表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/16

彼女に釣り合う男になるために

 一方その頃。

 ベール村にて。


 俺は目前の巨大な屋敷を見上げながら、あんぐり口を開いていた。


「こ、ここに住まわせてもらえるんですか!?」


「ええ。もちろんですよ」


 もしかしなくても、オルランド家の屋敷と同程度には大きいのではなかろうか。大きな外壁のなかに建造物がいくつも存在し、さながら大貴族の屋敷である。


「一応、私の土地ではあるのですがね。しかし正直持て余しているのが現状でして……それでしたら、あなたがたに住んでいただきたいと思っているのです」


 そう言うのは、ここまで案内してくれたギルドマスターだ。


 一通り話し合いも終わり、どこに寝泊まりしようかという話題になったあと――ここまで連れてきてくれたのである。


「で、でもいいんですか? かなり立派なお屋敷なのに……」


「いえいえ、いいのですよ。むしろあなたがたはどちらも高貴な身分でいらっしゃる。こんなみずぼらしい屋敷でいいのかと、こちらが心配になるほどですよ」


「みずぼらしいって、そんな……」


 たしかにオルランド家の屋敷には召使いがいっぱいいたし、毎日のように清掃をしていてくれたからな。


 その屋敷と比べると若干汚れが目立つものの、それでも充分なほどに豪勢な屋敷だ。


 フラムと二人で住むには……あまりに大きすぎるが。


「ありがとう、ギルドマスター」

 フラムはにっこり微笑んで言った。

「そういえば、あなたの名前聞いてなかったわね。なんて言ったっけ?」


「おっと。これは大変失礼致しました」


 ギルドマスターは頭を下げると、改めて俺たちを見渡しながら言った。


「私はルイス・ヴェストナと申します。ご存知の通り、ベール村でのギルドマスターを務めておりますので……なにかお困り事がありましたら、いつでもお話しくださいませ」


 そうしていったん、ギルドマスター改め、ルイスとは別れることとなった。



  ★



「わぁ……ほんとに大きい……!」

 屋敷の扉を開けた瞬間、フラムが黄色い声をあげた。

「こんなにいいところに住まわせてもらうなんて、私たち本当に幸せ者だね!」


「はは……。そうだな」


 ちなみにだが、テーブルやベッド、お皿や料理道具などなど。

 いわゆる生活必需品については、すでに取り揃えられていた。わざわざ買い出ししに行かなくていいのも、嬉しいポイントだな。


「ふふ♪」

 フラムは一通り屋敷をぐるっと見回したあと、最後に俺の手をぎゅっと握った。

「二人で同居生活……。私たち、本当に夫婦になったみたいだね♪」


「はぁ……。おまえはまたそんなことを……」


 村人たちに聞かれていたら大事故になる発言だった。


「たしかに俺たちはこうしてよく遊んだけど……でも、それも昔の話だ。俺は《外れスキル》所持者で、おまえは王族。世間的に見たら、大きな溝ができたのは間違いない」


「…………」


「だから滅多なことを言うなよ。俺はともかくとして、おまえの名に傷がつくぞ」


「いいもん」


「は?」


「私の傷なんてどうでもいいの。ユノと一緒にいられれば、それだけでいいんだから!」


「どわっ!」


 どさっと。

 勢いよく抱き着かれ、俺は思わず地面に仰向けになった。

 目の前にはフラムの可愛らしい顔があった。


「…………」

「…………」


 どれくらい時間が経っただろう。


 たった数秒ほどか、もしくはもっと時間が経ったか。


 俺たちはしばらく見つめ合っていた。


「……ふふ、ごめんね。急にびっくりするよね」


 フラムはそこで一瞬だけ切なそうな表情を浮かべると、ゆっくりと身を引いた。


「わかってる。ユノは優しいから……私のためを思ってくれてるの、よくわかってるよ」


「…………」


「でも、これだけは約束して。もしユノがSランク冒険者として有名になって、汚名を返上することができたら……そのときは……」


「フラム……」

 俺はゆっくりと起き上がると、ぼそりと呟いた。

「ああ……わかったよ。俺も頑張る。おまえに釣り合う人になれるように……な」


「あ……」

 そこでぱあっと表情を輝かせた彼女の表情を、俺は一生忘れることはないだろう。

「うんっ♪」

いつもお読みくださり、本当にありがとうございます。


私なりに時間を見つけて更新してはいるのですが、やはり、ランキングで少し苦戦しておりまして……


そんななかブックマークや評価をしてくださった方、ありがとうございます。


もしこれをお読みになっているあなたが、まだブクマや評価をしていただけていないのであれば。


数秒の操作で終わりますので、

ぜひ【評価】と【ブックマーク登録】をお願いしたいです。


お気に召さなかったようでしたら★一つでももちろん構いませんので、その気持ちだけでも参考になります。


評価はこのページの下(広告の下)にある「☆☆☆☆☆」の箇所を押していただければ行えます。


よろしくお願いします……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