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異世界でも自由気ままに  作者: 留季鴉
プロローグ
3/22

女神ミレディ

「行ってしまいましたか」


 誠一がミレイユに旅立った後、ミレディは彼の事を考えていた。


 本来なら転生者に対する説明はミレディの部下である天使達が行うのだが、今回は誠一が暮らしていた世界の神々と、最高神からの要望で彼女自ら説明を行ったのである。


 その要望というものが、「我々の世界では、彼を満足させる事ができなかった。彼ほどの人間をこのまま死なせたくないので、そちらの世界で楽しめるようにしてくれ」というものだった。最初に彼を見たとき、なぜ神々に好かれているのか分からなかったのだが、彼と話していくうちに彼に眠る可能性に気づくことができた。


 自分が死んだと分かっても取り乱すこともなく、力を与えると言っても強欲になる事がなかった。普通、力を与えると言ったときの反応はあれも欲しいこれも欲しいと、こちらの説明を聞かずに騒ぎ出す者が多い。それを、やりたいことができるようにしてほしいなどと言うとは思わなかった。もっとも、彼自身気づいていないだろうが、「やりたいと思ったことが、不自由なく出来るようにしてほしい」というのはとてつもない事なのだ。


 例えば、人生のほぼ全てを修行に費やした賢者と呼ばれる魔法使いがいたとしよう。その魔法使いがどれだけ研究しても修行しても使うことができない魔法を、誠一はやろうと思えば不自由なく、つまり自由に使うことができてしまうのだ。それも、使いたい放題である。これは魔法だけに限ったことではなく、戦闘や生産においても同じである。


 本来ならこのような力に肉体が耐えられず、授ける事はできない。しかし今回は神々からの要望もあったため、彼の転生後の肉体はミレディが一から作り上げた渾身の一品である。そのため初期ステータスでさえ長期間修行した一流と言われる戦士や魔法使い見れば「やってられるか!!」と叫んでしまう程である。最強と恐れられているドラゴンでさえ彼のレベルとステータスが少し上がれば、裸足で逃げ出すだろう。もっとも、ドラゴンは常に裸足なのだが。


 閑 話 休 題


 知らぬ間に最強の肉体と能力を手に入れてしまった誠一だが、ミレディは彼のこれからを思うと自然と笑みがこぼれていた。


「ふふ、彼の人生は賑やかになりそうですね」


 神々に愛され最強の力を手に入れた彼の幸せを再度願うと、ミレディは自分の仕事に戻っていった。


 彼女が去った後に残ったのは、ただただ白い空間だった。


次回から本編です。


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