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十二巫女神獣録  作者: Ирвэс
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第2幕 Beginning Night

 その日の夜の事だった。

 皆が寝静まった頃を見計らい、透菜はこっそりと家を出る。

 上は白い兎がプリントされた青いTシャツ、下は太腿から足の爪先までこれでもかと露出せんばかりに短い紺のショートパンツ、そして素足にサンダル履きと、実に開放的な服装だった。因みに彼女の足の形は、人差し指が一番長いギリシャ型である。

 中間テストが終わり、時期的には6月上旬とそれなりに暑くなって来たので妥当な服装だが、それでも油断すれば風邪を引きかねない冷涼な風が透菜の露出した四肢を撫ぜる。

 あらゆる現実の煩わしさから一時的に解放される、自由な瞬間。

 夜が明けてしまえばまた、無機質で冷酷で乾き切った現実が待っているだけだが、それでも今だけはこの幸せな自由の風を感じていたい。

 そんな切実な想いを抱きながら、夜の帳に落ちた静寂の街を歩く透菜だが、そんな彼女の背中を謎の青い影は音も無く尾行していた。

 見た目からして鹿か山羊か馬に似た、四足歩行の細身の偶蹄目の獣の様だが……?

 

 一方、何処へ行くでも無く手を後ろ手に組んで、真夜中の散歩に興じる透菜の視界に飛び込んで来たのは蘆花恒春園だった。


 「あぁ、ここ懐かしいかも……」


 そう呟きながら、徐に透菜は雑木林に足を踏み入れた。

 小さい頃に良く、透菜は家族と一緒にこの公園に遊びに来ていた物だ。

 弟と一緒に落ち葉やドングリを集めたり、花や虫を観察したりと、あの頃はとても楽しかった。


 そう言えばあの時、不思議な音が聞こえた事が何度か有ったっけ……。

 まるで自分を呼ぶ声にも聞こえたが、あれは自然の妖精が発した声だったのだろうか?

 もしかしたら大人になると忘れてしまう、イマジナリーフレンドなる幻影と言う可能性も有るが、どちらにしてももう今となっては思い出す事は出来ない。


 最早自分は、あの頃の様な夢見る子供などではないのだ。

 “大人”と言う、夢も希望も幻想も何も無い無機質で冷たい現実の世界を、只管淡々と生きるだけの動物に成り下がろうとしているのだから……。

 哀しいし悔しいけれど、人間だって所詮は動物。そして動物は、目の前の現実に対応する事でしか生きられない。

 ならばこんな夢や理想や空想を思い描く精神とか、心なんて物は何の為に在ると言うのだろう?

 どう考えても要らない、邪魔なお荷物でしかないではないか。

 大人になると言うのは、まさに無駄な思考も何も全てを削ぎ落し、只本能のまま目先の現実に対処するだけの、それこそ犬や猫や猿や熊や鹿みたいな畜生と同等の存在に成り下がると言う事なのだろう。

 夢や理想を思い描く無垢な心を失うのは居た堪れないが、余計な事を考えずに機械の様に淡々と動くだけで済むのなら確かにその方が“(ラク)”なのかも知れない。楽しくはないだろうが……。


 まぁ兎に角、あの頃が1番人生で幸せな時間だったのは間違い無い。

 両親は一体、何時から自分に冷たくしようと思ったのだろう?

 と言うかそもそも、親の愛は無償ではないのか?

 駄目な所も立派な所も、ありのままに子供の全てを愛して受け入れるのが親の在るべき姿ではないのか?

 それともそんな物はそもそも綺麗事の嘘八百であり、社会で立派に生きて行けるだけの知恵と力とスキルを持ち、結果を出せなければそれは得られないのか?

 ならば親の愛とは所詮、条件付きでしか子に与えられない有償の物だと言うのか?

 そんな取り留めの無い事が次々と脳裏を過る中、透菜は徐にサンダルを脱ぎ、緑の草の上に横になる。

 一陣の夜風が、その涼しさをサンダルの拘束より解放された足裏から脳天へと突き抜けさせる。実に気持ちが良い。それこそ今日味わった嫌な想いなどどうでも良くなって来る。

 続いて視界に飛び込んで来たのは、雲1つ無く澄み切った満天の初夏の夜空に煌めく星々。

 自然を見ていると、やっぱり嫌な事を考えなくて済むし、何より心が洗われる―――。


 (こんな生き辛い世界、もう嫌……。抜け出したい……。もっと皆がわたしに優しい世界が有ったらいのに……!)


