プロローグ2
(・・・ぅん・・・)
(ここ・・・どこ・・・?)
真っ暗な中私、一ノ宮 桜は思った。
私は家族が泣きながら見守られ、短いながら幸せにその人生を終わらせた筈、なのに気がついたら真っ暗な場所にいる。
(どこだかわかんないけど、すっごく落ち着く・・・)
そう思いながら少し体を動かしてみると手が壁に当たった。
(・・・壁?)
しばらく壁らしき物を触っていて気付いたが、壁と思っていた物が曲線を描いているのが分かった。
それも、少し楕円形になっていてそれはまるで、
(まさか!ここ卵の中?でも、何で卵の中なの?)
(あれ?ここ少し柔らかい?)
そう思って、少し力を入れてみるそうすると、ひびが入った。
そのまま、力を入れてその場所を叩き続けているとひびは広がるがなかなか割れず、少しだけ休憩をすることにした。
そして、疑問に思う、
(・・・なんか、手が小さい?・・・まるで、赤ちゃんみたい)
(・・・考えても、仕方ないよね?取りあえず、ここから出るのが優先かな)
そう思いながらまた卵を割ることに集中する。そうすると、ひびはさらに広がり光が入り始めた。
(あ・・・割れる!)
その瞬間、卵が割れた。
「ぅっぎゃぁ~~ふえぇ~ん(まぶしいよ~)」