バトルスーツテスト
いまいち自分でもパワードスーツと強化外骨格の意味と言うより、区別があまり理解できていないので教えてくれる方感想欄に書いていただけると助かります。
この世界観は2020年以降をイメージしているので、今のような現代に生きているミトさんはまた別です。
あの襲撃事件から3週間後。
ミトは警備が強化された研究所の正門を抜けていつもどおり、日給が日本円にして高くて1万円、安くて4000と微妙な賃金がもらえるお手伝いをやろうと門の正面の研究棟に足を踏み入れた。
彼も職がないのである。
最高100$もらえるだけ彼女にとってはおいしいのだ。
芝生が風にたなびく裏庭ではテーブルがある。上に自動小銃M16A3、56式小銃と狙撃銃には重機関銃の弾を使用するM82A1がある。そのほかにもM203グレネードランチャーや、M2重機関銃などさまざまな武器がある。
そして標的と思われる格好のよいパワードスーツ。分厚い装甲に角ばった形に日本のアニメーションにでてくるようなデザインだ。
ラフな格好のミトは口を開けて唖然とする。
「なにあれ・・・」
近くにいたフランカがミトの存在に気づいて「やっほー」と握手した。
「突然だけど耐久テストするから、バトルスーツに着替えて」
と本当に突然で「は?」と首をかしげたミト。理解できてない彼女にフランカは100$紙幣10枚をミトのポケットに突っ込ませて、
「今日のお駄賃。ほらやったやった」
「ああ、うん」
と言われるままにフランカから黒の無線機っぽい装置を手渡された。
「この中央の赤いボタン押してごらん?」
何気なくボタンを押したミト。
すると芝生下から白い光が生み出されて、ミトを包んだ30秒後に彼女の着ていた服とは一変し、銀装甲のバトルスーツに生まれ変わった。
「変身ベルトみたいなの?」
「そうそうそれ。バイクに乗って決めポーズして変身するアレ」
「ふ~ん・・・。便利ね」
ミトはフランカが日本のアニメに影響されていることにはわかった。
標的のパワードスーツの隣に立たされたミトに無線から「動かないでね」の一言言われて(とりあえず耐えればいいか・・)と割と余裕そうなミトの腹に衝撃が走った。
するとその数秒後、火薬の炸裂する音が響く。
バットで腹をぶん殴られたその痛み以上が痛感を通じて脳に伝わる。吹き飛ばされたミトは仰向けに倒れて胃液を口から漏らしていた。
(見えた!弾丸が!)
神経操作を使用して痛みを瞬時になくした後再び立ち上がる。
巨大な弾丸が当たったにも関わらず装甲に弾痕が一つもない。
(頑丈な装甲だなぁ)
『12.7mmには耐えられると・・。次は軽機関銃。右手を伸ばせばシールドが展開できるから』
ミトは右腕を伸ばして手を開いた。
透明感ある青色の楕円形が生み出され、ミトの正面から遠いく配置された機関銃の火が噴かれた。
霰のように飛翔した弾丸は火花を散らして弾かれる。
シールドを展開しているうちにミトの視力が次第に衰えて視界がぼやけ始めると「やめ」の一声に機関銃は停止。
『どうしたの?』
「目が悪くなった」
『え?』
「わからない。ただシールドを長く使うとね」
『わかった。シールドは中止。引き続き装甲耐久テストを・・・」
長い時間の銃弾による耐久テストを終えるとミトはラッキーストライクを口に、テーブルでノートパソコンで打ち込みをするフランカに
「あの変身はいらない。あとシールドもいらない」
と要求を始めた。
バトルスーツは専用車両に回収されたのミトの服装は黒いTシャツに長Gパン。
「突然どうしたのー」
「なんかね、疲労が蓄積されてるような気がする」
フランカは、
「まあ使うものに何か犠牲にしなきゃいけないけど、あんまりやるとミトちゃん死んじゃうから不必要なのは外しておくよ」
ミトは納得して口に溜めたタバコの煙を吐き出した。
直毛のポニーテールを揺らしながらあることをフランカに言う。
「強化外骨格とパワードスーツの違いって何?」
フランカは「あー」言いながらっと目を上に考えると、
「意味は一緒だと思うけど、何か元は小説からの語源なんだけどそこまでは知らない。ただアシストする意味ではパワードスーツで合ってると思うけど、まあ私もそこまでは知らないわ」
「あーそうだね・・ミトの隣にあるあのメカっぽいいパワードスーツ、着脱型・・。結構重いよ」
指差した方向に身体を向けて話を聴くミトは、あれが何でマトになってるかを尋ねるとフランカは缶ジュースを一口飲んだ後、
「さぁね。私が作ったわけじゃないけど、アフガニスタンで使うに目立つし運用し難くコストが高いのね。万能なのに。でも電動アクチュエーターのパワードスーツの方が兵士には丁度良いの。特に、山岳地帯とかはね・・・?」
「なるほどねー・・」
ミトは納得する。
「あとねー、私のは着るからいい」
「なんで、時間かかるよ」
注文の多いミトにお構いなしに了承していたフランカだがこのときだけニヤニヤしながら彼女の顔をのぞいていた。
ミトはそれから逃れるかのように顔を逸らす。
口をゆっくり開いて、
「気持ち良くなるからいらないって!」
と咥えたタバコを捨ててブーツで踏み躙った。
「はいはい」と手元のラークの紙タバコを加えながら彼女に言った。
「ねぇこれってアニメを参考にして作ったの?」
ミトの言葉にフランカは打っている手を止めて、
「そうだね。アニメとかを参考にしたけど・・・デザイン的にはスターウォーズのストームトルーパーを元にしたね」
「ふーん」
あまり興味なさそうに返していくミトに、
「まあどうせ、今後こいつが主流になるんだからミトちゃんにはしっかり慣れてもらわないと困るけど」
「犯罪組織相手に使うならいらないじゃん」
「以前の強化外骨格が襲いに来たでしょ?あれは自衛隊が作った披見体が奪ってわざわざここに来たのよ」
「ずいぶん知ってるねぇ・・・」
フランカの情報の豊富さに驚くミトは2本目のタバコを取り出そうと空っぽの箱に指を突っ込む。
「あなたの諜報組織が優秀すぎるからよ・・・。ま、日本の情報は余裕で取れるからこっちにとっては嬉しいけど・・。あれは強化外骨格用に作られた戦闘人間みたいなものよ。わざわざアメリカまで来たってことまではわかんないけど」
私はパワードなんとか相手に戦うんだろうと納得したミトだが、この先どうなるか彼女達はまだ知らない。