 そんな物は無いと分かっていても、今までの生い立ちや境遇からそう思わずにはいられない。

 たとえそれが虚しい現実逃避だったとしても、この世界から冷遇されて育った透菜が本気でそう願った、次の瞬間。


 『漸く見つけましたよ、巫女(かんなぎ)候補のお嬢さん』


 突然耳に響くのは、自分以外誰もいない筈の公園に響く男性の声。


 「えっ、誰!?」


 何事かと思って上体を起こして辺りを見回すと、視界に飛び込んで来たのは鹿とも馬とも付かない奇妙な獣だ。

 身体からも炎の様に揺らめく青いオーラを放っており、只ならぬ雰囲気と存在感を纏っている。

 透菜から1mも満たない程の近距離にいるが、何時の間に彼女の近くに来たのだろう?気配も感じず、足音も全く聞こえなかったと言うのに……。


 「な、何……?何なの?」


 突然現れた得体の知れない化け物の姿を前に、立ち上がった透菜は裸足のまま思わず後ずさる。

 もしかしたら次の瞬間、自分は殺されてしまうのではないか?

 目の前に人間の理解を超えた異形が現れれば、そんな恐怖が腹の底から湧き上がって来るのは至極当然の事である。


 「止めて!こここ、来ないでぇぇッ!!」


 すると獣は悠然と透菜の前に歩み寄りながら、彼女の心を見透かすが如くこう告げた。


 『怯えなくて大丈夫です。私は貴女に危害を加える心算はございません』

 「え……!?」


 “自身に危害を加えない”とは言っているが、当然ながらいきなりそれを信じる程、透菜も単純ではない。


 「ホ、ホントに……?」


 怪訝な表情で身構える透菜に対し、青い獣は穏やかで紳士的な態度で応じた。


 『勿論ですとも。何故なら貴女は我々にとって十二の希望の1つとなり得るお方。それを殺傷して良い筈がございませんからね』

 「わ、わたしが十二の希望……?意味分かんないんだけど……」


 突然青い獣から告げられた“十二の希望”と言う単語(ワード)に、透菜は驚きと困惑を隠せない。取り敢えず自分を害する気が無い事は、先程から感じる優しい雰囲気から察せられた。


 『自己紹介が遅れましたが、私の名はトゥルメア。我らが主である創造神ゼラレフ様の使いの者です。主の御心の下、貴女を我々の世界へとお迎えに上がりました。』


 青い獣が自らを『トゥルメア』と名乗った為、取り敢えず相手をどう呼んで良いかは分かった。

 だが、それ以上にまた訳の分からない事が増えてしまった。


 「創造神ゼラレフ……?一体、何の話してるの?」


 中でも彼女にとって一番衝撃的だったのは、自分がこれからトゥルメアの世界に連れて行かれると言う事だろう。


 「って言うか貴方達の世界にわたしを……って、えぇっ!?わたし、これから貴方の世界に連れてかれるの!?」


 昼間の嫌な事を忘れる心算で真夜中の散歩に来ただけだと言うのに、まさか訳の分からない化け物に拉致されるとは……。

 連れて行かれたらどうなってしまうのだろう?そのままこいつ等に喰い殺されてしまうと言うのか?


 「嫌……嫌よそんなのぉッ!!あんたみたいな化け物の世界に連れて行かれるなんて!!食べられるなんてわたし、絶対に嫌ァッ!!」


 恐怖に駆られた透菜がそう声を張り上げると、トゥルメアは溜め息を吐く様な反応を見せた。

 心なしか自分が馬鹿にされてる様に透菜は感じた。


 『……貴女、相手の話もキチンと聞けないのですか?私は貴女の事を、我々の世界の希望の1つとなり得る存在だと申し上げたでしょう?それを何故、我々が拉致して殺害せねばならないのか、全く理解不能なのですが……』

 「あ……」


 トゥルメアから自分の早合点を指摘された透菜は、恥ずかしさから思わず両手を後ろ手に組んで顔を赤らめ、視線を相手から反らした。裸足の足の指も、無意識の内に強く握り締めていた。

 慣用句にもある“穴があったら入りたい”とは、まさにこの事。


 (またやっちゃった……。わたし、何時もそうだ……)


 空気も読まず、相手の話も最後までちゃんと聞かず、ちっぽけなその場限りの感情や勢いに任せて勝手に動いて失敗する……。

 こんな馬鹿な自分だから、学校でも家でも皆から付き合いたくない頭の悪い奴だと思われて疎まれ、軽んじられて来た。

 同じ人間処か、こんな鹿からも馬鹿にされるなんて、本当に救いが無い……。

 だが、今ここで自分の愚かさを悔やんだって何も始まらない。


 深呼吸をして一息落ち着けると、透菜は怖い気持ちを抑えながら、取り敢えず最後までトゥルメアの話を聞く事にした。


 「ごめんなさい、さっきは早とちりしちゃって……。」


 申し訳無さそうに俯いて目を反らしながらそう前置くと、改めてトゥルメアの顔と向き合ってこう続ける。


 「それで、わたしが貴方の世界の希望で、その為に連れて行くって話だったけど、それって一体どう言う事なの?って言うか貴方は何なの?“ゼラレフ”って何?ちゃんと事情話してくれなきゃ、わたしだって納得出来ないわよ」


