表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハオトの魔王  作者: 月
5/38

第1章-4

―カーメリー執務室―


「推測ですが…。お話を聞くに確かにお嬢…リト様は死んでしまったのでしょう。状況判断ではございますが。本来命が消え、別の新しい命に紡がれ、それまでの記憶はなくなるという話は聞いたことがあります。稀に新しい生命となっても、生前の記憶を持って生まれ変わることがあるそうです。ただ、今回の内容ですが、リト様の生きていらっしゃった様子とこの世界とで大きく異なる様子が見受けられます。これはそもそも別の世界で死してこの世界に生まれ変わったのでは、と考えるのが可能性として高いのではないかと」


神妙な面持ちでバカラはそう答え、彼女は内容を吟味する。


「そしてお嬢様と呼んだ理由についてですが…あまりにも美しかったからに他なりません」


「はあ」


「その瞳の色…。その色は…400年程生きてきた私でも見たことのない色です。その瞳を宿すあなた様に見惚れてしまい、自ずと出た言葉でございます」


 どうやらこの人、もといデーモンは400年生きているらしい。かなりの長命だが寿命はどれくらいなのであろうか。そして瞳の色とのことだが…、そもそも色はおろか、生前視えたことがないわたしにとっては視える事実が不思議な感覚だ。あの時見えたきれいと感じたものをバカラは感じ取ったのだろうか。それなら尊敬の念がわくのは分からなくもないが、自分に向けられたものと思うとかなり気恥ずかしい。それに…このデーモンは何かを隠している。


 はっと思い出す。先ずは現状の確認からだ。あの氷の粒と、自分の手から出てきた炎。現実世界では見たことはそもそもないのだが、聞いたことないものだ。この姿の事といい気になることはきりがない。


「あーと。バカラが出していた氷の粒のようなものだけど」


「申し開きもございません」途端に腰を深く折り曲げる。


「あー違うの!責めてるんじゃなくて、その、気にしないで。そうじゃなくて、私の手からでた火みたいなのとか、なんかきらきらしてたのとか何かなって。そもそも何で生まれかわって、えーとこの場合転生っていうのかな?転生してしかもこんな姿なのかな」


 バカラはばっと顔を上げる。


「魔法のことですね。こちらは後ほどゆっくり話すとして、転生と仰るリト様の生まれの件については私でも分かりかねる案件です」


「そうよねえ」


「以前の世界ではどうやら別の種族だったとのことですが…」


「歓談中失礼致します」


 唐突に別の声が聞こえると、バカラの傍に藍色がかった黒髪の女性が姿を見せたことにリトは気付いた。


初投稿となります。

誤字、脱字、慣用句の間違った使い方、矛盾点などのご指摘やご意見、ご感想を頂けましたら幸いでございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