表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/14

各族長達

 かなり遅くなった上にあんまり進展なくてごめんなさい。次はなるべく早くに更新しようと思います!

竜都 南側 テルース地方

 そこは広大な丘が広がった場所で近くには森や野原が広がっている地竜の里。地竜は知恵の竜とも呼ばれていて、知識が豊富で本を読むのが好きな竜なので地下に書庫を設けた造りの家ばかりで、そんな里の中心には地竜族の長が住む館があり、そこには族長一家と数人の使用人が住んでいた。

 そんな館の一室に知らせが届いた。


「お母様此方にいらっしゃいますか?」


「グレイス、私なら此処にいるわよ」


「お母様、お父様は今日帰って来れないって連絡が入ったわ」


「あら?そうなの?何かあったのかしら?」


そう会話するのは地竜族族長の妻のレイラと娘のグレイスだった。





竜都 東側 ヴェスタ地方 

 そこは直ぐ後ろに火山がある火竜の里が在って、里の周囲には天然の温泉が何箇所も湧いている。その火山の半ばに火竜族の長が住む館があり、そこには族長一家と数人の使用人が住んでいた。


 その火竜族族長のアグニ・ヴァル・ヴェスタは深みのある紅い髪の色に赤みのあるオレンジ色の目をした男性で、見た目はまだ20代ほどで先日族長を受け継いだばかりのまだ若い竜族である。

アグニはその日館にある工房で得意の陶芸をして、未だ慣れぬ執務の息抜きをしていた。そんな時、工房にある小さな換気用の小窓に風竜の術が掛かった手紙が届いた。


 チチ、ピチュ、チチッチ


「あぁ?小鳥?・・・いや、風竜術か?」


そう言いながらアグニが小窓に近づき、その小鳥に触れると小鳥はポンと音を立て手紙に変わった。

そしてその手紙の封を見るとそこには竜妃の封印が押されていた。


「・・・竜妃様から?いきなりどうしたんだ?」


 アグニが手紙の封を切って中身の確認をするとそこには、


『火竜族族長 

  アグニ・ヴァル・ヴェスタ


  久しぶりね、アグニ

 直ぐに竜王城に来てちょうだい


  リティシア・ヴィ・リュゼル

 追伸、来なかったらパプカを食べてもらうから。ちなみに生で』


と、書かれていた。

 それを見たアグニは顔色を真っ青にしながら軽く身支度して、館の皆に


「今から城に行って来る!!」


と、言い残し慌てて飛んで行った。





竜都 西側 アナヒタ地方

 そこは大きな滝と湖がある水が溢れた水竜の里。竜都全域に幾つも川が出来ており、すべて元を辿ると水竜の里にたどり着き水竜族は水の管理や川や湖に生息している生き物の管理をしている。水竜の里の傍は大きな湖があり、滝の上に水竜族の長が住む館があり族長一家と数人の使用人が住んでいた。


 その水竜族族長のエリック・ヴァル・アナヒタは水色の髪に深みのある青い目の男性で、その見た目は20代半ば位で火竜族のアグニよりも先に族長を受け継いでいるが未だ若い竜族であることは違いない。

エリックはここ最近多かった執務をようやく終え、休憩ついでに滝の傍のテラスでお茶をしているとそこに風竜術の掛かった手紙が届いた。


チチ、ピチュ、チチッチ


「おや?これは風竜術が掛かっていますね」


そう言って小鳥の形をした手紙に触れると、ポンと音を立てて元の手紙に戻った。

その手紙の封を確認してエリックは手紙を開けるとそこには、


『水竜族族長

  エリック・ヴァル・アナヒタ


  ごきげんようエリック

 急ぎの用なので竜王城に来てください


  リティシア・ヴィ・リュゼル』


と、書かれていた。

 それを見たエリックは軽く身支度をして館の者に外出を伝えて竜王城に飛んで行った。


「それにしても急ぎとは何かあったんですかね?」





竜都 西南西側 フローラ地方 

 そこは森に囲まれ、沢山の植物が生えている緑溢れる木竜の里。木竜は竜族の中でも人数は少ないが、木や植物に詳しい種族なので竜種の中で薬を調合したり医師のような役割りに、植物の研究、森に住む動植物の管理をしている。そんな里の傍にある森の入り口に木竜族の長が住む館があり族長一家と数人の使用人が住んでいた。


