7
いい機会だと悠は思っていた。誰も知らない人たちの中で、一から始めよう。もう似合わないなんで言わせない。完璧なお姫様になると。
ふと目を覚ますと、窓の外は見慣れない風景でした。ここはどこだろうと辺りを見回します。聞こえてきたアナウンスは、両親が降りるよう指定した駅の名前でした。私はバックを抱え、電車を降ります。改札口を抜けるとそこには両親の姿がありました。
「お父さん、お母さん、ただいま帰りました」
「おかえりなさい。悠」
「おかえり」
両親は笑顔で私を迎え入れてくれます。懐かしい顔です。私になかにはもう、夢の名残はありませんでした。
夢で見た幼い日々。
記憶の底にしまい込んでいた日々。
あの頃の私はもういない。
お姫様を夢見る前の私。
負けず嫌いで、喧嘩っ早かった私。
本当は隠れているだけで、私の中にいるのだけれども。
いないふりをしている本当の私。
Fin
シンデレラの続きを書くにあたり、この話が合った方がいいかなと思い書くことにしました。
ノリと勢いで生まれた作品です。
自分でもツッコミを入れる内容です。
番長と女番長って……。
この話はなぜ、悠は喧嘩が強いのかと言うことと、何があってお姫様になろうとしたかって話です。
人の名前を考えるのが大変で、悠の他に一人しか名前が出てきません。
彼、また、どこかで出せたらいいですね……。
なにはともあれ、最後までお付き合いいただきありがとうございました。