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第3章第14話 ~地下水道の戦い 2~


地下水道の入り口前。

今此処には数多くの冒険者達が、地下水道突入の為の準備を行っていた。

自分達が愛用している武器の手入れを行っている者。食料や回復ポーションなどが入った木箱を運び込んでいる者。仲間と談笑しながら精神をリラックスさせている者など。

集まった冒険者達が突入の指示を今か今かと待っている状況の中、その中の一人にフェルヌスはいた。


「・・・・・・・・・」


数多くのテントが張られている場所の端。

フェルヌスはそこで手に持ったショートソードを砥石で軽く研ぎながら、着々と突入準備を行っていた。

その手に握られている剣は、テンポよく、一定のリズムで研がれていき、その切れ味と輝きが増していく。

今回フェルヌスは、冒険者の一人としてこの事件に参加していた。

参加した理由としては、依頼を受けたからというのもそうだが、主な理由としてはアルクとクーリィの為であった。

この町は自分の弟子であるアルクが安全に修行させるために必要な場所であり、もう一人の弟子であるクーリィに取っては生まれ故郷でもある。

だからこそ、弟子たちの為に、何時もの日常を過ごすために、今回の事件をとっとと解決させようと考えていた。


「・・・・・・・・・・・・」


そうして無心になって剣を研ぎながら、フェルヌスはふと、今から数十分前に起こった冒険者ギルドでの出来事を思い出していた。






モールテスの案内で、待たされていた控室から対策本部という看板が立て掛けられた部屋の中に入ったフェルヌス。

彼女はそこである人物と出会った。


“『実は大魔王である君に、折り入って頼みがある。』”


それがライファ領領主であるバゼルドーラがフェルヌスに放った第一声であった。

彼とギルドマスターのモールテスからの話された内容は、今回発覚した事件の説明とその解決の為の情報共有及び協力要請といったものであった。

今回の事件についてはアルク達の為に元から受けるつもりであったので、情報を貰えるのはありがたかったのだが、Bランクであるとは言え、何故一人の冒険者である私が彼らから直接話を受けることとなっているのか。

その理由としては先程の発言から分かる通り、ライファ領の領主は既に私が大魔王である事を知っていたからだという。

どうやらモールテスから事前に話を聞いていたようで、私が彼に視線を向けると、涼しい顔をしていたが、緊張からなのか、顔面各所に冷や汗を流しているのが見える。


“『貴方に言われるまでもなく、私は今回の件には首を突っ込むつもりでいた。だから詳しい情報を貰えるのはありがたいのだが、いったい私に何をさせるつもりだ。』”


私が大魔王であることが既に知られていることから、態々下手に出る必要性を感じなかった私は、目を細めてあえて普通に―――聞くものによっては高圧的に―――問いかけた。

私の問いを聞いた領主は冷や汗を流しながらも、これから行う作戦の内容を語りだす。


“『現在地下水道の手前には、これから突入する予定の数多くの冒険者と、その周辺を警戒する私の私兵団を配備させている。先に地下水道内へ先行偵察を行ってもらっている冒険者達と、彼らと共に調査の為に向かった魔法学者が戻り、調査結果が判明し次第、地下水道に突入するという手筈となっている。』”


領主はそこまで話した後、気分を落ち着けるためなのか、テーブルに置いてあるティーカップを持ち上げ、中に入っていた紅茶で乾いていた口の中を潤し、それから再び口を開く。


“『君には本格的に突入する冒険者達と共に、地下水道に突入してほしい。そしてその際、君は遊撃部隊の役割を持って行動してほしい』”


“『遊撃部隊?』”


私の返事に頷く領主。


“『ああ、そうだ。君の力はこの町―――――否、この国にいる誰よりも圧倒的と呼べる程強い。そんな君を他の冒険者達と一緒に行動させた場合、君の行動が制限されて自由に動けなくなるのではないかと私達は考えた。それは事件の早期解決を考えると悪手にしかならん。』”


“『だから遊撃部隊として自由に動ける立場を与えると?』”


“『その通りだ。加えて、現場の指揮官には君に独自行動の権限を与えていることも伝えてある。もしもの時には個人の判断で動いてもらって構わない。』”


・・・・・・私が大魔王である事を知りながら、随分と思い切った事をする領主である。

本来彼らと敵対する立場の筈の私にそこまでの権限を与えるなんて、裏切られるとは思わないのだろうか?