 その木竜族族長のサーシャ・ヴァル・フローラは明るめの緑色の髪に薄めのピンク色の目の女性で、見た目は20代前半の若い竜族で火竜族のアグニ、水竜族のエリックとは幼馴染で昔は一緒によく遊んでいたが、2人よりももっと早くに族長を継いでいた。

サーシャはその日久々の休日で、趣味の研究をしているとサーシャの実験用の植物の傍に風竜術の掛かった手紙が届いた。


チチ、ピチュ、チチッチ


「あら?風竜術?何かあったのかしら?」


そう言い小鳥の形をした手紙に触れると、ポンと音を立て手紙に戻った。

その手紙の封を確認してサーシャが手紙を開けるとそこには、


『木竜族族長

  サーシャ・ヴァル・フローラ


  久しぶりね、サーシャ

 急ぎの用なので直ぐに竜王城に来てくれるかしら?


  リティシア・ヴィ・リュゼル』


と、書かれていた。

 それを見たサーシャは身支度をして館の者に外出を伝えて竜王城に飛んでいった。


「今度は何があったのかしら?」




竜都 北北東側 アイロス地方

 そこは大きい岩山や切り立つ山などに囲まれた風竜の里。風竜は風を操ることに長けているので他の竜よりも速く飛べ、遠くの音や声を風に乗せて聞き取ることが出来るので国中の情報を集めている。風の力は抑えられることを嫌うので基本的に自由気ままな性格の者が多い。そんな風竜の里の大きく切り立つ岩山の中ほどに縦に高くそびえる館があり、そこには族長一家と数人の使用人が住んでいた。


 その風竜族族長のゼフィロス・ヴァル・アイロスは銀色の髪に銀色の髪に銀色が混じった様な蒼い目をした男性で、見た目は30歳前半、族長としての責任感が強く若手のアグニ、エリック、サーシャにとってお兄さん的な存在だった。

ゼフィロスはその日執務を早くに終わらせ、妻のフィオーネと一緒にお茶を飲んで休憩していた。そんな時に風竜術の掛かった手紙が届いた。


チチ、ピチュ、チチッチ


「これは、リティからか?何かあったのか?」


「ゼフィ?竜妃様から手紙ですか?」


「あぁ、そうみたいだ」


そう会話しながらゼフィロスが小鳥の形をした手紙に触れるとポンと音をたてて元の手紙に戻り、ゼフィロスは手紙の封を開けて中身を確認するとそこには


『風竜族族長

  ゼフィロス・ヴァル・アイロス


  お兄様ごきげんよう

 急ぎの用がありますので竜王城に来てくださいませ


 リティシア・ヴィ・リュゼル』


と、書かれていた。


「ゼフィ、今日の予定は中止ですね」


 手紙を隣で覗き込んでいたフィオーネがそう呟くとゼフィロスは申し訳なさそうにフィオーネに謝った。


「・・・すまない、フィーネ」


「いいえ、竜妃様からですもの残念ですがしかたありませんわ」


 2人が会話していると、ゼフィロスによく似た息子のジルが声を掛けた。


「父上、城に行かれるのですか?」


「そうだ・・・ジル、フィーネと留守番を頼む」


「はい!」


 そう言い、ゼフィロスは身支度をして竜王城に飛んで行った。




竜都 南南西側 アグライア地方

 そこは山に囲われた比較的高い位置にある光が多く入る光竜の里。光竜は竜族の中では攻撃性の低い竜故に、穏やかな性格の者が多く竜族以外の者ともとても友好的な種族なので外交関係や、光がある場所なら力を使えば個人差はあれど遠くまで見ることが出来るので情報を集めたりしている。そんな光竜の里には光を反射するための大きな湖があり、湖の中に陸地があってその上に光竜の長が住む館がたっており、そこには族長一家と数人の使用人が住んでいる。