 相手が自分を害する恐れの無い存在である事はもう良い加減分かっている上、“希望”だと言って丁重に扱おうとしている節さえ感じられる。

 ならばビビる必要は無いと、透菜は足りない頭を最大限に働かせながらそう質問する。

 するとトゥルメアは漸く本題に入れると分かったのか、待ってましたとばかりに彼女の問いに答えた。


 『我々は、貴女方人間が『幻獣』と呼ぶ存在です』

 「げ、幻獣!?あのゲームとかで良く出て来るファンタジーな生き物の!?」

 『その認識でほぼ間違いは有りません。そしてゼラレフ様は、我々幻獣とその世界―――『コルカノ』を創造した神です』

 「コルカノ?それがこれから貴方がわたしを連れてく世界なのね……」


 取り敢えずトゥルメアが何者で、ゼラレフが何なのかは分かったが、新たな単語である“コルカノ”が彼等の故郷で自分がこれから行く事になるであろう異世界と知り、透菜は心が少しだけ踊った。


 (一体どんなとこなんだろう?ゲームとかで出て来る、剣と魔法のファンタジーな世界なのかな?)


 自分達が住んでる地球と違う世界が存在すると分かっただけでも驚きなのに、これからそんな世界に行く事になると思うと、恐怖よりもワクワク感の方が強くなっていた。

 少なくともこんな夢も希望も無い、無機質な現実世界よりは楽しい事が待っていそう……透菜はそう考えていた。

 だが、トゥルメアが次の瞬間告げたのは、そんな彼女の妄想を打ち砕く厳しい現実であった。


 『そしてそのコルカノは現在、何時滅んでも可笑しくない危機的状況に瀕しています』

 「え…?滅ぶ……?滅ぶって一体どう言う事なの!?」


 まさかこれから自分が行く事になるであろう世界が滅びかけだなんて、何と言う笑えない冗談であろうか?

 驚いて困惑する透菜に対し、トゥルメアは説明を続けた。


 『詳しいお話は現地にお連れした時に四宝神の方々がご説明致しますのでここでは割愛しますが、その窮地を脱する為に、我々は十二の希望を探していました。その希望とは、貴女を含めた12人の人間の少女の事です。』

 「わたしを入れた12人の女の子を?てか、何でその中にわたしが入ってるの?」

 『それは貴女が自然と心を通わせ、其処に宿る魔力の源である『マナ』を操り、魔法を扱う才能を持っているからです。同様の才能を持つ人間は探せば他に何人も居ましたが、最もそれに長けるのは貴女方の様な多感な時期を生きる人間の少女であり、特に貴女に眠っている才はその中でも格別に大きい。そして貴女の様な人間の少女の事を、我々は『巫女(かんなぎ)』と呼んでいるのです』

 「ま、魔法の才能!?わたしに……!?」


 よもやここに来て“魔法”とは完全にファンタジーの粋、ここに極まれりと言った所か。

 『巫女(かんなぎ)』なる単語(ワード)に関しても、それは彼等にとっての“魔法少女”の言い換えと言った所だろう。

 魔法少女と言うジャンルに関しては自分も何度も漫画やアニメ等で見た事は有るが、まさか自分にそんな才能があったとは……。

 だが、この時の透菜は未だ知らない。トゥルメアの言う巫女なる役職が、彼女の想像する様な物では無いと言う事を―――。


 『魔法の云々に関しては我々の抱える事情と同様、コルカノに着き次第、詳しくお教え致しますが、それでもこれだけは申し上げておきましょう。どうか、貴女の中に眠るその自然と心を通わせ、其処に宿るマナを操って魔法を扱う才能を、我々の世界の役に立てて下さい。貴女と同じ才能を持った少女達を、我々は既に11人見つけています。貴女が最後の一枠です。新しい世界に行けば、彼女達はきっと貴女の新しい友人となり、家族となってくれる筈です。この世界で永らえた所で、誰も貴女の価値を理解する者は現れないでしょう。寧ろ、邪険に扱う者達によって潰されるだけです。ならば貴女を必要とする世界で生きた方がそちらとしても幸せと思いますが、如何でしょうか?』


 途轍も無い殺し文句を述べて深々と頭を下げるトゥルメアに、透菜の心は思わず動きそうになっていた。


 「わ、わたしの事を必要としてくれる……?新しい友達や家族が一杯……?」


 もう既に巫女となり得る候補の少女を11人も集めており、自分が最後の1人と言うのなら、確かに首を縦に振らねば一生後悔しそうな案件に思える。“限定”と言う言葉に弱いのが人間―――特に日本人の性なのは良く言われる事だし実際、そう言うケースが多いので無理も無い。


 (だ、駄目!落ち着いて考えて!そうやって考え無しに動いて失敗した事だって何度も有るでしょ!?下手したら詐欺かも知れないじゃん!)


