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花の記憶  作者: らた
〜鳥兜〜
1/1

蘭蕉の記憶

何も覚えていない。


自分のことなのに、何もわからない。


それは、とても怖くて、生きているのかもわからなくなってしまうことだ。


俺は今、自分がどのような人物で、何をし、生きてきたこれまでを覚えていない。かすかに、記憶を感じることができる。


今、どこかの病院のベットにいるのだろうか。

ベットの横には、花が置いてある。

窓から、見える景色は、桜が外に咲いており、とても綺麗だ。春の訪れを感じる。


なんだか、景色さえも久しぶりに見たような気がする


すこし、長く寝ていたのか、頭がクラクラすしてきた


すこし時間が経つと、扉が開く音がした。


入ってきた人は、二十代のとても可愛らしい女性だ、俺は、なんだか、彼女を見た時、頭が鈍器で殴られるような感じがした。


頬を水が垂れている感触がし、俺は泣いていることがわかった、けれど、自分がなぜないているのかがわからない。


とても怖い。何か忘れてはいけないものが、忘れてしまっているようで。


彼女も泣いていた。そのまま、俺が寝ている、ベットまで来て、泣いている。


俺はとても、彼女を抱きしめたいけれども、それはできなかった。


俺は寝ている時に、長い夢を見ていたような気がする。目が覚めたような、起きた今でも、まだ夢のようだ。


すこし、夢の話をしよう。


夢の中での、俺の話を。


俺の名前は、浦松 楓芽〝うらまつ ふうが〟


俺は、家庭環境が、あまり良くなかった。

むしろ、全然悪い方だ。


親は、家に帰ってくるたびに、俺に暴行を加えた、それも、手加減なしに、何回も何回も、顔など関係なく、手加減もなしに。何回も…


ろくに食べ物も食べさせてもらっていない、皆んなが食べたことのあるものでさえ。味がどんなのかすら想像すらできない。


俺は、虐待に関しては、何も思っていない。物心着いた頃から、殴られ続けたからだ。俺は、それ以外の生活を知らない。


俺は、そんな日々を送っていた。

家庭環境も悪いせいか、学校では、友達もいなかった。 自分のせいでもあるのかわからない。


今日も、学校に行かなくてはならない。

何も変わらない日常。ただそれだけが今日も過ぎて行くのだと思っていた。


学校へ、着いた。俺の上履きだけは、濡れていた。

たまに、花も生えている。


俺が、教室に入るだけで、クラスが一瞬静かになる。


俺の席は、窓側で、一番後ろの席だ。


机には、色々な文字やごみがのっている。


いつものことだから、気にしないがいじめる原因がわからない。俺が貧乏だからか?家庭環境が悪いからか?…そんなものは、俺だって望んだものじゃない。


そんなことを考えているから、いつまでたってもいじめる側の人の気持ちがわからないのだろう。


ホームルームが始まる。


担任から、話があるという。何事かと思ったけど、転校生が来るらしい。


俺には縁のない話だ。


入ってきた人は、女性でとても可愛らしい女の人だ、俺みたいなやつには縁のなさそうな。


担任が、彼女を紹介し出した。


「埼玉県から、引っ越してきた、立花かんなさんだ、みんな、今日から仲良くしてやってくれ。」


そう担任がいい終わり、男子たちも、女子たちも、みんな彼女に興味がありそうだ。




席は、俺の隣だ。




ホームルームが終わってからは、すぐさま人が集まってきた。



彼女は、俺から見ても凄く美人だ。

男子からも、女子からも囲まれており、

俺とは正反対だ。


昔から俺は、人の感情を読み取るのができてしまう。とくに、嫌悪や怒りなどの気持ちがな。


俺が横なんかにいると、転校生と喋りにくいからか、俺はみんなからの怒りの視線を向けられていた……だから俺は抜け出してきた。


俺は、教室が居づらく、いつも屋上で時間を潰している。幸い階段を一つ登れば、屋上があり、すぐに行ける…。


「なんでだろう………」


俺はふと声を出してしまった。


もし、親が普通の親だったら、暴力を振るわず、暴言も吐かなかったら、学校でも虐められなかったら、普通の高校生として、生きていたのなら、そう思うだけ

心が楽になる……けれども、その分現実に戻ると、余計に悲しくなる。


そんなことを考えるだけ無駄だとわかっていても、考えずにはいられない。


― ガチャ―


後ろの扉が開いた音がした。

誰がきたかと思い、振り返ると

立花だった。


俺は驚いたが、俺に会いに来るわけがないと思い、なんとも思わなかった。


だんだん足音が近づいて来る。


「ふうが君だよね…?」


俺は、名前を呼ばれるのが久しぶりすぎて、一瞬戸惑ったが、すぐに振り向いた。


「なんで、俺の名前を知ってるんだ?」


俺は、とても不思議だった、どこかで会ったことでもあったのか…


「さっき席順名簿で名前を見たから、席が隣だったし、よろしくね…?」


「俺には関わらない方がいいぞ。ろくなことがない。」


俺はつい声が出てしまった。

俺に関わっても、いいことがあるわけでもない。

逆に悪い方が多いと思う。



彼女は何か言いたげにしていたが、チャイムがなり、クラスに戻ってしまった。


学校が終わり俺は、一人クラスに残っていた。

みんなが帰り終わったら、毎日学校の花や木を見ている、学校の隣にはすぐ、林があり、花なども咲いている。家に居たくないがために、時間を潰している。


俺は自然があまり好きではない。

自由に咲き、自由に枯れていく、そんなに自由に生きていけるのに嫉妬をしている。


「また、お前か、俺には関わらない方がいい」


俺はそう言って後ろを振り向いた。

立花が後ろには居た。


「なんで、そんなに拒絶するの?」

立花が少し、切ない声で言った。



〝俺に関わって、何があるんだ。〟


そうだ、親もろくでもない、学校ではいじめられている、こんな奴に関わる意味なんて…

それがなぜ、人と関わっていけない理由になるのか、俺は俺自身で、仕切りを作ってた。
















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