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プロローグ的なもの。過去。
「ねーねーおばあちゃん。この犬、飼ってもいい~?」
これは私が小さい頃、両親を事故で亡くした私と兄を育てていてくれた祖母に対しての言葉である。
この頃から動物が好きだった私は捨て犬や野良猫を見るとすぐに
「飼ってもいい?」
と祖母に聞いていた。に
そんな私の言葉に祖母は決まってこう言うのであった。
「駄目で。そんな捨て犬とかを拾ったら。」
「え~なんで?」
祖母はちょっと真剣な顔つきになり
「捨て犬とかにはな死んだら妖怪となって出てくるやつもおるんや。妖怪に取り憑かれたらもう取り返しがつかんので。」
「!怖いね…うん!可哀想だけどもう拾わないようにする!」
「そうしんさい。さぁ帰るで」
「うん!」
しかし、一度だけ祖母に隠れて兄と一緒に飼っていた頃がある。
だが、その子はもともと体が弱かったのかすぐに天国へ旅立っていった。
この時私はものすごく泣いたことを覚えている。