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花花散り行き



幸せだった頃の話をしよう

あれは今から何年か前

家族がいて子供も居り

何も知らずに眠りました


本当にあのときは幸せだったな


今はもうなくなった

希望に満ち溢れた過去



そんなとある日

誰かが訪ねてきて扉を開けたら黒い拳銃

皆殺され私は捕まる


何かを身体に埋め込まれて私はもう人じゃなくなった

研究者はすでにおらず

私は赤に、赤に染まった


そして絶望した私は一人の少女と出会う

彼女は言う 彼女は云う

あなたをひとりにはしない



そんな彼女が地に堕ちて一人で泣いていた頃

私たちの息子があいつに連れていかれた

黒に呑まれた



また家族を失ってしまうと思うとどうしても眠れなくて

彼(子)を喰べた


ああこんなはずじゃなかったのに

なんでなんで、なんで

無意識まで花に染まった


幸せになろうと思うことが間違いだったのだ


私は 私は

きっと私は

幸せとは縁のない、運のない人喰花なのだろう。


半分残した息子はきっと俺を恨むだろう


もうそれでいい

もうそれでいいんだ


もう考えることを(幸せになることを)放棄しよう


これで、いいんだろう?


…仕方ない


花として作り替えられてしまった故の運命なのだから



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