 その光竜族族長のシンシア・ヴァル・アグライアは薄めの黄色の髪に濃い黄色の目をした女性で、見た目は20代半ばに見えるが実は風竜のゼフィロスと同い年だったりする。

シンシアはその日は先日孵ったばかりの娘の為に編み物をしていた。そんな時に風竜術の掛かった手紙が届いた。


チチ、ピチュ、チチッチ


「あら?風竜術?誰からかしら?」


 そう言ってその小鳥の形をした手紙に触れるとポンと音を立ててもとの手紙にもどった。シンシアは手紙の封を開けて中身を確認した。


『光竜族族長

  シンシア・ヴァル・アグライア


  ごきげんようシンシア

 急ぎの用なので竜王城に直ぐに来てくださいませ


  リティシア・ヴィ・リュゼル』


と、書かれていた。

 シンシアが手紙を読み終わったその時、シンシアの夫のラディアンと息子のシアンが外から戻ってきた。


「シンシア、今戻ったよ」「母上~ただ今戻りました」


「2人ともお帰りなさい。

 ラディ、今から城に行ってきますので子供達のことお願いしますわ」


「ああ、かまわないよ」


「父上、母上、リディの世話僕も手伝う!」


 シアンがそう伝えると、2人は顔を見合わせて微笑ましそうに笑顔になった。


「えぇ、シアン。リディのこと頼みますわ」


「うん!」


「では、2人とも行って来ますわ」


 そう言ってシンシアは城に飛んで行った。





竜都 北北西側 ニュクス地方

 そこは高い山に囲われた暗竜の里。暗竜は竜族の中で司る力がもっとも強く、闇を司るので強すぎる光は体に毒なので子供のころは起きるときに光をみたら刺激が強すぎて失明してしまうことがあるぐらいで、基本的に部屋に日光が入り過ぎないような家の造りになっている。暗竜は個人差はあれど暗いところなら遠くまで視たり感じたり出来るので、光竜とは違う目線で情報を集めたり、風竜達とともに竜都全体の防衛をしたりしている。そんな暗竜の里の近くの大きな山の麓に暗竜の長が住む館が建っていてそこには、族長一家と数人の使用人が暮らしている。


 その暗竜族族長のデリス・ヴァル・ニュクスは黒に近いぐらい深い藍色の髪の色に深い紫の目をした男性で、見た目30代半ばから40代ほどで地竜のロイスとは同じぐらいの年になる。 

 デリスはその日は息子のアンリと暗竜の術練習をしていた。そんな時に風竜術の掛かった手紙が届いた。


チチ、ピチュ、チチッチ


「・・・風竜術?・・・手紙か?」


「父上、手紙、ですか?」


「あぁ、みたいだ」


そう言ってデリスが小鳥の形をした手紙に触れるとポンと音を立ててもとの手紙にもどった。デリスは手紙の封を確認して手紙を開けるとそこには


『暗竜族族長

  デリス・ヴァル・ニュクス


  ごきげんようデリス

 急ぎの用がありますので竜王城に来てくださいませ


  リティシア・ヴィ・リュゼル』


と、書かれていた。

 その手紙をみたデリスはため息を吐き申し訳なさそうにアンリに謝った。


「アンリ、すまない・・・城に、行く・・・練習また今度でいいか?」


「はい父上、母上には?」


「イリアには、城に行ったと、伝えておいてくれ」


「わかりました」


 そう言ってデリスは身支度を整えて城に飛んで行った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