“『我々が貴方にそこまでの権限を与えることが、そんなに不思議ですかな?』”


どうやら内心の疑問が表情にまで出ていたようで、それをモールテスに読み取られたようだ。

流石はギルドマスターと言うべきか。年の功と言うべきか。

隠すつもりもなかったので素直にその質問に答える。


“『ああ、不思議に思うな。何せ私は大魔王だぞ。今こうして貴方達の話を聞き、指示を聞く姿勢を見せてはいるが、それでも何かの拍子にお前達を裏切るとは思わなかったのか?』”


私の言葉を聞いたモールテスは目を見開き、何故かすぐに肩を竦めた。


“『貴女の力は途轍(とてつ)もなく強大です。そんな貴女が本気になってこの町を、そして我々を殺そうとすれば、おそらく半日も経たずに滅ぼされることでしょう。しかし、貴女はこの町に来てから今までそのような事をする素振り(そぶり)を見せなかった。やろうと思えば出来た筈なのに。』”


モールテスは苦笑しながら話を続ける。


“『それなのに、そんなことが出来る貴女は、この町を滅ぼそうとするのではなく、逆に救おうとする行動を取った。あの悪魔が召喚された事件の時も、正直に言えば、まさか召喚された悪魔を倒してこの町を救ってくれるなんて!?・・・と思わず立ったまま気絶してしまうほど驚いたものです。』”


わざと大げさに驚くような表情を見せるモールテス。


“『そしてそれ以降の君の行動について、そこのモールテスと私の子飼いの諜報部隊に調査させていた。そして彼らからの報告を聞いた私は、君が周囲の者達に無闇矢鱈と力を振り回すような人物ではないことを知った。』”


領主は咳払いを行った後、私に向けて微笑む。


“『それに何より、あの馬鹿貴族共をメッタメタにしてくれた件だ。確かにあの事件の発端こそ君の存在であり、行動であった。だがしかし、それでも私の納めるこのライファ領に攻め入るなんて、馬鹿で愚かな事を選択した他地方の貴族共の頭の悪さには思わず反吐が出る程だった!君のしでかした事以上に本気で頭に来たのだよ!あの時はモールテスに止められたが、当時の私は本気でアイツらを根絶やしにしてくれようかと怒り狂っていた程だったからな。』”


当時の状況を思い出したのか、目を怒りに滾らせて歯をむき出しにしながら、強く拳を握り締めている領主。

私は彼の憤慨している様子を見て、思わず目を逸らした。

その事件の当事者であり、発端であり、加害者であった私にとって、彼の本音と呼べるその内容は耳に痛い話であった。


“『だが、そんな馬鹿どものプライドも、地位も、全て君が完膚なきまでにぶっ潰してくれた。その報告を部下達から聞いた時、私は思わず拳を振り上げて雄叫びを上げてしまったほどだよ。』”


「ハッハッハッハッ!」と朗らかに笑う領主。


その様を見て思わず頬を引き攣らせる私。

視線を横にずらせば、彼の後ろに控えているモールテスも片目に掛けているモノクルを掛け直しながら口元が引き攣っている様子が見える。


“『まあ、だからと言う訳ではないが、君の為人(ひととなり)を見て、我々は君を信用してみようかと考えたのだ。』”


