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これが現実

「ふん。思いもよらなかったよ。まさかこの私が、君みたいなのと戦う羽目になるなんてね」


 ――冒険者ギルド。


 その試験会場にて、俺はニヘラムと向かい合っていた。


 脇には観客席が用意されており、フラムや新米受付嬢はもちろんのこと、冒険者たちも見学しに来ている。


 何度も言うが、ニヘラムはBランク冒険者だからな。


 その戦い方を目に焼き付けておこうと、こうして多くの冒険者たちが駆け付けてきているわけだ。


「せめて五秒くらいはもってくれよ……。じゃないと研究ができない」

「なあ、やっぱり帰ろうぜ? どうせすぐに終わるんだし、研究もクソもないって」


 そして当然のことながら、その全員がニヘラムの勝利を確信しているらしいな。


 大多数の冒険者が、憐れむような目線を俺に向けてきている。


「ふん」

 その様子を見て、ニヘラムは一瞬だけ愉快そうな笑みを浮かべると。

「ではユノ君。最高のハンデを与えよう」


 そう言って、広げた手の平をこちらに向けてきた。


「五秒。これだけ耐えることができたら、君を冒険者として認めよう。異論はないかな?」


「五秒……」


 すごいな。

 そんなに自信があるということか。


 やはりこのニヘラムという男……侮ることはできないな。


《0ターンキル》はいままで問答無用で敵を蹴散らしていたが、それが通用するとは限らないわけだ。


「おおおっ……!」

「さすがはニヘラム様! 強気だぞ……!」


 冒険者たちが口々にそう喚きだす。


「ふふ……」

 ニヘラムはまた愉快になったのか、腰の鞘から細剣を取り出し、中腰に構えた。

「さて……。ではこちらから仕掛けるよ? 繰り返すが、五秒でも持つことができれば合格だからね」


「ええ……大丈夫です」


 言いつつ、俺も念のため剣を鞘から抜く。


 このニヘラムという男、相当に自信があるようだからな。万が一《0ターンキル》が効かなかったときのことを想定して、剣での防御態勢を敷いておきたい。


「ふふ……。なんだその構えは。全然なってないじゃないか」


「…………」


「いいことを教えてあげよう、ユノ君。私の持つスキルは《俊足》。いかに距離が離れていようとも、一瞬で相手との距離を詰めることができる強スキルさ」


 そう言いながら、ニヘラムは剣を構えたまま小刻みにステップを刻む。


「つまり君は、私とこうして相対している時点で負けが確定している。こんなふうにね――!」


 突如――ニヘラムの姿が消えた。


「っ…………!」


 俺も剣の修行に打ち込んできたからわかる。


 かつて師匠がそうしてきたように、これは目にも止まらぬ速度で距離を詰めてきている証拠。瞬きを終えた瞬間には、相手の刀身が自分を切り刻んでいることだろう。


 もちろんいまの俺に、その速度を捉えることはできない。

 いかに剣の修行に打ち込んできたとしても、それが現実なのだ。


 だが、俺の持つこのスキルさえあれば――!


「スキル発動――《0ターンキル》!」


「な、なに……⁉」


 さっきまで高速で距離を縮めてきたニヘラムの動きが……止まった。


 俺の数センチ手前まで剣を振り払っていたところだったが、あと数センチのところで届かなかったようだな。


「身体が、動かせない……!」


 そう言って、ニヘラムは両膝から崩れ落ちた。

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おかげさまで現在、当作がランキングに載りました!


……が、やや苦戦を強いられている状況でして。

作者としてはもうひと盛り上がりを狙っていきたいところです。


少しでも面白い、次が気になると思っていただけたのなら……たった数秒の操作で終わります。

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