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チートを求めるのは日本人の性(サガ)らしい

「そんなワケで各人にある程度制約はありますが、3つのスキルないし能力を差し上げます。んまぁそうですね…やっぱり日本人は、王道を征く、チート系ですかね?」

「日本人ってやっぱりそういう風に見られてるのか…」


 言っちゃアレだけど、ケータイ小説が数十万と蔓延ってる…蔓延ってるは言い方悪いかもしれんけど、ともかくその影響というか『異世界転移小説』とか『異世界転生小説』とかの知識が無駄にある上に、ゲームなんかでも剣と魔法が溢れてるからなぁ…。

 でも普通に思うのは、どうして異世界転生だの転移だのする人間の大半がイケメンで熱血漢で仲間想いなんだろうな? 見ろよこの俺の顔面偏差値をよぉ! 36…普通だな!って学生時代にゲスそうな顔のヤツから言われた事あるぐらい普通だぞ!


「多いというかやっぱりそういうのを求めたがりますよね。とはいえ、まずは素体の能力を確認してからじゃないと、どのくらいのチートを付与していいのかの判断に困りますので、まずはこちらの『ありきたり過ぎて壊される確率が非常に高い水晶』に手を触れてください」

「神の世界でも計測器みたいなのはそういう認識になってるのか…?」

「今まで日本人が数人程ひっかかゲフンゲフン魔法陣に乗ってこちらに来た事がありますが、全員張り切って水晶をぶっ壊してやろうと息巻いてましたからね…。勘違いしてるようですが、ああいうのは転生ないし転移した後にやるイベントだと書かれていると思うんですけどねぇ」

「何人か来てるのか…」

「ただまぁ基礎能力が基準に全くと言っていい程達してなかったので、ここに来た記憶を消して、魔法陣も消して地球にお戻りいただきましたが」

「……世知辛い……」

「ふむ、これが社会からの淘汰ってヤツだね! ボク学んだよ!」


 ……まぁ基準に到達しないとダメってのは確かに世知辛いけど、兄ちゃんそこから学んでほしくはなかったかなぁ……

 俺も基準に到達しなければ地球に返してもらえる……可能性は低そうだなぁ……。なんせ『これでノルマ達成』とか言ってたからなぁこの女神。でも俺色々成績平均なんだけど基準超えるのか?


「ではそちらのお二人からどうぞ! あぁ、基礎能力が低いかもなんて心配はご無用ですよ! 逃さないように魔法陣が起動した時点でこちら側で基準を組んだ上でお三方がそれを通過してますから、絶対地球ではないあちらの世界にお送り出来る能力に間違いありませんので!」


 あぁもう逃れられない!


「……どういう風に表示されるの……?」

「あ、ご説明してなかったですね! 基本的には


HPヒットポイント

MPマジックポイント

『ATK(アタック:筋力)』

『DEF(ディフェンス:耐久力)』

『INT(インテリジェンス:知力)』

『DEX(デクステリティ:器用さ)』

『AGI(アジリティ:敏捷さ)』


という項目に分かれます。ゲームなんかでお馴染みのステータスなので、大体どういう事なのかは把握出来るかと思います。そしてお三方をお送りする世界において、大体平均的なステータスというのが


HP :100

MP :20

ATK:30

DEF:20

INT:10

DEX:15

AGI:15


という風になります。文明が地球より若干遅れているというのもありますし、魔法というものを全員が全員使えるワケではありませんので、ATKよりになるのはご愛敬という事で一つ納得を」


 そこそこゲームに触れた俺からしても、これが高いのか低いのか判断に困るところだなぁ。まぁ剣ぶん回すんだから筋力はあって然るべきというか。とはいえ平均を取ってなおそこまで突出した能力にはなってないんだな…。


「……これに触ればいいの……?」

「あ、はいそうです。特に『むむむ』だの力を込めるような動作は必要ありません! 触れれば判別する、と言っても聞いてくれない人が多いんですけどねぇ…」


 壊したがり多過ぎィ!

 …と、中空にブオンとディスプレイみたいなのが浮かんだかと思えば、次々と葉月のステータスが表示され……る?


HP :15850

MP :9500

ATK:4300

DEF:5400

INT:5000

DEX:8600

AGI:3500


「……おぉ、平均以上……むふんっ」

「……設定した桁を一つ越えてるんですが、あなたの妹さんは…え~と、オリンピックの日本代表か何かですか?」

「手先が結構器用で足がそんなに速くないだけの、ごく普通の日本人女性だと思ってたんだけど」


 料理とか裁縫とか得意だから器用さが高いのはわかるんだけど…平均の何百倍だよって話よな。


 ……ん? ちょっと待て。間違いなくインドア系の葉月でこのステータス、双子の片割れでアウトドア系黒魔術女子たる睦月は……


「じゃー次はボクだねー。はい、ターッチ! いぇい!」

「ちょ、ちょっと! まだ混乱冷めやらぬ状態で次を見なければならないのですか?!」


 激流を制するはなんちゃらなり、流れに身を任せどうかすべきだ。現実逃避とも言う。


HP :35500

MP :19200

ATK:4200

DEF:3500

INT:9300

DEX:3700

AGI:5400


「ボクも結構ゲームやる方だけど、タンクなんだか遠隔火力職なのか判断に困るステだね!」

「現状だとタンク並のHP、遠隔火力職並のMPとINT…これもうわかんねえな」

「えっ……怖っ! なに…この…怖っ!!」



 女神様の語彙力がごそっと削られてんだけど、まぁ平均提示した後に二人がこれじゃあなぁ…。

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