 過去の失敗の数々から己の心を自制しつつ、透菜は改めてトゥルメアに尋ねた。


 「あ、貴方が本当に幻獣だって言うのなら魔法とかだって使えるんでしょ?それ見せてくれたら、わたしも信じてあげる……」

 『それだけで良いのですね?分かりました』


 するとトゥルメアは徐に身体を青く強く光らせると、頭上に青い光の球体を生成。そしてそれを透菜の足元へと飛ばす。

 

 「えっ、ちょっ!危なっ!」


 咄嗟に後ろに退いた直後、先程透菜が立っていた場所には眩い光の柱が立ち昇り、そのまま柱の先端から無数の光の粒子が星屑の様に降り注ぐ。

 降り注いだ星屑は大地に溶けて消え、やがてその場から美しい花が咲き始めた。然もその花は見た事も無い、青白い花弁を持った新種の花だった。


 「凄い…本当に魔法だ。然も凄っごい良い匂い……」


 初めて感じる匂いだけど、優しさと懐かしささえ呼び起こす不思議な花の香りに舌鼓ならぬ鼻鼓を打っていると、トゥルメアは改めて話を戻す。


 『これで信じて頂けましたか?』

 「勿論。こんなの見せられちゃ、信じない訳には行かないもの。後、わたしもコルカノってとこに行けば貴方がやって見せたみたいな魔法、使える様になるの?」

 『えぇ、それは保障します。では、今度はそちらのお名前をお聞かせ頂けますか?』

 「透菜よ。村上透菜」


 魔法が実在の力である事を知り、幻獣共々その存在を認めると、透菜も透菜で改めて自らの名をトゥルメアに告げる。


 『では透菜さん、我々の世界・コルカノに来て頂けますか?』


 いきなり異世界からのお迎えと言われて面食らったし、正直騙されてこれからもっと悲惨な場所に行かされるのではと思ったが、そもそも滅びかけの世界に透菜を連れて行って不幸な目に遭わせて、一体トゥルメアとその主であるゼラレフに何の得が有るだろう?少なくとも透菜の頭では、そのメリットを想像する事が出来ないし、連れて行って殺害する心算は無いと相手も明言しているのでその線は薄い。

 それ以上に彼は、彼女の事を希望と言ってくれた。魔法の才能をこれからどう言った形で役立てるかはまだ分からないが、それに関しても向こうへ行った際にきっと分かるだろう。

 もっと根本的な点に目を向けて見れば、今の暮らしを続けても透菜に碌な人生が待っていないのは明々白々だ。幸せになれるか不幸な転落人生かと言われたら、後者の可能性が彼女の中ではどうしても高い。少なくとも、年金を貰える歳まで無事に生きていられるとは思えないし、その頃には下流老後一直線と言う未来しか透菜の脳には浮かばない。

 父親も自分に愛想を尽かしている手前、さっさと家を出て行って欲しいみたいだし、これまでの人生を振り返ってみてもあんな最低の毒親家族や自分が冷遇されるだけの学園生活から逃げられるなら、その魔法の才能を活かせるその新しい世界の方がずっと面白そうだ。

 どうせ死ぬなら、このまま帰ってあんな腐った世界で死ぬより、違う異世界で死んだ方が良い。

 再びサンダルを履きつつ、テストの時もここまで回転させた事が無い所まで脳細胞を回転させて出した答えを、透菜はトゥルメアに向けて返した。


 「……良いよ。わたしに本当に魔法の才能が有るかどうか、正直まだ信じられないけど、今よりマシな人生が送れるなら何処へだって良い!わたしを新しい世界へ連れてって!」


 トゥルメアの誘いを受諾する言葉を発した次の瞬間、不意に足元から青白い光の靄が立ち込めた。


 「えっ!?何!?今度は何なの!?」

 『その言葉、お待ちしていました』

 「ねぇ、トゥルメア!これ一体何なの!?何が始まるの!?」

 『これから貴女を、コルカノにお連れします。申し訳ありませんが、これから貴女には暫し眠って頂きます。眠っている間、貴女の魔法の才能を呼び起こし、コルカノを再生させる為に必要な力をそのお身体に移植し、肉体を世界に適応した物へと進化させますので』

 「力の移植?って言うか…進化って……一体…………」


 光は一層強くなり、それに伴い周囲に大小様々な緑色の粒子が漂ったかと思うと、透菜の視界はホワイトアウト。

 そのまま彼女の意識は、白い光の中へと溶けて消えて行くのだった――――。

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