話を聞いている限りでは筋は通っている様に感じられ、特に嘘を言っている様子も見られない。

貴族と言う立場やその特性を考えれば、腹の内では何か別の事も考えている可能性はある。

おそらくそれは彼にとって何かしらの利益になるようなことだとは思うが、現段階では気にすることではないと思う。

正直に言って、私は自分の頭の出来がいい方ではないと思っており、複雑な事を考えることは面倒臭く感じる。

もしも彼らに裏切られた時は、その時はその時と考えればいいだろう。


“『分かった。その話を受けよう。ただし、個人的な要件が急に発生した時はそちらを優先させてもらう。』”


“『うむ。それで構わない。我々には君を止める力は無いからな。君の思うとおりに動くといい。』”


私が依頼の件を了承することを伝えると、バゼルドーラは頷き、手を差し伸ばしてきた。

どうやら握手を求めているようであり、私はそれに応え、彼と握手を交わしたのだった。






あの時の領主達との話を思い出して、私は思い出し笑いをしてしまった。

何というべきなのか。あの領主は随分と直情型の性格をしているものだと感じた。

ああいうタイプの人間は人の好き嫌いがハッキリしている分、一度懐に入れた人物には甘い傾向にある。

しかも、彼の場合は勘も鋭いようだ。

【鑑定】の《ステータス閲覧》で彼の保有スキルを見てみたら【直感】スキルが8レベルとこの世界の人間にしては異常に高い数値であった。

おそらく今までも、様々なトラブルに巻き込まれた時も、その高い直感力で物事を解決してきたのだろうと思う。


「おい!先行偵察隊が帰って来たぞ!」


そうして物思いに耽っていると、地下水道の入り口辺りがざわつき始めた。

先程聞こえた声から、どうやら先行していた冒険者達が帰ってきたようである。


「さて、指示を受けるにしても、独自行動するにしても、まずは情報を仕入れなきゃね。」


そう零しながら、私はざわつきの下へと向かうのであった。






井戸から地下水道へと侵入したアルク達は、周囲を警戒しながら慎重に道を進んでいた。

地下水道の中は光が届くことのない真っ暗闇の世界。

ザーッ、と水道を流れていく水の音や、ピチョン、ピチョン、と天井から滴り落ちる水滴の音が聞こえはするも明かりがなければその姿形すら見えない程であった。

真っ暗闇の中で必要な視界確保の為の明かりはマルシャルが孤児院から持ってきた松明を使用し、この中で一番背が高いマルシャルがそれを持って周囲を照らすことで広範囲の視界の確保を行っていた。

