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子犬、拾ってしまいました。

そして10年後ーーーーー……


小さかった私は今や高校一年生になりました。あの頃お世話をしてくれてた祖母は去年他界。5つ上の兄は生活費を稼ごうと頑張っているのでほぼ家にはいない 。だから基本的に私は一人暮らしだ。特に寂しくはない。


だが最近私には悩みがある。 それは... 登校中や下校途中など外へ外出すると後ろから付けられている感がするのだ。そのことを友達の梨穂に相談すると


「あんたの思い違いじゃないの?」


という答えが帰ってきたので特に頼りになりそうにない。まぁ別に直接被害にはあってないから別にいいのだが。


学校が終わり部活に入っていない私は即下校。学校まで徒歩20分の我が家に帰る。 そこで私は異変に気付いた。後ろから尾行されてる感がない。どうやら、ストーカーさんは尾行するのを止めたらしい。最高だ。 ちょっとテンションが上がり、軽い足取りで家に帰る。しかし………


「くぅ~ん」


「………」


何故、私の家の前に犬が捨ててあるのだ。しかも、みかんの段ボールに入れて!! 誰だよ!!動物愛護管理法守らないやつ!!! ちょっと落ち着こう…… この子犬どうしようか…… 私は子犬をじっとみる。すると子犬も私をじっと見返してきた。


「優……」(ゆう……)


ボソッと自分の口から出た懐かしい名前に驚きはっと口をつぐむ。


「くぅん!」


嬉しそうな声が子犬の口から発せられる。 … ゆうっていう名前気に入ったのかな?


「ひとまず、家に入ろう…」


もう春とはいえ、ちょっと肌寒い。段ボールに入ってる子犬を抱え家に入る。そして段ボールも家に持ってきて段ボールの中に子犬を入れる。


よし、ひとまずご飯食べてお風呂に入ろう。 私はご飯の準備を始めた。子犬は段ボールの中で静かに私がご飯を作り終えるのを待っているようだ。


トントントントン……ジュージュー……


私は料理する際に出る擬音を口にしながら料理を完成させた。一人暮らしを長いこと続けている私にとって、料理は得意なものの一つだ。 今日のご飯は野菜と肉を適当に炒め、簡単に味付けをしたもの。子犬にはミルクだ。


◇◇◇◇


約20分かけて私はご飯を食べきった。子犬も丁度食べ終わったみたいだ。 私は片付けをして、風呂に入る準備をする。子犬もめっちゃという訳ではないが汚れているので一緒に風呂に入らせよう。


「えっと……着替え……あ、あった!!」


私はパジャマや下着やらを取りだし脱衣所へ子犬を抱えて向かった。 服を脱ぎ、風呂場へ子犬と共に入る。体、頭を洗い湯船へと浸かる。


「はぁ~…」


思わず溜め息が出る。ちょっと疲れを癒したあと、子犬を洗おうと湯船から出る。 私の足にすりよってくる子犬。


可愛い……


子犬を洗面器に入れ、石鹸を泡立て洗い始める。子犬は気持ち良さそうに目をつぶっている。 泡を流し、お湯を入れ換えた洗面器に子犬を浸からせる。

子犬はお湯から頭だけをだして洗面器のふちにチョコンと出した頭を乗せている。


めっちゃ萌える!!


ずっと見ていたかったがちょっと逆上せてきたのであがることにした。 子犬を洗面器からだし、バスタオルで優しく拭いてあける。拭き終わったあと、子犬は体をブルブルと震わせた。 続いて私も脱衣所にでてバスタオルで拭き、着替えた。 そのあとは腰ほどまである髪をしっかりとドライヤーで乾かし、子犬もしっかりと乾かした。その間子犬はじっとしていた。


こいつ、賢いな…


幸い明日は休日だ。もう、寝てしまおう……


私はベッドに寝そべり、布団を被る。子犬は布団とベッドの間に潜り込み私の隣にきた。

ほのかに感じる温もりを噛みしめながらも私は深い眠りについた。

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