省もしておりません(おい)。
――というわけで、ぎっくり腰のメカニズムが解明されているように、チンの痛みも解明されているので、その答えを開示させていただこうと思います。
……②を選んだ方は惜しい!!
服に針などの鋭利な異物が刺さっていた、というのはいい線いってますが、答えは異物ではなく服そのものの一部――つまり痛みの正体は作業ツナギのジッパーだったのです。
ジッパーを操るスタンド使いもいるので、ある意味④も正解と言いたいところですが……(笑)。
……失敬しました。
これだけだと「ジッパーがどうして?」と、分かりづらいと思いますので、どういう理由でそうなったか説明させていただきますね。
作業ツナギのジッパーの素材は軽金属なので、『廃油ストーブ』のような高熱を発する暖房器具に近付きすぎると、あっという間にチンチンに熱されてしまいます。
……もうお分かりですね?
要するに作業ツナギという服の構造上、立ち小便をする場合、ジッパーをツナギの上部から下部まで下げるわけです。
そしてその隙間からチンを出して用を足すのですが、チンチンに熱された金属にチンが少しでも触れればどうなるのか?――鋭い痛みに襲われる――といった寸法になるわけですよ。
誇張でもなんでもなく、最初にその痛みを覚えた時は、理由が分からず混乱したものです。
チンの位置によって、痛みがなくなるので、それこそ針でも刺さっているのでは? と疑ったくらいです。
「痛っ!? …………何なのいったい? ……でもこの位置は痛くない。ならばこの位置はどうだ? ……って痛あぁっつ!?」みたいな(笑)
――って、そんな再現より選択肢の中に答えがないのはどういうことだよっ? とお思いだと思います。
すいません。だって、答えを入れておくと簡単すぎて問題にならないものですから……。
このような暴挙に対して、謝罪の言葉を述べるとすれば、やはりこれですかね。
……許してくんさい☆(ヒヤシンスどこいったんだよーーー!?)。
金属のジッパー付きのズボンを履いていれば起こりうることなので、男性諸君はお気をつけください(笑)