彼らが歩いている道の真ん中には深い窪地となっていて、そこを山脈から来た水が流れており、現在アルク達はその窪地の両脇にある道の内の片方を歩いていた。

アルク達の手には何時魔物に襲われても反撃できるように武器が握られている。

アルクは鈍く黒光りする木刀を、クーリィは少し赤みを帯びた木刀を、マルシャルは自身が愛用するメイスを装備していた。

また両脇の道の幅が狭いこともあって、彼らは縦に隊列を組み、先頭にアルク、真ん中をクーリィ、最後尾をマルシャルという順番で進んでいた。


「「「キュルルルルル!」」」


「「「ギィ!ギギギィ!」」」


そして警戒しながら地下水道内を進んでいたアルク達の耳に、獣の鳴き声が聞こえてきた。

それは周囲の壁を反響させながらではあったが、それでもその鳴き声が自分達が進もうとしていた正面の方向から来たものであることは分かった。


「来るよ!」


「うん!修行の成果を見せてやるんだから!」


「二人共。無理をしない様にしてくださいね!」


アルク達が武器を構えると同時に、何も見えない真っ暗闇である正面の道から複数の魔物達が襲い掛かって来た。


「「「キュリィィィィッ!!」」」


「「「ギギィィィィッ!!」」」


襲い掛かって来たのはラットマン三体、ゴブリン三体の計六体の魔物達。

魔物達はそれぞれ手持ちの武器を振り上げながらアルク達へと飛び掛かって来た。


「キュイッ!キュリィィ!」


「ふっ!せぇい!」


魔物達の中で先頭を走って来ていたラットマンの一体は、隊列を組んでいたアルク達の中で一番先頭にいたアルクに向かって、鋭く伸びた爪を振りかぶって襲い掛かった。

正面から飛び掛かってくるラットマンに対し、アルクはその攻撃を一歩前に踏み込みながらしゃがみ込む。

それによってアルクに対して振るわれたラットマンの爪は、彼の頭上を薙ぐ形で空ぶった。

ラットマンの爪がアルクの頭上を素通りした後、アルクは手に持っていた木刀を振り上げてラットマンの腹部を強かに打ち上げる。


「ギュピィッ!?」


木刀によって体が宙に浮かびながら九の字に折れ曲がるラットマン。

アルクはラットマンが怯んで体勢を崩したその隙を逃さず、今度は半歩分体を引き、木刀を振り上げ、宙を泳いでいたラットマンの脳天へと振り下ろした。


「ハァッ!!」


「ギュッ!?・・・キュ、ルゥ・・・・・・・」


木刀の一撃を後頭部に受けたラットマンは、その一撃によって頭部を陥没させられ、地面に叩き付けられて絶命した。


「ギィィィィ!!」


「くっ!?」


初撃でラットマンを一体倒したアルクであったが、一息つく暇もなく続いて襲い掛かって来たのは、先程倒したラットマンの後ろに控えていたゴブリンの一体であった。

ゴブリンはアルクから見て斜め前から襲い掛かって来た。

アルクの今の態勢は先程のラットマンに一撃を加えて木刀を振り下ろしている状態であり、それを攻撃の好機だと捉えたようであった。

アルクが確認できたゴブリンの装備は、右手に錆付いたナイフを、左手は無手のまま。


「ギィアッ!」


ゴブリンは手に持っていた錆付いた短剣をアルクの顔へと向けて突き出される。


「―――!えぇい!」


だが、そう簡単に食らって堪るかと、アルクは自身へ突き出された短剣の攻撃を、振り下ろしていた木刀を振り上げて、短剣が向かってくる軌道を逸らす。

短剣の攻撃を逸らした後、右手で握り拳を作ってゴブリンの顔面に裏拳を食らわせた。


「グピュッ!?」


ゴブリンはアルクの裏拳を顔面で受けて怯み、仰け反った体勢になる。

勿論その隙をアルクは見逃さず、すぐにゴブリンへ追撃を行う。


「はあ!」――《一点突き》――


木刀の剣先をゴブリンに向け、戦技《一点突き》を発動させ、ゴブリンの喉元へと突きの一撃を放つ


「ゲェェッ!?」


木刀の突きを喉に食らったゴブリンは、気道を潰され、首の骨を折られ、その体は後方にいる他の魔物の元へと吹き飛んでいく。

吹き飛んだ先には回りこんで挟み撃ちをしようとして、向こう岸の道へ渡っていたラットマン二体がいた。


「キュッ!?」


「キュガッ!?」


ラットマンたちは自分達の元にゴブリンが飛んできた事に驚き、しかし反応する前にぶつかり、諸共に壁に叩き付けられる。


「こっちは私に任せて!」


