表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/22

転生

しばらく説明や確認が続くと思いますが、よろしくお願いします。

 目が覚めると絹のような服の感触と綺麗な木目の天井が目に入った。


(転生……したのか?)


 誠一は今の状況を確認するために、横になっていたベットから体を起こし、隣にあった窓から外を見た。


 すると視界いっぱいに広がる大樹の数々と、開けた上空にはこれでもかと言うように輝く太陽。地面の高さから、ここが建物の二階であることが分かった。


(どうやら森の中みたいだな)


 外の確認をした後、部屋の中を見回すと木製の机や棚、姿見を見つけた。


(まずは今の姿を見るとするか)


 ベットから降り姿見の前に立つとそこに居たのは、


「な!?」


 儚げな雰囲気が漂う絶世の美少女だった。


「何じゃこりゃあぁぁぁ!」


 凛とした声が部屋中に響き渡った。





 5分後、やっと落ち着いた誠一はもう一度自身の姿を確認していた。


 1m位の身長に腰まで伸びる艶やかな銀髪。美しく整えられた眉に、つぶらな瞳は左右で色が違い、輝かしい金色の右眼と透き通った蒼色の左眼。可愛らしい小さな鼻と口がついた極限まで整った少女のような顔立ちに、新雪のような純白の肌。今にも折れてしまいそうな体付きは、しっかりと見れば引き締まった筋肉で出来ていることが分かるだろう。


「どうしてこうなった……」


 ちなみに、彼の今の性別が男であることはすでに確認済みである。何がとは言わないが、ちゃんとあったのである。


 誠一は若干疲れた表情で、机の上に置かれた一通の手紙に手を伸ばした。実は最初に部屋を見回した時に手紙があるのは気づいていたのだが、自分の姿のほうが気になったので後回しにしていたのだ。


 手紙の差出人はミレディだった。内容は以下の通り。


『誠一さんへ


 この手紙を読んでいるということは、無事に転生できたみたいですね。わざわざ手紙を出した理由は、貴方に授けた力の説明をするためです。”やりたいことを不自由なくやれる”という事でしたが、最初から何でも出来てしまうのもつまらないと思ったので、私からは〈スキル簡易取得〉を授けました。効果はステータスから確認してくださいね。


 それから、貴方の今の体は私が一から作り上げた渾身の一品です。名前は勝手に付けさせて頂きましたが、これからは”シグルズ”と名乗って下さい。ちゃんと男性なので安心して下さいね。流石に0歳からやり直しだと出来る事もあまりないので、ある程度動ける5歳の状態にしておきました。あ、髪はいくら切ってもすぐに元に戻るので、諦めて下さいね。


 最後にこの世界での成人は15歳なんですが、貴方には成人までの10年間を私の知り合いのボールスと修行することをお勧めします。正直に言いますと、今のあなたのステータスはどんなに控えめに言っても異常です。その力を完全に制御できるようになってください。成人になってからの方が面倒な手続きをしないで済む事もあるので焦ることはありませんよ。


 私からお伝えすることはもうありませんが、いつか会いに来てくれる日を期待して待ってますね。


 ミレディより』


 手紙を読み終えた俺は、この姿にしたミレディに対して一つ決心した。


「次会ったら一発殴ってやる」


 誠一改めシグルズはため息をつきつつ、どこかにいるであろうボールスを探すため部屋を後にした。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