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3.救済

哲也は歴史を大きく変えないように気を付けながら、自分の人生に関わる人間を救済するために、前世の知識を生かしながら、できる準備を進めていく。


まずは哲也の右腕として後に活躍する小林からだ。

哲也と小林はやまびこ印刷という印刷会社で働く同僚だった。


「お疲れ~、小林!

最近どう?仕事上手くいってる?」


「佐藤さん、お疲れ様です。

仕事はなんか、お使いみたいな仕事ばかりで上手くいっていないですね~。

俺、これからどうなっちゃうんでしょうか。」


「あ~やっぱりな~。

この部にはまともな部長も課長もいないじゃん。

人の事を気にしてないんだよ。

事なかれ主義というか問題が起きずにこのまま腰掛けたい~って考えだからな〜。」


前世で小林はこの後、パワハラで営業職から工場勤務に移動されられそうになり、それが元で会社を辞めることになる人生だったが、事前に受け皿を用意してあげて小林を救う為に行動を起こしていく。


「小林!でも大丈夫だー安心しろ。

もしなんかあったら俺の所に相談にこい。

悪いようにはしないし、お前一人くらいの人生はなんとかしてやる。

それに俺はもうすぐこの会社辞めるぞ。

とある会社の社長になる予定だ。」


「マジですか!只者ではないと思っていましたが、そんな話があるんですか?じゃあ俺も辞めて佐藤さんにくっついて行こうかな。」


「もう少しタイミングを見計らってからな。

なんか俺が露骨に引き抜いたように思われるから俺が辞めて少ししたら辞表を出せばいい。」


「わかりました。じゃあ時が来たら佐藤さんの会社に行きますね!」


「おう!待ってるよ。

きっと、お前の人生も大きく変わるぜ!

だから今はなんとか粘れ、面白くないかもしれないが今は我慢の時だからな」



こうして前世と人生を大きくかえないように誰も傷つかず、問題が起きないように着々と準備を進めていった。



よし、これで小林もパワハラを受けても時間稼ぎの為と思えば、頑張ることができるだろう。

だが、まだまだやることは多い、次は前世と同じように社長になる為の準備をするか。


哲也は前世で心和流通という会社の社長をしていた。


心和流通という会社は哲也がやまびこ印刷時代に運送関係の仕事を依頼していた下請け会社で、園寺という人が社長をやっていたのだが経営不振から哲也が会社の借金ごと引継ぎ再建に乗り出した会社である。


「園寺社長、お疲れ様です。やまびこ印刷の佐藤です。俺、今月で会社辞めますので!」


「え?佐藤さん何言ってるの?仕事順調だったじゃないですか?

それに佐藤さんが仕事辞めちゃったら、うちの会社大打撃ですよ。ちょっと待ってくださいよ。

なんかあったんですか?」


「実はある程度の資金を手に入れることができたんですよ。

だからサラリーマンをやってても意味がないな~と思って、何か会社でもやろうかと思っています。」


「本当ですか!佐藤さん今晩時間ありますよね?ね?

というか絶対時間作ってください。折り行ってご相談があります。」


「良いですよ!池袋あたりで飲みましょうか。」



夕方18時、園寺社長と飲む約束をして池袋に出向き、やきとんの店、加が屋に行くことにした。


大金を手に入れたからって、前世でも散々色んな物を食べたけど、こういうところで良いんだよな~

やきとん美味いよな~、そしてルービーからの芋焼酎。

人生やり直しで30歳に戻ったばかりなのに完全におっさんだ。


「佐藤さん、お待たせしてすいません。」


「大丈夫ですよ。俺も今来たところですから。

それで話しって何でしょうか。」



聞くまでも無く、経営を任せたいというような内容だという事は前世で体験済みだ。

わかっていながらも一応、何も知らないふりをして聞いていく。


「実は心和流通の経営が上手くいっていなくて、佐藤さんの力を借りられないかなと思いまして。」


「園寺さん。大体そんな事だろうと思ってましたよ。」


「お恥ずかしい限りです。」


「資金も入ったことだし、俺が会社を買い取りますよ!」


「本当ですか?でも借金がかなりありまして。」


前世では、そこまで考えずに勢いにまかせ会社の事業承継をしてしまい、後から借金が5000万あることに気が付き震えたが、どうにも人の良い園寺さんを裏切ることができずそのまま引き受けてしまったことを思い出す。


「会社の規模と経営不振という話しから大体借金は5000万くらいでしょ。それと園寺さんの退職金を3000万と見積もって、8000万で俺が買い取ります。」


「会社の規模だけで、なんでそんなに的確にわかるんですか?

全てお見通しすぎて、こっちが騙されている気分です。

もしかしてドッキリとかではないですよね〜」


「園寺さんをちょっとだけ騙して酒を飲ませてもらおうなんて考えていませんよ。」ニヤニヤ


「あ!やっぱりドッキリですね!

うちの女房がなんか言ってましたか?

そんな簡単に退職金3000万なんてありえないですよ。

こんな遠回しな嘘で飲みに行かなくたって、今までも散々、一緒に酒飲んできたじゃないですか。」


「ったく佐藤さんも人が悪いよ!」


「園寺さんマジですよ!」


「俺も経営をいつかはやってみようと思っていたし、困った時はお互い様ですよ。

それに辛かったでしょう。

穴あき袋に水を入れるように、いくら入れても金は出て行ってしまう。

夜は眠れなくなるし、出口のない迷路で絶望をするような感じじゃないですか?

それにサラリーマンの俺に散々、酒を飲ませてくれた恩は忘れていませんよ!

園寺さんは、この後の人生で何かを見つけてやってみれば良いんじゃないでしょうか。」


「マジなんですか!!!

佐藤さんは本当に普通のサラリーマンですか?

あたかも経営で苦労してきた人のような言葉に聞こえるし、経験しないとこの辛さはわからないですよ。

何故か佐藤さんの言葉には経験したような響きを感じます。」


「いや、ちょっと想像しただけですよ。

ま、まだ30歳ですからそんな経験はありませんよ。」


「そうですよね。

30歳で流石に何年も経営をやって、お金に苦労したという経験は考えられないですよね~。

実際、私は10年間経営をしてきましたが赤字が続き、苦しい事ばかりでした。

退職金も出してくれるということで、本当にいいんですか?」


「園寺さんと会ったということも、きっと縁なんですよ!」


「佐藤さん本当にありがとうございます。

この人は普通のサラリーマンとは違うと思って今までも付き合ってきましたが、こんなサプライズがあるなんて!

私の目に狂いはありませんでした。

こんな日が来るなんて!生きててよかったー!

今晩は倒れるまでとことん行きましょう!

久しぶりに美味い酒を飲みまくってやるぞー!」



こうして、園寺さんに退職金もたくさん渡すことができて、資産がある状況で社長職に無事就任することになった。


前世ではいきなり借金5000万からの最悪なスタートとは違い、余裕をもって出発できる。

しかし、お金があるとはいえ会社の改革というのは本当に骨が折れる作業である。

まだまだ、準備にかかる時間と労力は膨大だ。


しかし少女の為、着実に1歩ずつ準備を進める哲也であった。



すみません。すごく現実っぽくて、つまんね~話と思うかもしれませんが


これは自分が体験した実話の人生やり直したら?という事を基に書いている小説です。

現実世界では物凄く辛かったし、みんなにもっと良くなってほしかったという願いが強すぎて、人生やり直しができるのなら、こうなってほしいという願望を思わず書き綴ってしまいました。


序盤は実話に基いていますのでご了承ください。中盤からは飛ばしますので、もうしばらくお付き合いください。

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