そう言いながら、壁に叩き付けられたラットマンに向かって飛び掛かるクーリィ。


「オォリャァッ!」――《パワーシュート》――


「キュプガッ!?」


彼女は向こう岸にいるラットマン二体の内の片方の頭に、《パワーシュート》を発動させ、戦技が加えられたとび蹴りを食らわせる。


「キュル!?キュリィッ!」


もう片方のラットマンは相方が攻撃されたことに気付いて驚くが、しかしすぐに気を取り直して攻撃してきたクーリィへと鋭い爪を振るう。

だが、その爪がクーリィに当たることはなかった。

クーリィはラットマンにとび蹴りを加えた後、その体を蹴って後方に飛びのいたからだ。


「ハッ!ヤッ!」


「キュブッ!?ギィッ・・・!?」


ラットマンの爪攻撃を回避したクーリィは、地面に着地してすぐにラットマンに向かって跳躍。

木刀を横薙ぎに振るってラットマンの腹部を強打し、続いて体を回転させつつラットマンの後ろへ回り込み、跳び上がってその後頭部を強打する。

クーリィの一撃を受けたラットマンは、後頭部から血を拭き出し、白目をむきながら地面に倒れ込んだ。


「キュリィアァ!!」


そこへ、先程クーリィに蹴られて体を仰け反らせ、怯んでいたもう片方のラットマンがクーリィへと襲い掛かった。

トドメの一撃の為に跳び上がっていたクーリィは、未だその体を宙に泳がせており、満足に体勢を整えられる状況でも、回避が出来る状況でもなかった。


「させるかぁっ!」


「キュビィィッ・・・!?」


クーリィがそのままラットマンが振り被る爪の餌食になってしまうというところで、アルクがラットマンへ向かって向こう岸から跳躍。横合いからラットマンの首を狙って木刀を振り下ろす。

予想外の方向からの攻撃を受けたラットマンは、アルクの木刀の一撃によって首の骨を折られ、その体を壁に激突させた。


「油断しないで!クーリィ!」


「ごめん、アルク兄ぃ。ありがと!」


アルクはクーリィに注意するように言い、クーリィもアルクに謝りながらも感謝の返事を返す。

これまでの戦いでラットマンを三体、ゴブリンを一体撃破していたアルク達。

残りはゴブリンが二体であり、すぐに魔物達の姿を視界に入れようとしたアルクとクーリィであったが、気付いた時にはもう戦闘を行う必要はなくなっていた。


「ふうっ!」


「ギャガァッ!?」


「ふんっ!」


「グペェッ・・・!?」


アルク達がまだゴブリン達が残っている筈の向こう岸の方向に視線を向けると、そこには軽快にメイスを振るっているマルシャルいた。

ブオンッ、ブオンッ!と勢いよく振るわれるメイスの一撃は、的確にゴブリン達の頭を捉えており、一度も外すことなく、グシャリ、グシャリ、ゴブリン達の頭を続けざまに砕いていた。


「ふう。・・・どうやら腕は鈍っていないようですね。しばらく実戦から離れていたので、まだまともに戦えるか不安でしたが、これなら問題ないですね。」


「「・・・・・・・・・」」


ゴブリン達の頭を潰した際に飛び散った血を頬に付けながら、にこやかに話し掛けてくるマルシャル。

先程の光景を見たアルク達は思わず顔を青褪めていた。

音からして相当重そうなメイスを片手で軽々と持ち、ステッキを振るかのように振り回してゴブリン達を即死させたその腕前は相当なモノだと感じられた。

彼女が語っていた昔は冒険者として活躍していたという話は本当だったのかと驚くアルク達。

だが、それ以上にゴブリン達を殺しておいて、その血を頬に付けながら微笑んでいる姿に、昔もこんな風に笑いながら魔物を殺していっていたのかと、言葉にできない薄ら寒い思い恐怖を感じるアルク達。


「・・・おや?どうしました?」


彼らの様子に気付いたマルシャルが声を掛ける。


「な、何でもないです!それよりも先を急ぎましょう!」


「そ、そうだね!院長先生。早く行こう!」


アルクとクーリィは、マルシャルに話し掛けられたことに思わず体をビクつかせながら、先程自分達がしていた恐ろしい想像を振り払うように、マルシャルに悟らせない様に、先へと進もうとマルシャルに促す。


「・・・え?ええ、そうですね。」


マルシャルは二人のその様子を不思議に思いながらも、彼らに促されるままに先へと進むことを再開するのであった。





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