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2. エプロンの行方

活動報告のほうに載せていた小話その2です。

その1の続き、のようなもの。

 あの日、王城――とりわけ若い女性たちに激震が走った。

 今まで欠片も女の影の無かった将来有望な魔法使いが、明らかに女性もののエプロンを持っていたから。

 ではなく。


 普段クールで卒のないイケメンが、ピンク色フリフリエプロンを着用した姿に対してだ。


「ディドイ様のエプロン姿見た!?」

「見たわ! しっかりこの目に焼き付けたわ!!」

「あの、いつもしっかりとしたクールなディドイ様のフリフリエプロン! ギャップがたまらないっ!」

「くうぅぅぅ! 見たかったぁぁぁ……。誰か、念写の能力者は!?」

「居るわけないじゃない」


 女性が集まれば、喧しく話に花が咲く。

 そんな集団に近づくのは、一人の女性。


「皆様。その話題のエプロン、いかがかしら?」


 キラリとメガネを光らせながら、右手のピンク色のフリフリを差し出す。


「こ、これが……!?」

「一体、どうして?」

「ふふふ……。フラン殿下の執務室近くで拾ったの。エプロンに気付いたディドイ様が脱ぎ捨てたものよ」

「本当にっ?」

「ええ。ちょうど廊下の掃除をしながら、話を伺っていたから。脱ぎ捨てた瞬間、拾ったわ!」

「な、何ですって!?」

「これがあれば、もう一度ディドイ様のエプロン姿を!」

「念願のフリフリエプロン姿を!!」

「「「見られる!」」」


 こうして一致団結した女性たちによって、『ディドイ様にフリフリエプロンを再び!』計画が発動されたのだった。


 そしてそれから、情熱ほとばしる女性陣に追い回されるディドイと、いつの間にやら量産されていたピンク色フリフリエプロンが度々城内で見かけられるようになり、キレたディドイによってそのエプロンたちが燃やし尽くされるまで続いたのであった。


 ちなみに、ディドイに対してエプロンのことを指摘した魔法使いは、エプロン姿を見れなかった女性たちから影で制裁を食らっていたのは、余談である。

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