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赤子になって、こんにちは?

私…柊 涼は女の子だが、ギャルゲが大好きだった。

中でも「アイドルと恋に落ちたら」略して「アイ恋」が大好きで、攻略対象のキャラ達のアイドルグループ"saison(セゾン)"を箱推しするぐらいに好きだった。

 なんで、こんな過去形で話してるかというと


「あぅぁぁぁぁあぁっっ…(なんで赤子の姿になってるのよぉぉ…っ)」


目が覚めたら赤ん坊になってたからだ。

死んだ覚えもないし目を覚ましたらベビーベッドに寝かされてたのだ。

悪夢でも見てるのか…早く覚めて推しのアニメを見なくては…見なくては???


「ぎゃぁぁぁぁっ!!!(今日アニメ1話の放送だったじゃないかぁぁぁぁっ!!!)」

「あらあら、お腹が空いたのかしら?」


勢いよくベビーベッドから降りようとする私の身体を美人な女性が抱き上げながら困ったように言った。


「どうしましょう、まだ上手く母乳が出せないのよねぇ…」


お気持ちだけ受け取っておきます。20代も後半の私には耐え難い修行です。そんな気持ちなんて勿論伝わるはずも無く、粉ミルクを飲まされるはめになった。


「ぁあぁぁ…(これからこんな苦行が離乳食になるまで続くのか…?)」

「不機嫌ねぇ…おしめかしら…?」


毎食粉ミルクという絶望を受け止めきれずにいる私に彼女はまた1つ爆弾を落とす。

全力で嫌がるが、赤子の力とは儚いもので彼女により新しいおしめに変えられたのだった…。もうお嫁にいけない…しくしく。


それから3年後、たまたま苗字が"青空"とゲーム主人公の苗字と同じと知り幸せな気持ちに浸ってた私にお母さんが私がお姉ちゃんになると頭を優しく撫でながら教えてくれたのだ。


「わたち、おねーちゃんに、なるの?」

「そうよー、涼はお姉ちゃんになるの」

「あかちゃ、おとーと?いもーと?」

「産まれるまでは内緒、でもね名前は"奏"ってつけるのよ」

「かなで!?(「アイ恋」主人公の名前と同じ!!)」

「ふふ、そうよ仲良くしてね」

「しゅる!!!」


苗字が同じだけではなく、産まれてくる子が奏と聞き私のテンションは爆上がりだった。

青空 奏は「アイ恋」の主人公…プレイヤーのデフォルト名で、saisonのマネージャーであり同級生のキャラクターだった。

黒髪のモブ顔という目立った容姿ではないが、声がイケボでそれがきっかけで声優のライブにも前世では行きまくっていた。

私の興奮が伝わったのか分からないが、弥生さんつまり今のお母さんは嬉しそうに笑ってくれた。くぅ…っ美人っ。


それから数ヶ月後、弥生さんが無事出産を終えお父さんと手を繋げながら新しい家族に会いに行くことになった。


「涼、あなたの妹の奏ですよー」

「いもうと…」

「あら?…妹は嫌だった…?」


男の子じゃなかったと少し落胆してしまい、それをみた弥生さんも悲しそうな顔をして私は慌てて首を降った。


「んーん!うれしい!りょー、おねーちゃんになった!」


精一杯笑顔で答える私に両親はほっとした表情になった。


「(そもそもここは「アイ恋」の世界ともかぎらないし、せっかくの妹が出来たんだうんと甘やかして可愛がろう)」


当たらな決意を持ち私はこれから妹とどう暮らそうか未来を考え始めたのだった。

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